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場外馬券売り場設置に関する質問主意書

衆議院 第114回 第28号

提出者
衆議院
提出日
1989年6月13日
内閣転送 1989年6月14日
答弁書受領日
1989年6月20日
提出から7日
答弁の項目数
5
質問 1,652字/答弁 561字

質問本文

衆議院議長 田村 元 殿

場外馬券売り場設置に関する質問主意書

公営ギャンブルは「現状以上にこれを奨励しないことを基本」としている。にもかかわらず売上は三十三年連続で伸び続け、増加の一途をたどって、いまや二兆円産業となっている。

二兆円をこえる売上の八割は場外での売上であり、場外馬券売り場の増設がその要因となっている。昭和五十四年六月二十一日の「公営競技の適正な運営について」では、「場外売り場は、原則として増加しないこと」となっている。しかし場外馬券売り場は昭和五十二年以来、六十二年までに七ヵ所増え計二十一ヵ所、さらに現在五ヵ所に増設の計画をしている。

日本中央競馬会法第一条は設立の趣旨について、「競馬の健全な発展を図って馬の改良増殖その他畜産の振興に寄与するため」とあるが、実際にはこの趣旨からはずれ、「健全な競馬」から変質してきている。

場外馬券売り場の計画をめぐって、各地で住民とのトラブルや軋轢が発生している。名古屋市中区新栄一丁目(東新町)の場合も、住民の生活環境、交通渋滞、教育上風紀上の懸念から反対運動があり、住民間の対立から裁判ざたまで発展、混乱が起きている。

よって、以下の点について質問する。

一 中央競馬会の売上は昨年二兆円をこえた。しかし、場内入場者は昭和五十年をピークに減ってきており、とってかわって場外馬券売り場が増えた。いまや売上の八割は場外である。室内でのテレビ画面を眺めてのばくちゲームではもはや健全なレジャーとはいえない。本来の競馬の趣旨と違うギャンブルのみの追求に変質してきているのではないか。ギャンブルはあればやるものであり、なければやらないもの、これ以上政府が国民の射幸心をあおるべきではないと考えるがどうか。

二 電話投票方式の拡充を中央競馬会は進めているが、この方式はレジャーではなくますます競馬の趣旨からはなれ、ギャンブルそのものとしての便利性を追求したものとなっている。子供でも家庭の中で賭事に手を出せるなど、その弊害は大きくなると思うがどうか。

三 名古屋市の東新町では、反対住民を切り崩すために建設請負会社フジタ工業が社員を派遣、関与していた事実が発覚し反目を一層拡大した。工作員二名は、誘致先である名古屋三菱自動車販売(株)の社員とまぎらわしい「名古屋三菱新社屋設立準備室」の名刺を使って誘致促進、住民分断のオルグをしていたことが明らかになった。結果的にこのようなことは、中央競馬会の信頼を著しく失墜させることではないか。どう対処するのか。

昨年七月八日、私は農水省に「場外馬券売り場設置の見直しを求める申し入れ」をした。その際の回答に、同じく場外馬券売り場設置問題で住民紛争が起きている岡山市を例にして、「岡山市のようにならないように指導している」と答え、適切な指導、監督を約束した。東新町の現状は混乱している。「地域社会との調整」は十分になされていない。

中央競馬会をどう指導してきたのか。

四 中央競馬会の行っているPRは行き過ぎがある。一昨年十月、中区栄公園で小中学生を対象にして「競馬クイズ」を行ったり、中央競馬会のネーム入りのノートを配るなど父母をビックリさせた。

このようなことはやめるべきではないか。

五 中央競馬会の田村治場外調査室調査役は、昨年九月号の「中部財界」誌上で東新町の計画について、「農水大臣に開設承認を申請するのに必要な地元の同意書はすでに、ことし三月十八日付で得ている」とインタビューで答えている。一部の住民の同意で中央競馬会が発言することは不穏当ではないか。それとも、いまも「地元の同意が得られている」との認識か。

六 東新町付近には白山中学校、富士中学校、東桜小学校があり、また専門学校五校、女子短期大学がある。教育上の不安から、女子学生の父母や学校当局あげての反対署名運動が起きている。次代をになう青少年の勉学の場である教育施設の傍らに、ギャンブル場を設置すべきではないと思うがどうか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

日本中央競馬会(以下「競馬会」という。)による競馬場外の勝馬投票券発売所(以下「場外発売所」という。)の設置については、勝馬投票類似の行為の防止にも効果があると思われるので、地域社会との調整が十分に行われているものについて、その設置の可否を判断することとしている。

二について

いわゆる電話投票方式については、勝馬投票類似の行為の防止等の観点から、競馬会に対し、場外発売所の設備である電話投票所の設置について、適切に指導しているところである。

三及び五について

御指摘の申入れについては、競馬会に対し、名古屋市中区の場外発売所の設置について、地域社会との調整を十分に行うよう指導したところである。今後とも、競馬会に対し、場外発売所の設置に当たっては地域社会との調整を十分に行うよう指導していく考えである。

現在のところ、競馬会から当該場外発売所の設置の承認申請書は提出されていないところであり、地元同意の有無について判断する状況にはない。

四について

競馬を健全な娯楽として発展させていくよう競馬会を適切に指導していく考えである。

六について

競馬会からの場外発売所の設置の承認申請に対しては、競馬会による地域社会との調整状況を踏まえつつ、近隣の土地利用の状況等を検討の上、承認の可否を判断することとしている。

衆議院の原文

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