ことばで探す › 衆議院 第103回
抗ガン剤(免疫療法剤)に関する質問主意書
衆議院 第103回 第11号
質問本文
衆議院議長 坂田道太 殿
抗ガン剤(免疫療法剤)に関する質問主意書
中央薬事審議会は去る十一月五日、免疫療法剤レンチナン(味の素ら三社申請)の製造承認申請について、ガン化学療法剤との併用によりその効果を増強するとして、製造承認した。
申請書によればレンチナンは、手術不能又は再発胃ガン患者に対し、化学療法剤テガフールと併用した場合、テガフールの単独使用に比べ、より優れた効果が得られたとしている。具体的には、腫瘍の縮小効果は単独が二%、併用が一五%、一年以上生存率は単独三%、併用一八%、二年以上生存率は単独三%、併用九%となつている。
そこで、次の事項について質問する。
一 レンチナンは、いわゆるガン化学療法の効果増強剤として認可されたが、これまでの免疫療法剤といわれるピシバニール(昭和五十年一月製造承認)、クレスチン(昭和五十一年八月製造承認)とどのような点が違うのか、具体的に明らかにされたい。
二 レンチナンの申請書によれば、抗ガン剤テガフールの単独の縮小効果は二%、また、一、二年以上生存率は三%となつている。ところで、かねて製造承認を申請中(昭和五十一年十一月申請)の免疫療法剤丸山ワクチン(SSM)の有効率は、中央薬事審議会の発表によると、単独使用の場合二・六%となつている。
テガフールと丸山ワクチンの有効率はほぼ同じとみられるが、丸山ワクチンが製造承認されない理由はなにか、明らかにされたい。
三 中央薬事審議会が昭和五十七年二月に発表したピシバニールの腫瘍縮小効果の有効率は、単独で三四・六%、併用で三九・一%、さらに、クレスチンの有効率は単独で一二・五%、併用で三五・六%の高率を示している。しかし、これらの有効率については医療の現場で疑問視する声もあり、財団法人がん集学的治療研究財団(理事長梶谷鐶癌研付属病院長)が、昭和五十六、七年の二年がかりで患者の延命効果を調べる比較臨床試験を開始したことは周知の事実である。これらの比較臨床試験データは既にまとまつていると推測されるが、政府は、このデータを既に把握しているのか。把握していないのなら早急に入手し公表すべきと思うがどうか。
四 レンチナンの製造承認により、ガン新薬の審査、認可が早まるとの期待がもたれている丸山ワクチンは、有償治験薬という異例の形で患者に投与されているが、テガフール、レンチナンの有効率を考えると、これまでのデータで承認するに十分ではないか。
仮にデータ不足といえども、既に過去のデータで腫瘍縮小効果が認められ、加えて延命効果があり、副作用がゼロであることを考えれば早急に承認すべきであると思うがどうか。
右質問する。
政府答弁書
一について
レンチナンについては、提出された資料に基づき審査した結果、手術不能又は再発の胃がん患者に対し、テガフールと併用した場合には、テガフールを単独使用した場合に比べて、生存期間の延長効果が認められると評価され、承認されたものであり、クレスチン及びピシバニールについては、提出された資料に基づき審査した結果、単独使用での腫瘍縮小効果が認められると評価され、承認されたものである。
二について
「SSM ― 注射液」については、昭和五十六年八月十四日の中央薬事審議会において、「提出された資料をもつてしてはその有効性を確認することができないので、現段階では承認することは適当でないと考える」と答申された後、更に三年間にわたつて試験研究が行われ、その結果が昭和五十九年十一月に提出されたが、当該答申の附帯意見を満たす資料が得られておらず、現在、申請者において引き続き試験研究が行われている。
なお、御指摘の「SSM ― 注射液」を単独使用した場合の有効率(二・六パーセント)の根拠とされた一症例については、中央薬事審議会において、「SSM ― 注射液」の有効性は認められていない。
三について
財団法人がん集学的治療研究財団は、昭和五十六年四月からクレスチン及びピシバニールについて、手術後の胃がん患者を対象として、他の化学療法剤と併用した場合における延命効果の比較臨床試験を行つているが、その試験はいまだ終了していないと聞いている。
四について
「SSM ― 注射液」の製造承認がなされていない理由は、二についてにおいて述べたとおりである。
なお、医薬品の製造承認に当たつては、その有効性が確認されることが必要であり、有効性が確認されないものについて製造承認が行われることはない。
右答弁する。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。