ことばで探す › 参議院 第217回
「赤字であること」を医療法人設立の不認可要件とする法的根拠等に関する質問主意書
参議院 第217回 第98号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×4承知していない ×2
質問本文
近年、地域医療を支える重要な存在である医療法人の設立に際して、所轄行政庁が「赤字であること」を理由として不認可とする事例が散見される。しかし、医療法を始めとする関係法令上、いわゆる「赤字であること」を医療法人設立の不認可要件とする条文は確認できない。それにもかかわらず、所轄行政庁が赤字であるという一点のみを理由として不認可処分をするという運用は、法の趣旨との整合性及び医療法人制度の目的である医療の継続性確保という観点から疑義があると考えられる。これらを踏まえ、以下質問する。
一 医療法人の設立に当たり、所轄行政庁が財務上の赤字を理由に不認可とする運用が行われている事実について、政府は把握しているか示されたい。また、把握している場合、過去五年間における不認可の件数及び主な理由を詳細に示されたい。
二 医療法又は関係法令において、「赤字であること」を医療法人設立の不認可要件とする明文規定は存在するか示されたい。存在しない場合、所轄行政庁が赤字であることを理由として不認可とすることの法的根拠を示されたい。
三 赤字であっても、資金調達力、経営計画、地域医療への貢献度等を総合的に評価して医療法人設立を認可するなど、柔軟に運用することは十分に可能であると考えるが、政府の見解を示されたい。
四 所轄行政庁における医療法人設立の認可基準や判断プロセスについて、地域間格差や恣意的運用が生じている可能性若しくは今後生じる可能性があることを政府は把握しているか示されたい。また、公平性を損なうリスクや市場の適正化を阻害するリスク、地域住民の医療費高騰につながるリスク等、地域間格差や恣意的運用が横行することで生じ得るリスクを政府は把握しているか示されたい。把握している場合、全て示されたい。
五 所轄行政庁における医療法人設立の認可基準や判断プロセスについて、地域間格差や恣意的運用が生じないよう、政府として統一的なガイドラインを策定・周知する考えはあるか示されたい。また、現時点での対応及び今後の方針を示されたい。
六 前記五について、統一的なガイドラインを策定・周知する考えがない場合、前記四のリスクについて政府の対処方針を全て示されたい。
質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。
右質問する。
政府答弁書
一について
御指摘の「医療法人の設立」に関しては、医療法(昭和二十三年法律第二百五号。以下「法」という。)第四十一条第一項において、「医療法人は、その業務を行うに必要な資産を有しなければならない」と、同条第二項において、当該資産に関し必要な事項は、厚生労働省令で定めるものと規定し、医療法施行規則(昭和二十三年厚生省令第五十号。以下「規則」という。)第三十条の三十四において、「医療法人は、その開設する病院、診療所、介護老人保健施設又は介護医療院の業務を行うために必要な施設、設備又は資金を有しなければならない」と規定しており、また、法第四十五条第一項において、その主たる事務所の所在地の都道府県知事(以下「都道府県知事」という。)は、医療法人の設立の認可の申請があった場合には、当該申請に係る医療法人の資産が法第四十一条の要件に該当しているかどうか等を審査した上で、その認可を決定しなければならないものと、法第四十五条第二項において、当該認可等をするに当たっては、あらかじめ都道府県医療審議会の意見を聴かなければならないものと規定し、規則第三十一条第七号等において、当該認可を受けようとする者は「設立後二年間の事業計画及びこれに伴う予算書」等の書類を添付して、都道府県知事に提出しなければならないものと規定しており、さらに、「医療法人制度について」(平成十九年三月三十日付け医政発第〇三三〇〇四九号(平成三十一年三月二十九日最終改正)厚生労働省医政局長通知。以下「通知」という。)において、都道府県知事に対し、「新たに医療施設を開設するために医療法人を設立する場合には、二か月以上の運転資金を有していることが望ましいこと」等と示しているところである。
その上で、御指摘の「所轄行政庁が財務上の赤字を理由に不認可とする運用」の意味するところが必ずしも明らかではないが、都道府県知事においては、これらの法令及び通知を踏まえ、法第四十五条第一項の審査に当たり、申請者の資金の保有について確認する際に、地域の実情も踏まえつつ、個別具体の事案に応じ、申請者が御指摘の「赤字」であることを勘案することも考えられるものの、いずれにせよ、このような勘案が行われた事案の把握は行っていない。
二の前段について
お尋ねの「明文規定」はない。
二の後段について
御指摘の「赤字であることを理由として不認可とすること」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一についてで述べたとおり、都道府県知事においては、関係法令及び通知を踏まえ、法第四十五条第一項の審査に当たり、申請者の資金の保有について確認する際に、地域の実情も踏まえつつ、個別具体の事案に応じ、申請者が御指摘の「赤字であること」を勘案することも考えられるところである。
三について
御指摘の「地域医療への貢献度」の「評価」及び「柔軟に運用すること」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、都道府県知事においては、関係法令及び通知を踏まえ、法第四十五条第一項の審査及び認可に当たり、地域の実情も踏まえつつ、個別具体の事案に応じ、御指摘のような「資金調達力」や「経営計画」も勘案して「総合的」な「評価」を行いながら、適切に実施されているものと認識している。
四及び五について
御指摘の「地域間格差や恣意的運用」の意味するところが明らかではないため、これに関するお尋ねについてお答えすることは困難であるが、いずれにせよ、三についてで述べたとおり、都道府県知事においては、関係法令及び通知を踏まえ、法第四十五条第一項の審査及び認可について、地域の実情も踏まえつつ、個別具体の事案に応じ、適切に実施されているものと認識しており、御指摘のような「リスク」は承知しておらず、また、御指摘のように「統一的なガイドラインを策定・周知する」ことは考えていない。
六について
四及び五についてで述べたとおり、御指摘の「前記四のリスク」について承知していないため、このことを前提としたお尋ねについてお答えすることは困難である。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×4承知していない ×2
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。