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持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営の支援等に関する質問主意書

衆議院 第219回 第197号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×2

提出者
立憲民主党・無所属
提出日
2025年12月12日
内閣転送 2025年12月17日
答弁書受領日
2025年12月23日
提出から11日
答弁の項目数
5
質問 1,377字/答弁 2,667字

質問本文

政府が令和七年九月三十日に公表した令和六年度の地方公営企業等の決算によれば、地方公共団体が運営する全国六百七十八の公立病院事業の合計の経常収支は、三千九百五十二億円で過去最大の赤字となり、経常収支が赤字となった病院の割合は八十三.三%となっている。

以下、質問する。

一 公立病院における経営赤字は、コロナ禍以降の患者数の減少等による医業収入の減少、薬剤費や医療機器、光熱費等の物価高騰や賃金の上昇、制度的課題等の複数要因が関係しており、その経営悪化は上記の通り、極めて深刻な状況にある。地域医療提供体制を維持するため、緊急的な財政支援に加え、診療報酬の大幅な加算が不可欠である。また、物価や賃金の上昇に応じて診療報酬を適時適切にスライドさせる仕組みの導入も急務である。政府見解と対応を伺う。

二 過疎化・高齢化が進む地域では、医師や看護師等の確保が難しく、必要な人員配置の基準を満たせないことで診療報酬の点数が低く算定されることから、厳しい経営状況となっている所がある。医療従事者の確保や処遇改善の取り組みを進める上で、同地域に対しては特段の支援が必要であると考える。政府見解と対応を伺う。

三 公立病院は、へき地医療、救急医療、周産期医療、精神医療等、不採算医療の多分を担っており、これらをカバーするために地方公共団体の一般会計から病院事業会計への繰入金制度に基づき、病院設置分として地方交付税措置されているところである。一方、同事業の運営費に対する積算単価が実態に見合っておらず、地方公共団体の持ち出しによる負担が限界に達しているとの指摘や、同交付税の繰出基準については、一部が明確な定量的基準ではなく定性的であり、費用の便益分析が困難である等、繰出の現行基準が実情に合っていないとする指摘があり、改善を求める声がある。政府見解と対応を伺う。

四 地域医療構想に基づく従来の取り組みにより、すでに多くの地域で病床数の適正化は進んでいる。令和六年度病院機能報告によれば、全国の総病床数は百十七・八万床となっており、政府が令和七年度に向けて必要量と掲げてきた百十九・一万床を、すでに約一・三万床下回っている。特に公立病院は、不採算医療の実施の他、コロナ禍にあっては積極的に患者の受け入れを行い、新興感染症対応におけるバッファ機能も有してきた。経営悪化への対応として病床削減がさらに進んでいく現状が、今後の地域医療の維持・継続に深刻な影響を及ぼす恐れがあると考える。政府見解と対応を伺う。

五 政府は、令和九年度からの「新たな地域医療構想」に向けた病床削減について「地域の実情に応じて病床を適正化する」と答弁する一方、十一万床という数値目標を掲げている。一般病院、ケアミックス病院における病床を削減の対象としているが、必要のない病床であれば、試算(一般病院で一床あたり年間約二千三百万円、ケアミックス病院で一床あたり年間約千四百万円の医業収益)にある医療費は生じないはずであり、より稼働率が低く、患者数が少ない場合の一床当たりの医業収益は同試算よりもはるかに小さくなると考えられる。地域で維持されるべき病床を削減対象とすることが、かえって地域の実情に沿わない病床削減の推進や、地域医療提供体制の混乱を招きうると考える。政府見解と対応を伺う。

右質問する。

衆議院の原文経過

政府答弁書

一について

お尋ねの「緊急的な財政支援」及び「診療報酬の大幅な加算」については、令和七年十二月十一日の衆議院予算委員会において、高市内閣総理大臣が「医療機関が、物価、賃金の上昇などの状況に直面している、かなり経営が厳しいという強い認識を持っておりましたので、約一・四兆円程度の医療・介護等支援パッケージを緊急措置いたしました。これは、報酬改定の効果を前倒しして、経営の改善、それから従業員の処遇改善につなげるというものです。他産業の状況も踏まえた賃上げ、それから物価上昇を踏まえた対応として措置をしたものでございます。これで国民の命と暮らしを守る、安心して医療、介護、福祉サービスを受けられる体制が整備できるように、一刻も早く現場に届けたいと思います。その先に診療報酬改定、ここでしっかりとまた物価高、コスト高というものを見ていきたいと思っております」と答弁したとおりである。

また、お尋ねの「物価や賃金の上昇に応じて診療報酬を適時適切にスライドさせる仕組み」については、同月四日の参議院厚生労働委員会において、上野厚生労働大臣が「診療報酬や介護報酬を物価や人件費の上昇に応じて自動的に改定をすることにつきましては、・・・予見可能性が高まる、こういう面は確実にあるというふうに考えています。ただ、その一方で、じゃ具体的にどういうルールにするのか、どう定めるのかという観点であったり、あるいは財源、これをどのように安定的に確保するのか、そういった観点からも様々な課題があるのもまた事実だというふうに考えております。まずは物価や賃金を適切に反映する改定というのを着実に実施していけるように努力をしていきたいと思いますし、今後そうした・・・反映の仕方についても十分検討していく必要があろうかというふうに考えております」と答弁したとおりである。

二について

御指摘の「過疎化・高齢化が進む地域」も含めた「医療従事者の確保や処遇改善の取り組み」については、診療報酬の算定方法(平成二十年厚生労働省告示第五十九号)において、医療機関に勤務する看護職員、薬剤師その他の医療関係職種の賃金の改善を実施している場合を評価する「外来・在宅ベースアップ評価料(�T)」等を設けているほか、一についてでお答えした「医療・介護等支援パッケージ」を措置したところである。さらに、御指摘の「過疎化・高齢化が進む地域」における「医療従事者の確保」に資する支援として、例えば、へき地に対しては、令和七年十二月二日の参議院厚生労働委員会において、上野厚生労働大臣が「へき地において診療やプライマリーケアを実践できる医師の育成等を担っていただいておりますへき地医療拠点病院・・・への財政的な支援、あるいは基礎的な医療を担っていただくへき地診療所、こうしたものへの財政的な支援も行わせていただいております」と答弁しているとおりである。

三について

御指摘の「同事業の運営費に対する積算単価」の意味するところが必ずしも明らかではないが、病院事業に要する経費のうち一般会計が負担すべき経費については、総務省において調査している地方公営企業決算統計等を踏まえ、必要額を地方財政計画に計上し、地方交付税により、各地方公共団体に対して、財政措置を講じているところであり、公立病院に係る地方財政措置については、公立病院が地域医療の提供について重要な役割を果たしていること等を踏まえ、毎年度、地方財政対策の中で検討していくこととしている。

また、御指摘の「同交付税の繰出基準」の意味するところが必ずしも明らかではないが、毎年度、「令和七年度の地方公営企業繰出金について」(令和七年四月一日付け総財公第二十八号総務副大臣通知)等において公営企業繰出金の基本的な考え方を通知しており、これらの通知に基づき適正な運用を図っているところ、公立病院の役割は、その立地条件や医療機能等により様々であることから、現時点においては、当該基本的な考え方をこれまで以上に明確化すること等は困難であると考えている。

四について

御指摘の公立病院については、令和七年十二月九日の衆議院予算委員会において、上野厚生労働大臣が「例えば不採算医療であったり、あるいは特殊な医療であったり、地域医療にとって極めて重要な役割を担っていただいていると考えております」と答弁しているところ、公立病院も含め、地域医療構想は、病床の削減や病院の統廃合ありきではなく、中長期的な人口構造や地域の医療ニーズの変化に応じて、質の高い効率的な医療提供体制の確保を目指すものであり、御指摘の「病床削減」については、御指摘の「地域医療の維持・継続」への「影響」等に留意しながら、行われるべきものと考えている。

五について

お尋ねの「十一万床」に関しては、令和七年六月六日に自由民主党、公明党及び日本維新の会の三党により合意された「自由民主党、公明党、日本維新の会 合意」において、「人口減少等により不要となると推定される、約十一万床・・・の一般病床・療養病床・精神病床といった病床について、地域の実情を踏まえた調査を行った上で、二年後の新たな地域医療構想に向けて、不可逆的な措置を講じつつ、調査を踏まえて次の地域医療構想までに削減を図ること(中略)その上で、感染症等に対応する病床は確実に確保しつつ、・・・精査を行う」こととされたものであり、また、第二百十七回国会に内閣が提出した医療法等の一部を改正する法律案に対して、「都道府県は、その地域の実情を踏まえ、医療機関がその経営の安定を図るために緊急に病床数を削減することを支援する事業を行うことができることとするとともに、医療機関が当該事業に基づき病床数を削減したときは、厚生労働省令で定める場合を除き、医療計画において定める基準病床数を削減するものとすること」との趣旨説明により提案された議員修正により、医療法等の一部を改正する法律(令和七年法律第八十七号)による改正後の地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律(平成元年法律第六十四号)第七条の二において、「都道府県は、その地域の実情を踏まえ、医療機関がその経営の安定を図るために緊急に病床数を削減することを支援する事業を行うことができる」との規定が新設された経緯等を踏まえると、御指摘のように「地域で維持されるべき病床を削減対象とする」ものではないと承知しており、このことを前提としたお尋ねにお答えすることは困難である。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

件名の語が重なる質問主意書

提出 2025年6月13日 屋良 朝博(立憲民主党・無所属) 答弁 2025年6月24日

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