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長野県下における米軍ジェット機による低空飛行訓練に関する質問主意書

衆議院 第113回 第27号お答えすることは困難 ×1

提出者
衆議院
提出日
1988年12月7日
内閣転送 1988年12月10日
答弁書受領日
1988年12月23日
提出から16日
答弁の項目数
5
質問 1,925字/答弁 2,163字

質問本文

衆議院議長 原 健三郎 殿

長野県下上空における米軍ジェット機による低空飛行訓練に関する質問主意書

本年八月下旬から九月上旬の間、さらに十一月中旬以降、長野県下の上空を使用して米軍ジェット機が低空飛行訓練を実施したため、その通過地点となつた南信濃町、上村、大鹿村、長谷村、高遠町及び伊那市などでは、爆音に伴う被害や事故への不安から住民の生活が著しく破壊されている。このまま事態を放置すれば、地域住民の生活への多大な影響、さらに、住民の安全も脅かされると危惧されるため、再発防止の対策は、緊急を要すると考える。

従つて、次の事項について質問する。

一 長野県伊那谷上空における米艦載機の超低空飛行について

1 超低空飛行を行つた日時、飛行コース、航空機の機種、所属部隊、高度等の飛行態様、搭載兵器等の種類等について明らかにされたい。

2 この超低空飛行は、訓練であるか、あるいは地位協定第五条二項にいうところの「移動」であるか、明らかにされたい。

3 この航空機の訓練ないし「移動」の目的及び態様について政府関係諸機関は事前に実態を把握していたか。また把握していたとすればその機関名及びその日時を明らかにされたい。

二 安保条約第六条に基づく施設及び区域以外の一般的な地域で行うことができるとされる航空機の訓練について

1 一般的な地域で行うことができるとされる航空機の訓練は、地位協定第五条二項にいうところの「移動」に含まれるか。

2 一般的な地域で行うことができるとされる航空機の訓練にはどのようなものがあるか、具体的に明らかにされたい。

3 一般的な地域で行うことができる航空機の訓練の基準はどのようなものか。またその訓練実施の根拠となる法令その他の取決めを明らかにされたい。

4 一般的な地域で行うことができるとされる航空機の訓練の実施について、政府関係諸機関は現行法制度の下で事前に実態を把握しうるか否か。また把握しうるとすればいかなる法令その他の取決めによつているか明らかにされたい。

三 「通常の飛行訓練」について

1 「通常の飛行訓練」とはどのような訓練か、その態様等を具体的に明らかにされたい。

2 「通常の飛行訓練」は地位協定第五条二項にいうところの「移動」に含まれるのか。

四 「地位協定実施に伴う航空法の特例に関する法律」第三項について

1 「航空法の特例に関する法律」第三項は地位協定第六条に基づく施設及び区域以外の一般的な地域における「通常の飛行訓練」及び「移動」の際の航空機の運航にも適用されるのか。

2 「航空法の特例に関する法律」第三項に基づく航空法の適用除外は、航空法第八十一条(最低安全高度)、第八十五条(粗暴な操縦の禁止)、第九十一条(曲技飛行等)についても、一般的な地域における「通常の飛行訓練」及び「移動」の際の航空機の運航にあてはまるか。

3 一般的な地域における「通常の飛行訓練」及び「移動」の際の航空機の運航に対して、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払つて活動するよう規定した法令及び取決めを明らかにされたい。また、その航空機の運航の目的及び態様において考慮されるべき公共の安全保持の基準となる法令等を明らかにされたい。

4 一般的な地域における「通常の飛行訓練」及び「移動」の際の航空機の運航に対して、「航空法第六章」中、乗組員の一定の飛行経験を定めた第六十九条(最近の飛行経験)、酒精飲料又は麻酔剤その他の薬品の使用を禁じた第七十条(酒精飲料等)、衝突回避のための見張りを義務付けた第七十一条の二(操縦者の見張り義務)、第七十三条の二(出発前の確認)、ニアミス及び事故報告の義務を定めた第七十六条(報告の義務)、危険区域の上空飛行規制を定めた第八十条(飛行の禁止区域)、第八十二条の二(航空交通管制圏等における速度の制限)、第八十三条(衝突予防等)、第八十九条(物件の投下)、第九十条(落下さん降下)は適用除外となるか。また、同法第六章の以上のような適用除外に際しての日米間の合意、運用上の取決め等はあるか。

五 長野県伊那谷上空における米艦載機の超低空飛行のような危険な飛行訓練は重大事故を必然としており、事態を看過することなく具体的な実効ある対応が急務である。政府は如何なる措置を講ずるか明らかにされたい。

六 一般的に地位協定は、施設及び区域で行うことを予想している活動をそれ以外の一般的な地域で行うことは予想していない。地位協定及び「航空法第六章 航空機の運航」の一般地域での航空機の運航に対する適用除外を抜本的に見直すべき時期であると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

米海軍の空母ミッドウェーの艦載機FA18ホーネット及びA6イントルーダー(第五空母航空団所属)が長野県において飛行訓練を行つたものと承知している。

これら航空機が訓練時にどのような兵器を搭載しているか等の詳細については、米軍の運用にかかわる問題であり、政府として承知する立場にない。

一の2、二の1及び三の2について

御指摘の米軍機の飛行については、飛行訓練が行われていたものと承知しているが、かかる飛行訓練を含め米軍機の活動が、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号。以下日米地位協定」という。)第五条第二項にいう移動に該当するか否かは、その個々の活動の具体的実態に即し、判断されるべきことであり、一般的に述べることは困難である。

一の3、二の2から4まで及び三の1について

米軍は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号)第六条の規定に基づき、日本の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、我が国において施設・区域を使用することを許されている。米軍がかかる目的で我が国に駐留することを同条約が認めているということは、事前協議に係る事項のように別段の定めがある場合を除くほか、米軍がかかる目的の達成のため、飛行訓練を含め軍隊としての機能に属する諸活動を一般的に行うことを当然の前提としているところ、米軍は、個々の飛行訓練の内容等について、我が国への連絡を行う必要はない。

また、米軍による実弾射撃等を伴わない通常の飛行訓練については、日米地位協定は、施設・区域の上空に限つて行うことを想定しているわけではなく、施設・区域の上空外において、これを行うことは、認められるところである。

一方、米軍は全く自由に飛行訓練等を行つてよいわけではなく、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払つて活動すべきものであることは言うまでもなく、米軍もこの点には十分に留意して、安全面の配慮を払うとともに、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう努めているものと承知している。

四の1、2及び4について

日米地位協定第五条第一項に規定する、合衆国によつて、合衆国のために又は合衆国の管理の下に、公の目的で運航される航空機及びその航空機に乗り組んでその運航に従事する者については、運航の場所又は態様のいかんを問わず、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定及び日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律(昭和二十七年法律第二百三十二号。以下「特例法」という。)第三項の規定が適用されるため、航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第六十九条、第七十条、第七十一条の二、第七十三条の二、第七十六条、第八十条、第八十一条、第八十二条の二、第八十三条、第八十五条、第八十九条、第九十条及び第九十一条の規定は、適用されない。

特例法第三項に基づくこのような航空法の諸規定の適用除外は、日米地位協定の諸規定の趣旨にかんがみ、定められたものである。

しかし、先に述べたとおり、米軍は全く自由に飛行訓練を行つてよいわけではなく、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払つて活動すべきものであることは言うまでもなく、米軍もこの点には十分に留意して、安全面の配慮を払うとともに、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう努めているものと承知している。

四の3について

一般に米軍機の飛行に関し、御指摘の我が国の公共の安全に妥当な考慮を払つて活動するよう規定する特段の成文の法令等が存在する訳ではないが、一般国際法上、外国軍隊は、駐留国において、その公共の安全に妥当な考慮を払つて活動すべきものである。

政府としては、このような観点から、米側に対し、従来より累次の機会に、米軍機の飛行に際する安全確保につき万全の措置を採るよう伝えてきており、また、米軍は、飛行訓練を行うに際しては、民間航空路を避け、航空法に規定された最低安全高度を尊重する等航空交通の安全と秩序の維持に配慮しつつ実施しているものと承知している。

五及び六について

政府としては、米側に対し、従来より累次の機会に、米軍機の飛行に際する安全確保につき要望してきたところであるが、政府としては、米側に対し、当該地域の諸事情につき念のため説明の上、これらの事情を踏まえた上で安全確保につき万全の措置を採るよう、また、騒音等の問題に十分配慮するよう申入れを行つた。

これに対し、米側は、航空法に規定された最低安全高度を尊重し、極力村落を避けて飛行を行う等安全面での配慮を払うとともに、地域住民に対する影響を最小限にするよう努めている旨述べている。

また、政府としては、日米地位協定及び特例法第三項に基づく航空法第六章の規定の適用除外の見直しは考えていないが、今後とも、在日米軍の運用に際する安全確保につき万全の措置が採られるよう、また、地域住民への影響が最小限となるよう努力していきたい。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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