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日本国内における中国共産党員の存在把握の必要性等に関する質問主意書
参議院 第217回 第176号
質問本文
オーストラリアの複数の報道機関は二〇二〇年十二月、中国共産党員約百九十五万人分の名簿データベースを入手・分析した旨報じた。この中には、外国の大企業、領事館、大学、研究機関等に勤務する党員の情報が含まれているとされる。同報道は、中国共産党が国外においても組織的・継続的に影響力を行使しうる実態を浮き彫りにしたものであり、各国の安全保障当局が重大な関心を示したと思われる。
日本においても、国家安全保障及び経済安全保障の観点から、外国勢力による影響力行使や情報収集活動への対処が喫緊の課題となっている。特に、機微技術分野に関わる研究者や留学生の受入れに際しては、出身国の政治的背景や所属組織に対する適切なリスク評価が不可欠である。
以上を踏まえ、以下質問する。
一 前記の中国共産党員のデータベースの存在について、対外的な評価及び受け止めを含めて政府の見解を明らかにされたい。
二 当該データベースに含まれる情報について、政府はその一部又は全部を入手あるいは共有された事実があるか示されたい。ある場合、当該データベースの分析・活用の状況を示されたい。ない場合、当該データベースの入手・共有に向けた検討状況を明らかにされたい。
三 日本国内における中国共産党員の存在及び活動実態について、政府の把握状況を示されたい。現行制度下での調査・確認の手段、所掌官庁及び把握の限界について具体的に示されたい。
四 外国人研究者・留学生等の受入れに際し、出身国の政党・軍関係機関・影響力組織等への所属・関与歴について、政府が行っている審査及び確認方法等を示されたい。審査等を実施している場合、当該制度設計、審査手順及び過去の対応事例等を含めて示されたい。
五 国家安全保障・経済安全保障の観点から、中国共産党員の存在把握及び関連情報の収集・分析体制の強化を行う必要性について、政府の見解を示されたい。また、現時点で制度改正・運用変更等の検討が行われている場合、当該検討の概要を明らかにされたい。
質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。
右質問する。
政府答弁書
一及び二について
お尋ねについてお答えすることは、我が国の情報収集能力等を明らかにするおそれがあることから、差し控えたい。
三について
お尋ねの「日本国内における中国共産党員の存在及び活動実態」の把握状況や、「現行制度下での調査・確認の手段」及び「把握の限界」についてお答えすることは、我が国の情報収集能力等を明らかにするおそれがあることから、差し控えたいが、政府の各行政機関においては、それぞれの所掌事務に基づいて必要に応じて情報収集を行っている。
四について
お尋ねの「対応事例」については、今後の入国審査等の事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えを差し控えるが、「審査及び確認方法等」及び「審査手順」については、令和四年一月二十四日の衆議院予算委員会において、古川法務大臣(当時)が「在留資格認定証明書の交付申請などの審査に当たりまして、これは通常、受入先、あるいは学歴、本邦でどのような活動内容をするのかというようなことを申請書等で確認しておりますけれども、これに加えまして、機微技術の流出防止の観点から、必要に応じまして、これまでの実績、あるいは具体的な研究内容等に関する資料の提出などを求めることといたしております」と答弁したとおりである。
また、「当該制度設計」については、政府としては、「統合イノベーション戦略二〇二五」(令和七年六月六日閣議決定)において、「技術流出防止の観点から・・・留学生・外国人研究者等の受入れ審査強化等に引き続き取り組んでいく」こととしており、これも踏まえ、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「法」という。)第七条の二第一項に規定される在留資格認定証明書の交付申請の審査に当たっては、本邦に上陸しようとする外国人が法第七条第一項第二号に掲げる条件に適合しているかどうか、また、出入国管理及び難民認定法施行規則(昭和五十六年法務省令第五十四号)第六条の二第五項の規定に基づき、法第七条第一項第一号、第三号又は第四号に掲げる条件に適合しているかどうかを審査することとしている。
五について
お尋ねについては、我が国の情報収集能力等を明らかにするおそれがあることから、お答えを差し控えたい。いずれにせよ、政府としては、今後とも、情報機能の更なる強化について検討を行ってまいりたい。