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ねたきり老人・障害者の歯科・保健医療対策の推進に関する質問主意書

衆議院 第104回 第1号

提出者
衆議院
提出日
1985年12月26日
内閣転送 1986年1月8日
答弁書受領日
1986年1月14日
提出から19日
答弁の項目数
6
質問 1,311字/答弁 818字

質問本文

衆議院議長 坂田道太 殿

ねたきり老人・障害者の歯科・保健医療対策の推進に関する質問主意書

高齢化社会を迎えてねたきり老人や障害者・児の歯科・保健医療対策は、ますます重要となつている。

ねたきり老人は、昭和五十九年四十七万八千人、そのうち在宅者が二十六万七千人、特別養護老人ホーム入居者十一万二千人である。ねたきり老人は、食べることが大きな楽しみのひとつであり、日常生活でも大きな比重を占めている。

ところが、義歯のない人、壊れたまま使用している人、残根のままの人等、本人や家族が受診を希望しながら外来受診できず、放置されているのが実情である。

これでは、病人が栄養をとつて回復したいと願つても十分かんで食べられないため栄養もとれない。それどころか、健康を害し病気を悪化させたりしている。

一方、脳性マヒなどの身障者は、その身体的障害のため歯をみがくことに大きな困難を伴い、歯科疾患の発生が多いといわれる。

ところが、こうした障害者の歯科診療に要する設備、スタッフなどが特別の体制を必要とすることから、対応する医療機関が少なく障害者・児、家族にとつて深刻な問題となつている。

障害者の健康状態を改善していくうえで歯科保健は重要である。そこで、ねたきり老人・障害者・児の歯科・保健医療対策推進は、緊急を要すると考える。

従つて、次の事項について政府の見解をただしたい。

一 政府は、ねたきり老人の歯科・口腔衛生について実態を調査したことがあるか。また、今後、対策を強化していくためにも具体的実態調査が必要であると考えるが、どうか。

二 老人保健の診療報酬に歯科・口腔疾患指導料が位置付けられているが、実態にみあつて大幅に引き上げるなどして、ねたきり老人に対する歯科医師、歯科衛生士の訪問診療が行いやすいようにすべきと考えるが、どうか。

三 名古屋市などでは、先駆的に、保健所の歯科衛生士がねたきり老人を訪問指導し、保健婦が協力するなど歯科医療機関との連携した歯科治療の取組みが始められている。

こうした取組みを全国的に普及、奨励すべきと考えるが、どうか。

四 各種公的老人ホームでの歯科医療は、どのように行われているのか。特別養護老人ホームのねたきり老人の義歯調整・口腔衛生などはどのように治療されているか。

また、老人ホーム設置基準に「歯科医師の配置」を義務付けることが重要と考えるが、どうか。

五 各都道府県に設置している百七十八ヵ所の口腔保健センター等には、障害者・児の歯科治療部門が全国で六十四施設と極めて不十分である。障害者・児歯科医療担当施設数を増やすことが求められている。来年度増設する具体的計画を明らかにすべきと考えるが、どうか。

また、そのための人材確保等について具体的計画を検討すべきと考えるが、どうか。

六 政府は、障害者対策の一環としてすべての国立病院で障害者の歯科医療を実施するとともに、一部の自治体が実施している公立病院、民間病院や歯科開業医に対する障害者・児の歯科治療助成制度を国の責任で設けるべきと考えるが、どうか。

また、診療報酬に特別加算制度を設けるべきと考えるが、どうか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

歯科疾患については、六年ごとに全年齢階層の者を対象とした歯科疾患実態調査を行つているところである。なお、寝たきり老人のみを対象とした実態調査を実施することは現時点では考えていない。

二について

寝たきり老人に対する歯科の訪問診療については、療養上必要な往診に対して往診料を設定し、従来からその引上げを行つてきているところである。

歯科口腔疾患指導料を含め歯科保険診療の在り方については、今後とも中央社会保険医療協議会の審議を踏まえ、対処してまいりたい。

三について

御指摘のような先駆的な取組については、各地域の実情に応じて自主的に実施されているところであり、その実施の状況等を踏まえつつ、今後の対応を考えてまいりたい。

四について

老人ホームに入所している老人に対する歯科診療は、在宅の老人と同様、一般の歯科医療機関により行われている。

また、現在、老人ホームに歯科医師の配置を義務付けることは考えていない。

五について

心身障害者・児の歯科診療部門を備える口腔保健センター等の数は年々増加しているが、その整備については設置主体である都道府県、歯科医師会等の判断にゆだねられているところである。

また、人材確保については、歯科衛生士養成所における教育の一環としての身体障害者療護施設等への歯科巡回臨床実習教育事業に対し国庫補助を行つているところであり、今後とも円滑な事業の継続を図つてまいりたい。

六について

心身障害者・児の歯科医療については、都道府県が実施する休日等歯科診療所に対する国庫補助事業においてその確保を図つており、今後ともその推進に努めてまいりたい。なお、心身障害者・児の歯科医療をすべての国立病院において実施することは考えていない。

社会保険診療報酬においては、著しく歯科診療が困難な心身障害者・児に対して、初診又は再診を行つた場合等につき、所定の点数に点数の加算を行つているところである。

右答弁する。

衆議院の原文

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