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地域医療構想に関する質問主意書
衆議院 第208回 第155号趣旨が明らかではない ×1
質問本文
厚生労働省の資料「地域医療構想について」によれば、地域医療構想は「二〇二五年に向け、病床の機能分化・連携を進めるために、医療機能ごとに二〇二五年の医療需要と病床の必要量を推計し、定めるもの」とされている。二〇一九年九月二十六日、厚生労働省はこれに基づき、医療体制の見直しを進めるため、千四百五十五の公立・公的病院の診療実績を分析・公表し、うち三割の四百二十四病院について、病床数や診療体制を見直す検証が必要だとして、翌二〇二〇年までに各病院に結論を出すように求めた経過がある。
他方、総務省は、令和四年三月二十九日、「新公立病院改革ガイドライン」を改定し、「持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化ガイドライン」を策定した。
従って、次の事項について質問する。
一 総務省の「公立病院改革ガイドライン」は平成十九年に発出され、平成二十七年三月三十一日に「新公立病院改革ガイドライン」へと改訂された。他方、地域医療構想は、「公立病院改革ガイドライン」による改革が進められる中、平成二十六年六月成立のいわゆる「医療介護総合確保推進法」に基づき医療計画の一部として位置付けられ、都道府県は、「新公立病院改革ガイドライン」発出後となる平成二十七年四月以降、地域医療構想を策定するとされたものである。
これを受けて「新公立病院改革ガイドライン」では、地域医療構想に触れ「こうした医療制度改革と密接な関連があり」「今後の公立病院改革は、医療法に基づく地域医療構想の検討及びこれに基づく取組と整合的に行われる必要がある」と明記されている。
厚生労働省は、先日、医政局長名で「地域医療構想の進め方について」との通知を発出した。しかし「持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化ガイドライン」に先立つ三月二十四日付であり、かつ令和四年四月二十八日の地方創生に関する特別委員会では、厚生労働大臣政務官が「厚生労働省として方針転換を行ったものではない」旨の答弁をしている。
政府は、地域医療構想と密接な関係があり、整合性を問われるガイドラインの大幅な改定にもかかわらず、なぜ地域医療構想について修正、変更を行わないのか。
二 厚生労働省は「公立病院改革ガイドライン」以降の総務省のガイドラインと、地域医療構想との関係について、連携はとっていると答えてきた。令和四年二月十六日の予算委員会第五分科会における私の質問に対しても、後藤厚生労働大臣からは、「地域医療構想を進めていくに当たりまして、公的病院、また今回のガイドラインを決めました総務省とも連携しながら」との答弁がある。
では、総務省がこれまで示してきた「公立病院改革ガイドライン」「新公立病院改革ガイドライン」「持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化ガイドライン」と、厚生労働省の示してきた地域医療構想とは、いかなる関係に立つものか。また厚生労働省の述べる地域医療構想と総務省の一連のガイドラインとの間でとられている連携とはどのようなものか。具体的に述べられたい。
三 公立・公的病院は、公・民の適切な役割分担の下、民間では担うことが難しい診療科やへき地医療、高度先進医療等を提供し、とりわけ多くの地方においては医療体制の基幹を担って、住民の暮らしと健康を守ってきた。しかし厚生労働省は、二〇一九年九月二十六日に病床数や診療体制の見直しを求めたように、公立・公的病院の統廃合を求めてきた経過がある。
他方、令和四年四月十二日の衆議院総務委員会における金子総務大臣の答弁によれば、「新たなガイドラインは、もとより公立病院の病床削減、統廃合は前提としておりません」としたうえで、「これまでの公立病院改革ガイドラインとは異なり、持続可能な地域医療提供体制の確保のために、限られた医師、看護師等の医療資源を地域全体で最大限効率的に活用するという視点を最も重視している」とされている。
そこで問うが、政府としては地域医療構想においても、今後総務省の「持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化ガイドライン」の考え方と同様、「公立病院の病床削減、統廃合を前提とせず」「これまでと異なり、持続可能な地域医療提供体制の確保のために、限られた医師、看護師等の医療資源を地域全体で最大限効率的に活用するという視点を最も重視」する、との見解に立つものと考えてよいか。
右質問する。
政府答弁書
一から三までについて
お尋ねの地域医療構想については、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律(平成二十六年法律第八十三号)により、医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第三十条の四第一項の規定に基づき都道府県が定める医療計画の記載事項として位置付けられ、各都道府県において、その達成に向け、公立病院も含め、病床機能の分化及び連携の取組を進めることとしているところである。「公立病院改革ガイドライン」(平成十九年十二月二十四日付け総財経第百三十四号総務省自治財政局長通知別添)、「新公立病院改革ガイドライン」(平成二十七年三月三十一日付け総財準第五十九号総務省自治財政局長通知別添。以下「新改革ガイドライン」という。)及び「持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化ガイドライン」(令和四年三月二十九日付け総財準第七十二号総務省自治財政局長通知別添。以下「経営強化ガイドライン」という。)については、地域医療の確保のために重要な役割を果たしている多くの公立病院における経営状況の悪化や医師不足等の厳しい状況を踏まえ、公立病院の経営改革や経営の強化の取組を通じて、持続可能な地域の医療提供体制を確保するために策定されたものである。
地域医療構想とこれらのガイドラインとの関係性については、新改革ガイドラインにおいて、「今後の公立病院改革は、医療法に基づく地域医療構想の検討及びこれに基づく取組と整合的に行われる必要がある」とし、「地域医療構想の進め方について」(平成三十年二月七日付け医政地発○二○七第一号厚生労働省医政局地域医療計画課長通知)においても、「病院事業を設置する地方公共団体は、「新公立病院改革ガイドライン」・・・を参考に、公立病院について、病院ごとに「新公立病院改革プラン」を策定した上で、地域医療構想調整会議において、・・・具体的対応方針を協議すること」としているところであり、また、経営強化ガイドラインにおいて、経営強化ガイドラインを参考に策定する「公立病院経営強化プラン」について、「「地域医療構想の進め方について」(令和四年三月二十四日付け厚生労働省医政局長通知)により、当該公立病院の地域医療構想に係る具体的対応方針として位置付けることとされていることも踏まえ、地域医療構想と整合的であることが求められる」とし、「地域医療構想の進め方について」(令和四年三月二十四日付け医政発〇三二四第六号厚生労働省医政局長通知。以下「令和四年通知」という。)においても、「病院事業を設置する地方公共団体は、・・・「持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化ガイドライン」を踏まえ、病院ごとに「公立病院経営強化プラン」を具体的対応方針として策定した上で、地域医療構想調整会議において協議する」こととしているところであり、相互に整合を図っていることから、今般の経営強化ガイドラインの策定に伴って、お尋ねの地域医療構想の「修正、変更」を行う必要はないと考えている。
お尋ねの「地域医療構想においても、今後総務省の「持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化ガイドライン」の考え方と同様(中略)の見解に立つ」の意味するところが必ずしも明らかではないが、地域医療構想については、令和四年通知において、基本的な考え方として、「各構想区域における地域医療構想の実現に向けた病床機能の分化・連携の取組など、地域全体での質が高く効率的で持続可能な医療提供体制の確保を図る取組を進めることが重要であること」や「地域医療構想の推進の取組は、病床の削減や統廃合ありきではなく、各都道府県が、地域の実情を踏まえ、主体的に取組を進めるものである」と示しているほか、公立病院については、御指摘の「見解」に基づき策定された経営強化ガイドラインを参考に、公立病院を設置する地方公共団体が「公立病院経営強化プラン」を具体的対応方針として策定した上で、地域医療構想調整会議において協議することとしているところである。
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