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在日米軍部隊の中東派遣及び我が国周辺の抑止力維持に関する質問主意書
参議院 第221回 第44号
質問本文
米国及びイスラエルが二〇二六年二月二十八日にイランを攻撃して以降、中東情勢はかつてない緊張状態にある。これに対応するため、米軍は、長崎県の佐世保基地に配備する強襲揚陸艦トリポリ、沖縄県に駐留する第三十一海兵遠征部隊、神奈川県の横須賀基地に所属する艦艇を相次いで中東派遣している。このように、現在、我が国周辺における米軍の即応性は極めて限定的な状況にあると言わざるを得ない。我が国周辺の抑止力に空白が生じているとの懸念を踏まえて、以下質問する。
一 中東派遣されている在日米軍所属の部隊、兵員数及び所属基地を全て示されたい。
二 在日米軍部隊の中東派遣に伴い、我が国周辺における米軍の即応性が一時的に低下しているとの指摘があるが、政府の現状認識を示されたい。また、我が国周辺海域において抑止力に「空白」が生じている現状が我が国の安全保障に及ぼすリスクについて、政府の評価を示されたい。
三 二〇〇三年のイラク戦争の際、米軍は沖縄県の在日米軍基地に駐留する第三十一海兵遠征部隊等を派遣した。
1 米国はイラク戦争の際、米国本国から海兵隊を山口県の岩国基地や沖縄県の在日米軍基地へ一時派遣した。また、グアムへ戦略爆撃機を配備し、我が国へF15・F16などを派遣したと報じられている。これらを含めて、当時、米軍がアジア太平洋地域における抑止力を維持するために講じた措置を全て示されたい。
2 二〇二六年の在日米軍部隊の中東派遣においては、イラク戦争の際のような抑止力維持のために、どのような措置が講じられているか示されたい。
3 抑止力維持のための措置が講じられていない場合、我が国周辺の抑止力の変化について、政府の認識を示されたい。抑止力が低下していると認識している場合、米軍に対して、抑止力を維持する措置を講ずるよう求める考えはあるか示されたい。
4 政府は、地理的優位性がある沖縄県の在日米軍基地において、在日米軍部隊の即応性が維持される意義を繰り返し強調している。現在、第三十一海兵遠征部隊が我が国を離れているが、沖縄県の在日米軍基地の地理的優位性と在日米軍部隊の即応性に影響が生じているか、政府の認識を示されたい。
5 「31st MEU Standing Operating Procedure (SOP)」(第三十一海兵遠征部隊 標準運用手順書)において、即応性とは「既定の時間内に任務地の洋上から作戦出撃する能力」を指すとされている。同定義によれば、第三十一海兵遠征部隊が強襲揚陸艦によって中東派遣され、「任務地の洋上」に待機する現状が在日米軍部隊の即応体制と解すべきである。在日米軍の沖縄駐留が即応体制の維持に直結すると強弁してきた政府の認識は、同標準運用手順書における即応性の定義と明らかに乖離していると考えるが、見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一、二及び三の1から4までについて
お尋ねについては、米軍の運用に関することであり、政府としてお答えすることは差し控えたい。なお、令和八年四月九日の衆議院安全保障委員会において、小泉防衛大臣が「ヘグセス長官からも、三月十五日に実施した電話会談で、日米同盟の抑止力、対処力の強化及び地域の平和と安定へのコミットメントが改めて示されるとともに、今般の中東情勢は、在日米軍の態勢に変更を与えるものではなく、引き続き万全の態勢を取っているとの発言がありました。・・・いずれにしても、我が国の防衛に責任を負う防衛大臣として、いかなる事態の推移にも対応できるよう、引き続き、同盟国であるアメリカとも緊密に意思疎通し、我が国周辺の警戒監視等に万全を期してまいります。」と答弁しているところである。
三の5について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではなく、また、御指摘の「在日米軍部隊の即応体制」の具体的内容については、米軍の運用に関することであり、お尋ねについて政府としてお答えすることは差し控えたい。いずれにせよ、地理的な優位性を有する沖縄に、優れた機動性及び即応性を有し、幅広い任務に対応可能な第三十一海兵機動展開隊をはじめとする米海兵隊や、制空や警戒監視等の重要な航空作戦に当たる米空軍といった米軍が駐留することは、日米同盟の抑止力を構成する重要な要素であり、我が国の平和と安全を確保する上で必要なものであると認識している。