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ディープフェイク広告対策に関する質問主意書
参議院 第219回 第61号お答えすることは困難 ×3趣旨が明らかではない ×6承知していない ×2個別の事案 ×1
質問本文
近年、AI技術の高度化により、著名人の肖像や声を無断で使用したディープフェイク広告(以下「当該広告」という。)が多数生成され、当該広告を信じた消費者が多大な金銭的被害を受けている。また、当該広告は、使用された著名人の社会的信用を毀損するとともに、デジタル空間で情報に接する国民の判断能力に深刻な影響を及ぼしており、政府として対処すべき重要な国民保護の課題である。
現在、不当景品類及び不当表示防止法(昭和三十七年法律第百三十四号。以下「景品表示法」という。)、特定商取引に関する法律(昭和五十一年法律第五十七号。以下「特定商取引法」という。)、不正競争防止法(平成五年法律第四十七号)、特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律(平成十三年法律第百三十七号。以下「旧プロバイダ責任制限法」という。)等に基づき、当該広告への個別対応は可能である。しかし、生成元の秘匿性、拡散の即時性、本人同意の有無を判別する手段の欠如といった当該広告の特徴を踏まえた対策に関する包括的な制度は未整備であり、関係省庁の所管が分散する構造的課題が指摘されている。
アジア地域では、登場する人物のデジタル署名が確認できない広告に注意喚起表示を行う仕組みや、デジタル署名がない広告による被害が発生した場合のプラットフォーム各社への対応根拠を明確化する制度が導入され、当該広告の抑制に一定の効果を上げていると報告されている。これらはコンテンツの検閲ではなく、本人同意の有無に着目するものである。行政負担を増大させることなく国民保護を実現できる点は、我が国においても参考となり得ると考える。当該広告の蔓延は、国民の財産保護、デジタル取引の信頼性及び日本の国際的信用に関わる問題であり、政府として早急な検討が求められる。
以上を踏まえて、以下質問する。
一 国内における当該広告による被害状況、特に、著名人の肖像や声の無断使用に関する通報・削除要請件数、当該広告を起因とする消費者の金銭的被害、プラットフォーム各社の削除対応率について、現状及び推移を示されたい。また、政府は、これらを定期的に把握する体制を構築する考えがあるか示されたい。
二 現行の景品表示法、特定商取引法、不正競争防止法、旧プロバイダ責任制限法等では、当該広告特有の問題に十分な対応ができないと考えるが、政府の認識を示されたい。特に、生成元特定の困難性、拡散の即時性、本人同意の有無を確認する制度が存在しないことを踏まえて答弁されたい。
三 広告に登場する人物に対して、デジタル署名その他の技術を活用した「任意の本人同意確認の仕組み」を制度として整備し、企業が希望する場合に利用可能とすることについて、政府の検討状況を示されたい。
四 登場する人物の同意が確認できない広告について、プラットフォーム各社が自主的に注意喚起表示を行うことができるよう、ガイドライン等を整備する考えがあるか示されたい。また、注意喚起表示としては、「この広告の登場人物については本人確認が行われていません」等が有効と考えるが、政府の見解を示されたい。
五 プラットフォーム各社が当該広告に迅速に対応できるよう、政府として、技術的基準、判断枠組み、注意喚起表示の方法などを明確化し、プラットフォーム各社の実務負担を軽減する制度の整備を検討しているか示されたい。あわせて、本人の同意が確認されていない広告に対してプラットフォーム各社が自主的に対応できるよう、支援策を講ずる考えがあるか示されたい。
六 当該広告の削除について、プラットフォーム各社が迷うことなく適切に対応できるよう、削除要請の判断基準、手続、連絡体制の統一化等、プラットフォーム各社の事務負担を軽減する制度の整備を検討しているか示されたい。特に、総務省、消費者庁、デジタル庁等の関係省庁が連携した対応体制について、現状と今後の方針を明らかにされたい。
七 当該広告に特化した新たな法制度又は既存法の横断的改正について、政府として検討を開始する意思があるか示されたい。特に、本人同意確認、注意喚起表示、プラットフォーム各社の対応基準、削除手続の迅速化を包括的に定める仕組みについて、それぞれの必要性に係る政府の見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
前段のお尋ねのうち、「通報」の件数及び「金銭的被害」については、政府として網羅的に把握しておらず、お答えすることは困難であるが、例えば、警察庁において把握する限り、いわゆる「SNS型投資詐欺」のうち、インターネットバナー広告等の広告を相手方に接触する端緒とするものの認知件数は、令和六年が二千九百一件、令和七年一月から同年十月末までが二千七百七十七件であり、その被害額は、令和六年が約四百二億六千万円、令和七年一月から同年十月末までが約三百八十三億四千万円である。また、前段のお尋ねのうち、「削除要請件数」及び「削除対応率」については、政府として把握しておらず、お答えすることは困難である。
後段のお尋ねについては、「これらを定期的に把握する体制」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、政府としては、必要な体制を確保した上で、インターネット上の違法な広告に関する実態把握に努めており、引き続き、こうした取組を進めてまいりたい。
二について
お尋ねの「当該広告特有の問題に十分な対応ができない」及び「生成元特定の困難性、拡散の即時性、本人同意の有無を確認する制度」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではなく、また、御指摘の「当該広告」が、不当景品類及び不当表示防止法(昭和三十七年法律第百三十四号。以下「景品表示法」という。)若しくは特定商取引に関する法律(昭和五十一年法律第五十七号。以下「特定商取引法」という。)に違反するか否か、不正競争防止法(平成五年法律第四十七号)第二条第一項に規定する「不正競争」に該当するか否か又は特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律(平成十三年法律第百三十七号)第二条第八号に規定する侵害情報送信防止措置の対象になるか否かは、個別具体的な事情により判断すべき事柄であるが、それぞれの法律を踏まえて対処しているところである。
三について
お尋ねの「広告に登場する人物」、「デジタル署名」及び「任意の本人同意確認の仕組み」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、景品表示法第五条においては、事業者が「自己の供給する商品又は役務の取引について」行う不当な表示が禁止されているほか、特定商取引法第十二条においては、「販売業者又は役務提供事業者は、通信販売をする場合の商品若しくは特定権利の販売条件又は役務の提供条件について広告をするときは、当該商品の性能又は当該権利若しくは当該役務の内容、当該商品若しくは当該権利の売買契約又は当該役務の役務提供契約の申込みの撤回又は解除に関する事項(第十五条の三第一項ただし書に規定する特約がある場合には、その内容を含む。)その他の主務省令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。」と規定されているところであり、政府としては、現時点では、これらの法令において、著名人へのなりすましの防止の観点から新たな制度を設けることは検討していない。
なお、本人確認の方法の一つである電子署名(電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子署名をいう。)については、同法第四条及び第十五条において、特定認証業務(同法第二条第三項に規定する特定認証業務をいう。)を行おうとする者が認定を受けることができることとされている。
四について
お尋ねの「登場する人物の同意が確認できない広告」及び「プラットフォーム各社が自主的に注意喚起表示を行うことができるよう」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、三についてで述べたとおり、景品表示法第五条及び特定商取引法第十二条において禁止行為について規定されているところである。また、総務省の有識者会議である「デジタル空間における情報流通の諸課題への対処に関する検討会」により令和七年九月に公表された「デジタル空間における情報流通の諸課題への対処に関する検討会中間取りまとめ」において示されたSNS等における「個人又は法人の氏名・名称、写真等を無断で利用して著名人等の個人又は有名企業等の法人になりすまし、投資セミナーや投資ビジネスへの勧誘等を図る広告」(以下「なりすまし型の偽広告」という。)への対応については、SNS等を提供する大規模なプラットフォーム事業者において、削除基準等の策定、公表等の取組がそれぞれ行われており、政府においては、その状況について「デジタル広告の流通を巡る諸課題への対応に関するモニタリング指針」(令和七年九月デジタル空間における情報流通の諸課題への対処に関する検討会公表。以下「モニタリング指針」という。)を作成し、それに基づきモニタリングを実施しているところである。現時点では、SNS等におけるなりすまし型の偽広告について、著名人へのなりすましの防止の観点から新たなガイドライン等を定めることは検討していない。
お尋ねの「この広告の登場人物については本人確認が行われていません」の有効性については、政府として検討を行っていないため、お答えすることは困難である。
五について
お尋ねの「プラットフォーム各社が当該広告に迅速に対応できるよう」、「技術的基準、判断枠組み、注意喚起表示の方法など」、「プラットフォーム各社の実務負担を軽減する制度」及び「本人の同意が確認されていない広告に対してプラットフォーム各社が自主的に対応できるよう」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、三についてで述べたとおり、景品表示法第五条及び特定商取引法第十二条において禁止行為について規定されているところであり、政府としては、現時点では、これらの法令において、著名人へのなりすましの防止の観点から新たな制度を設けることは検討していない。
また、SNS等におけるなりすまし型の偽広告への対応については、四についてで述べたとおり、SNS等を提供する大規模なプラットフォーム事業者において取組がそれぞれ行われており、政府においては、その状況についてモニタリング指針を作成し、それに基づきモニタリングを実施しているところであり、現時点では、著名人へのなりすましの防止の観点から支援策を講ずることは検討していない。
六について
お尋ねの「プラットフォーム各社が迷うことなく適切に対応できるよう」、「削除要請の判断基準、手続、連絡体制の統一化等」及び「プラットフォーム各社の事務負担を軽減する制度」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、三についてで述べたとおり、景品表示法第五条及び特定商取引法第十二条において禁止行為について規定されているところであり、政府としては、現時点では、これらの法令において、著名人へのなりすましの防止の観点から、お尋ねの「対応体制」を含めた新たな制度を設けることは検討していない。
また、SNS等におけるなりすまし型の偽広告への対応については、四についてで述べたとおり、SNS等を提供する大規模なプラットフォーム事業者において取組がそれぞれ行われており、政府においては、その状況についてモニタリング指針を作成し、それに基づきモニタリングを実施しているところであり、引き続き、こうした取組を進めてまいりたい。
七について
お尋ねの「当該広告に特化した新たな法制度又は既存法の横断的改正」、「本人同意確認、注意喚起表示、プラットフォーム各社の対応基準、削除手続の迅速化を包括的に定める仕組み」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、三についてで述べたとおり、景品表示法第五条及び特定商取引法第十二条において禁止行為について規定されているところであり、政府としては、現時点では、これらの法令において、著名人へのなりすましの防止の観点から新たな制度を設けることは検討していない。
また、お尋ねの「それぞれの必要性」については、政府として検討を行っていないが、いずれにせよ、SNS等におけるなりすまし型の偽広告への対応については、四についてで述べたとおり、SNS等を提供する大規模なプラットフォーム事業者において取組がそれぞれ行われており、政府においては、その状況についてモニタリング指針を作成し、それに基づきモニタリングを実施しているところであり、引き続き、こうした取組を進めてまいりたい。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×3趣旨が明らかではない ×6承知していない ×2個別の事案 ×1
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。