ことばで探す › 参議院 第94回
平城京西市跡の保存に関する質問
参議院 第94回 第10号
質問本文
平城京西市跡の保存に関する質問主意書
奈良県大和郡山市九条町の水田下に埋没している平城京西市跡は、同東市とともに奈良時代の二大国営市場として、いわば経済の中心地だつたところである。この遺跡の保存は、奈良県文化財保存対策連絡会が、本年一月五日の「平城京西市跡の保存を要望する声明書」で、「この遺跡の発掘は古代都城としての平城京の性格を明らかにする上で決定的な重要性をもつている」と述べているように、古代史研究にとつて欠くことのできないものである。
ところが、西市跡は、このような重要遺跡であるにもかかわらず、これまで史跡指定も受けず、その一部は市街化区域にすらなつてきた。
そして最近では、同遺跡の西南部に七階建て、約八千七百平方米のマンション建設計画がすすめられようとしている。私自身も現地を調査したが、すでにマンション建設予定地では遺跡の一部が破壊され遺構確認ができなくなるという事態もおこつている。マンション建設が強行されると遺跡の破壊がさらに進行するという憂慮すべき事態にたちいたつている。
奈良県文化財保存対策連絡会や全国各地の歴史学者、考古学研究者もこうした事態を憂慮して、古代史研究のうえで欠くことのできない西市跡の保存を強く要望している。たとえば、奈良国立文化財研究所平城宮跡発掘調査部長の岡田英男氏も、「平城宮跡や寺院ばかりでなく、特に奈良の都の重要な拠点であつた地域については特別の配慮と対応が必要である」と述べ、西市跡での開発計画に深い懸念を表明している。
以上の現況と西市跡の重要性にかんがみ、国として早急に次の措置をとるよう求める。
一 奈良国立文化財研究所による一部調査が終り西市跡の重要性はいよいよ明らかであり、早急に文化財保護法にもとづく史跡に指定すべきではないか。
二 また、必要に応じて国費による買いあげも検討すべきではないか。
三 特に、マンション建設計画など西市跡の開発計画は、ただちに中止措置をとるべきではないか。
四 国として、西市跡保存のためにこれまでどのような対策、手だてを講じてきたのか。
右質問する。
政府答弁書
一及び四について
平城京西市跡と推定される地域の一部について、昭和五十五年九月、文化財保護法第五十七条の二第一項の規定によりマンション建設のための発掘の届出が行われたため、奈良県教育委員会が主体となり、国庫補助事業で、同年十一月から十二月にかけて同教育委員会の依頼により奈良国立文化財研究所が試掘調査を行い、西市跡の南限の一部が明らかになつた。しかし、現段階では遺跡の範囲、遺構の分布、性格等が判明しないため、奈良県及び大和郡山市の教育委員会に対し、これらを確認するための発掘調査を計画的に実施するよう指導しており、その準備が進められていると聞いている。史跡指定の問題は、この調査結果の意見等を集約して検討されることとなる。
二について
史跡等の保存のため特に土地を買い取る必要がある場合には、国がその買取りに要する経費の一部を補助する制度があるので、この制度により対処することを検討したい。
三について
平城京西市跡と推定される地域における土木工事等については、周知の埋蔵文化財包蔵地における土木工事等のための発掘に関する届出に対し発掘調査を指示し、調査の結果保存すべき重要な遺構が発見されれば、関係者に保存の協力を求めることとしたい。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。