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小笠原群島関係者に対する見舞金に関する質問主意書

参議院 第24回 第10号お答えすることは困難 ×2

提出者
参議院
提出日
1956年3月30日
内閣転送 1956年4月2日
答弁書受領日
1956年4月6日
提出から7日
答弁の項目数
0
質問 1,363字/答弁 1,295字

質問本文

一、小笠原諸島関係者に対する援護に関する政府の基本方針として

「同諸島住民は小笠原諸島への帰郷が認められないことにより損失をこうむつておるので、その損失の補償につきアメリカ合衆国に対し折衝するとともに、その生活の窮迫している実情にかんがみ、差当り政府として見舞金を支給し、その生活の援助並びに更生に資することとしている」(答弁書第九号)とのべている。

小笠原島民はすべて、財産のあるなしに拘らず、自分の島を追われたのであり、すぐ帰してもらうことを要求している。この要求は全島民が有していた生活の基盤をすべて失つているところにある。ところが現在支給世帯数は合計四六五であり、見舞金の対象は一部の土地所有者および漁業者に限られ、他の多くの人はその対象になつていない。

(イ) すべての島民を対象としていないならば、政府の基本方針と矛盾すると考えるが如何。

(ロ) 一部の土地所有者および漁業者に限ることなく、すべての島民を対象とすることは当然であると考えるが、政府の見解如何。

(ハ) 支給、未支給をふくめて全対象人員はいくらか。

(ニ) 帰郷促進連盟発表によると帰郷できない世帯は一、五六六世帯であるが、政府の数字と相異ありとすれば、その理由は如何。

(ホ) 既支給世帯数は四六五世帯であり、全対象者は約八〇〇世帯と予想されている。これは全島民の約半数であり、土地なく、漁業権なく、金のない窮迫した数百世帯が排除され、保護をうけないとなると、由々しい問題で看過することができない。政府はこれが決定であるとすればいかなる責任を負うか。

(ヘ) 一方、この配分で連盟発表を見ると不在地主に対し三〇〇万円支払うことになつているが、新憲法下において補償さえ問題のある点であり、まして見舞金がこのような形で行われることは、憲法の精神に全く反すると思うが、これに対する見解を問う。

二、現在、サンフランシスコ平和条約により、小笠原は米軍の基地となつているが、これに対し何らの補償も受けておらない現状である。しかし、日本本土内における基地使用の場合は、その住民に対し補償をしている。小笠原島民は何故全島が補償の対象とならないのか、具体的に回答されたい。

三、見舞金一億円のうち約百万円は渡米政府代表の旅費および小笠原関係の事務費として使用されていると発表されているが、事実かどうか、事実とすれば支出内訳ならびに決定の経緯を示されたい。

四、政府の指導する共同事業は、漁業株式会社として設立され運営されていると考えるが、この場合漁業権を約八百万円で買つたといわれている。政府は資金だけ援助を行い、漁業権については特別の認可を行うことはできないのかどうか、これを行う有効な措置をとる考えはないか。

五、見舞金を受けるに当り、戦争のため生活権をうばわれた島民の大多数は、きよ出するより現金で公平に分配することを強くのぞんでいる。かかる島民の実情を政府は知つて促進連盟の配分方法を認めているのかどうか、見舞金のきよ出(答弁書第九号)とはどういう意味なのか、答えられたい。

〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1

電話:03-3581-3111(大代表)

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参議院の原文・経過

政府答弁書

一(イ) 政府として見舞金を支給することとしたのは、アメリカ合衆国が帰郷を認めないことにより小笠原島村民のこうむつている損失に対しては国内法上補償の途がないが、差し当り土地の権利及び漁業権の行使の制限を受けているため損失をこうむつていることを考慮して、アメリカ合衆国に対する補償要請の折衝の結果をまたず、見舞金を支給することとしたものであつて、すべての島民に対し直接見舞金を支給する趣旨のものではない。

(ロ) 見舞金の支給は、前記(イ)の趣旨によるものであるので、すべての島民に直接及ばないのは止むを得ないが、本措置により小笠原島民が相協力してその更正に資することを期待している。

(ハ) 見舞金の受給申請を受け政府が見舞金を交付したものの世帯数は六八二である。

(二) 一、五六六世帯は小笠原島帰郷促進連盟が見舞金配分に関連して調査した数であり、政府が見舞金の支給対象としたものは(ハ)のとおりである。

(ホ) 前記(イ)及び(ロ)に説明したとおり、すべての島民に直接見舞金を支給することは困難であるので、政府としては小笠原島帰郷促進連盟で協議決定する共同事業を行う等の方法により小笠原島民が相協力してその更生の途を図ることを期待している。

(ヘ) 小笠原島帰郷促進連盟においては将来アメリカ合衆国から小笠原島民に対し、補償又は見舞金が支給されることになつた場合に、不在地主に対しても支給されることを予想し、連盟内部の機関において協議の上、見舞金中より若干分を不在地主に配分することと決定したものと聞いているが、連盟委員長は、政府より見舞金が支給される場合の請求、領収、配分等に関する措置一切の権限の委任を受けており、それにもとづきかかる措置をとつたものと考えるので、必ずしも違法とは考えられない。

二 小笠原諸島に関しては、日米行政協定の適用がなく、これに基く基地利用等の場合の現行補償関係法令は適用されていないので、補償を支給することはできないこととなつている。

三 政府職員が小笠原島民の帰郷並びに損失補償の要請のため渡米した経費並びに政府の見舞金支給等に要する事務費は、見舞金とは別に予算的措置を行つたものであり、それらの経費を見舞金の予算の内から支出した事実はない。

四 質問の特別の認可については、新規許可と解されるが、遠洋かつお、まぐろ漁業は昭和三十年七月九日(以西機船底びき網漁業及び遠洋かつお、まぐろ漁業の許可等についての漁業法の臨時特例に関する法律(昭和二十八年法律第五十八号)失効の際、諸般の情勢に基いて新規許可は認めない方針であり、現在においてもなおその事情は変つていないので、本件について特別の措置を行うことは困難である。

五 島民の一部には現金のみの分配を希望している者もあるが、島民の大部分は、見舞金の一部を共同事業に出資することに賛成し、小笠原島帰郷促進連盟の内部の機関において協議の上そのきよ出を決定したと聞いている。これは島民の意思も反映していると思われるので適当と考える。

なお、見舞金のきよ出とは見舞金の受給者が共同事業に出資することを意味する。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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