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鉄鋼業界に関する質問主意書

衆議院 第107回 第27号検討してまいりたい ×1

提出者
衆議院
提出日
1986年12月10日
内閣転送 1986年12月13日
答弁書受領日
1987年1月9日
提出から30日
答弁の項目数
8
質問 1,049字/答弁 1,673字

質問本文

衆議院議長 原 健三郎 殿

鉄鋼産業に関する質問主意書

戦後日本の経済を支えてきた基幹産業である我が国の鉄鋼産業は、構造不況に加えて急激な円高のために今や存亡の危機に立たされております。

政府は、鉄鋼産業に対する政策的支援措置を早急に講ずべきであると考える。ついては、以下の質問につき見解を明らかにされたい。

一 鉄鋼業の危機克服に対する財政・金融・税制・雇用対策等の支援措置について、どのような対策を検討、実施されるのか。

二 一年間に五割近い極端な円高は、自助努力の限界を超えるものであります。間接輸出の減少、国内需要の大幅減に加え、低価格輸入鋼材の増大により需給不均衡が拡大し、鋼材市況の低落等を背景として、生産と操業率を低下させ、その結果昭和六十一年度は大手五社計で実質三千八百億円にも及ぶ赤字が発生する見通しとなつている。このような鉄鋼産業の経営環境を改善するため、円高是正と内需拡大への積極的な取組みが必要であります。

この点についての政府の今後の対策と見通しを伺いたい。

三 電力コストの低減化を図るため当面電気料金の需給調整契約制度の拡充を図るとともに、電力需要の負荷率改善に資する季時制料金制度について、現在政府部内で検討されているが、その実施時期も含めた見通しを明らかにされたい。

四 鉄鋼の世界的供給過剰の中、一部中進国による需給実態を無視した安値輸出は、市況低迷に苦吟する先進国、中進国双方の鉄鋼産業にとつて不幸な事態と思われる。かかる事態の打開を図るため、世界鉄鋼市場の安定化に向けた国際的働きかけを要請するものでありますが、取組み姿勢と見解を明らかにされたい。

五 生産設備・機械の減価償却期間の短縮化要望については、いまだに明確な方向性が打ち出されていないが、政府の対処方針を明らかにされたい。

六 政府・自由民主党内の一部で「森林・河川緊急整備税」構想が打ち出されているが、深刻な経営危機に直面している基礎素材型産業への新規課税によつて賄うという本構想は問題がありすぎる。撤回を強く求めるものでありますが、政府の見解を求める。

七 「特定産業構造改善臨時措置法」は昭和六十三年六月末までに廃止されることとなつている。

同法の拡充、延長が必要と考えるが政府の見解は如何か。

八 鉄鋼の工場所在地域に対する公共事業の重点配分や成長産業の企業誘致などにより雇用機会の創出を図り失業を防止する等行政面からの対策強化策が必要と思われるが、政府の対処方針は如何か。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

政府としては、鋼材需要の喚起にも資する内需拡大に努めるほか、関連地域対策、雇用対策に万全を期するとともに、鉄鋼各社の技術開発、合理化努力に対して、今後とも、できる限りの支援を行うこととしている。

二について

(1) 政府としては、為替相場は各国の経済の基礎的諸条件を適正に反映しつつ安定することが望ましいという観点から、今後とも各国と為替相場の安定について幅広い話し合いを続けてまいりたい。

(2) 政府は、内需を中心とした景気の着実な拡大を図り、雇用の安定を確保することが肝要であるとの観点から、昭和六十一年九月十九日に公共投資等の拡大、住宅建設、民間設備投資等の促進、規制緩和、インセンティブの付与等による民間活力の活用等を内容とする「総合経済対策」を決定したところである。また、同年十一月一日には、同年四度目の公定歩合引下げも実施された。

本対策を実効あるものとするよう、政府として、その着実な実施に全力を挙げて取り組んできたところであるが、今後とも更に一層の努力をしてまいる所存であり、このような努力が、鋼材需要の喚起にもつながるものと認識している。

三について

電力料金に係る需給調整契約制度については、従来から原価主義の範囲内において拡充・強化を図つてきたところである。

また、季節別時間帯別料金制度については、現在電気事業審議会料金制度部会において審議中であり、その結果も踏まえて対応を検討したい。

四について

我が国は、世界鉄鋼業が抱える諸問題が話し合われるOECD(経済協力開発機構)鉄鋼委員会の設立、運営に従来から多大な協力をしてきている。

同委員会においては、発展途上国を中心とする非OECD諸国の設備動向調査、政策動向調査も進められており、我が国として、同委員会のこれらの活動の推進に引き続き協力してまいりたい。

五について

法定耐用年数は減価償却資産の物理的寿命に経済的陳腐化を加味して客観的に定められるべきものであり、従来、技術的進歩による陳腐化の状況等に配意しつつ資産の使用実態に応じ個別に見直しを行つてきているところである。

今後とも、減価償却資産の使用実態等を踏まえつつ、適宜、個別に見直しを進めていく所存である。なお、資金の早期回収等の政策的観点から耐用年数の見直しを行うことは、法定耐用年数の考え方になじまないと考える。

六について

森林・河川緊急整備税構想については、適切に対処してまいりたい。

七について

特定産業構造改善臨時措置法(昭和五十三年法律第四十四号)は、二度にわたる石油危機等によつて構造的困難に陥つた産業の構造改善を図ることを目的としたものであり、同法附則第二条において昭和六十三年六月三十日までに廃止するものとされている。

国際環境の激変により現在生じつつある産業界等への深刻な影響に対応するための対策については、これまでも最大限の努力を払つてきたところであるが、今後とも法的措置も含めその充実につき検討してまいりたい。

八について

鉄鋼関連不況地域への対策としては、企業誘致を図るための税制、金融措置等を講ずるため、先般成立した特定地域中小企業対策臨時措置法(昭和六十一年法律第九十七号)に基づく特定地域としての指定を行つたところである。また、雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)に基づき、雇用情勢が急速に悪化している地域を緊急雇用安定地域として指定する等各般の施策を講ずることにより、失業の予防、再就職の促進等を図つているところである。

公共事業の実施については、昭和六十一年度補正予算において鉄鋼関連不況地域等について必要な配慮を行つたところであり、昭和六十二年度予算においても必要な配慮を加えることを検討している。

また、雇用機会の確保を図るため、産業発展基盤の整備、新規産業の育成、企業の新分野進出努力への支援等の産業構造高度化のための施策及び地域経済活性化のための施策並びに雇用失業情勢が厳しい地域における雇用開発を中心とした施策を検討している。

右答弁する。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

検討してまいりたい ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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