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返還ガラス固化体の貯蔵管理に関する質問主意書

衆議院 第140回 第11号

提出者
衆議院
提出日
1997年3月14日
内閣転送 1997年3月17日
答弁書受領日
1997年4月25日
提出から42日
答弁の項目数
8
質問 1,722字/答弁 1,841字

質問本文

全国の原子力発電所から排出された高レベル放射性廃棄物(返還ガラス固化体)の二回目の輸送が現在行われている。ガラス固化体の貯蔵管理と安全性については、全国民の問題であり注目されるところである。とりわけ地元住民にとっては切実な問題である。返還ガラス固化体の貯蔵管理に係る問題を以下、質問する。

一 返還ガラス固化体の貯蔵管理期間について

返還ガラス固化体の貯蔵管理期間については、「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」(以下「長期計画」という。)において高レベル放射性廃棄物は、安定な形態に固化した後三十年間から五十年間程度冷却のための貯蔵を行うとの方針が示されているという。

1 「長期計画」において冷却期間を三十年間から五十年間程度とした根拠は、どの様な機関のどの様な研究データに基づくものか。

2 「長期計画」における冷却期間の三十年間から五十年間の幅は何を意味するのか。

3 「長期計画」において、三十年間から五十年間程度冷却したガラス固化体の発熱量は何ワット、キャニスター中心温度、キャニスター表面温度はそれぞれ何度になるのか。

4 電気事業者の試算によれば、二キロワットの発熱量を持つガラス固化体の五十年後発熱量は数百ワットになるとの答弁がある。

�@ 一・四六、二・〇、二・五キロワットそれぞれの発熱量を持つガラス固化体の三十年後及び五十年後の発熱量、キャニスター中心温度、キャニスター表面温度は、電気事業者の試算によればそれぞれいくつか。

�A 一・四六、二・〇、二・五キロワットそれぞれの発熱量を持つガラス固化体の三十年後及び五十年後の発熱量、キャニスター中心温度、キャニスター表面温度は、「長期計画」の試算によればそれぞれいくつか。

�B 一・四六、二・〇キロワットそれぞれの発熱量を持つガラス固化体の三十年後及び五十年後の発熱量、キャニスター中心温度、キャニスター表面温度はCOGEMAの試算によればそれぞれいくつか。

二 貯蔵管理施設への受入基準について

第一三四国会、平成七年十二月十四日付「質問第二五号」の質問に対し、

『返還されるガラス固化体については、法的に規制されているのではなく、その廃棄に係る安全性は、廃棄に係る規制等によって確保されるものである。

廃棄物管理設備に廃棄される際には、その放射能濃度、発熱量等が管理できるものとすること等が電気事業者に義務付けられており、事業所外廃棄規則の規定に適合することについて、廃棄される前に科学技術庁長官が確認することとなっている。』との答弁がある。

1 廃棄に係る規制等によって、電気事業者に義務付けられている「管理できるもの」について

�@ 「管理できるもの」の放射能濃度、発熱量等の項目及び基準数値は、いつどの様な手続きにより、誰により定められたものか。

�A 「管理できるもの」とは、三十年間から五十年間貯蔵管理しても健全であることの「保証」が必要か、不必要か。

2 事業所外廃棄規則の「規定に適合する」について

�@ 規定には、放射能濃度、発熱量等の項目及び基準数値を定めているのか。定められていれば、いつ、どの様な手続きにより、誰により定められたものか。

�A 規定の適合には、三十年間から五十年間貯蔵管理しても健全であることの「保証」が必要か、不必要か。

三 ガラス固化体破損、腐食等のバックアップ体制について

返還ガラス固化体の受入時にガラス固化体の安全が確認されたとしても、貯蔵管理期間中に収納ガラス固化体の破損・腐食等が絶対ないとはいえない。

1 収納されたガラス固化体が、万一破損・腐食等の不測の事態が生じた場合の対策の検討及び評価を電気事業者、日本原燃、科学技術庁、動燃等(以下「事業者等」という。)でしたことがあるか。

2 「事業者等」で検討及び評価をしていない場合、「事業者等」それぞれ理由は何か。

3 「事業者等」で検討及び評価をしていた場合、「事業者等」それぞれ結果はどうであったか。

4 収納されたガラス固化体に万一破損・腐食等の事態が生じた場合、その事態に対応・対処可能な組織または機関と装備及び設備はあるのか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の1及び2について

「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」(平成六年六月二十四日原子力委員会決定。以下「長期計画」という。)の策定に当たっては、原子力委員会は、特定の機関のデータではなく、原子力工学、材料科学等の技術的知見に基づき、ガラス固化体(使用済燃料を溶解した液体から核燃料物質その他の有用物質を分離した残りの液体をガラスにより容器に固型化したものをいう。以下同じ。)は三十年間から五十年間程度貯蔵すれば、時間とともに発熱量が減少し、おおむね合理的な処分が可能であると判断して、三十年間から五十年間程度冷却のための貯蔵を行うとの方針を示したものである。

一の3及び4の�Aについて

長期計画において、三十年間から五十年間程度冷却したガラス固化体の発熱量、中心温度及び表面温度の試算は行われていない。

一の4の�@について

一・四六キロワット、二・〇キロワット及び二・五キロワットの発熱量を持つガラス固化体の三十年後及び五十年後の発熱量は、ガラス固化体に含まれる放射性物質の量と組成により異なるが、我が国の電気事業者がフランス核燃料会社(以下「COGEMA」という。)から受領したガラス固化体の仕様における標準的なガラス固化体についての値等を想定した電気事業者の試算によれば、三十年後については、それぞれ約〇・六一キロワット、約〇・六五キロワット及び約〇・六七キロワットになり、五十年後については、それぞれ約〇・三九キロワット、約〇・四一キロワット及び約〇・四二キロワットになると推定されていると承知している。また、一・四六キロワット、二・〇キロワット及び二・五キロワットの発熱量を持つガラス固化体の三十年後及び五十年後の中心温度及び表面温度は、電気事業者によれば、当該ガラス固化体の貯蔵管理の形態等により異なるため、一概には答えられないとしている。

一の4の�Bについて

COGEMAによれば、ガラス固化体の三十年後及び五十年後の発熱量については、当該ガラス固化体の製造に当たり再処理された使用済燃料の性状により異なるが、典型的な値は、それぞれ約〇・六五キロワット及び約〇・四五キロワットになるとしており、一・四六キロワット及び二・〇キロワットの発熱量を持つガラス固化体の三十年後及び五十年後の発熱量についての試算は行っていないとしている。また、ガラス固化体の三十年後及び五十年後の中心温度及び表面温度は、COGEMAによれば、当該ガラス固化体を貯蔵管理する施設の設計により異なるため、一概には答えられないとしている。

二の1の�@について

廃棄物管理の事業を行おうとする者は核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)に基づきその設置する廃棄物管理設備等において廃棄物管理を行う放射性廃棄物に含まれる放射性物質の種類ごとの最大放射能濃度等を記載した廃棄物管理事業許可申請書を提出し内閣総理大臣の許可を受けることとなっており、海外から我が国に返還されるガラス固化体が電気事業者により廃棄物管理設備に廃棄される際には、その放射能濃度、発熱量等が当該廃棄物管理設備において管理することができるものであること等の基準に適合するものとすること等の保安のために必要な措置を講ずることが電気事業者に義務付けられている。当該基準は、平成六年二月二十日の核燃料物質等の工場又は事業所の外における廃棄に関する規則(昭和五十三年総理府令第五十六号。以下「事業所外廃棄規則」という。)の改正により設けられたものである。

二の1の�A及び2の�Aについて

科学技術庁長官が海外から我が国に返還されるガラス固化体が電気事業者により廃棄物管理設備に廃棄される場合に講じられる保安のために必要な措置が事業所外廃棄規則の規定に適合することについて確認することは、当該ガラス固化体を三十年間から五十年間貯蔵管理しても健全であることについてのCOGEMA等の保証がなくても、基本的に可能であると考えている。

二の2の�@について

平成六年二月二十日の事業所外廃棄規則の改正により、輸入された放射性廃棄物の放射能濃度、発熱量等がその廃棄される廃棄物管理設備において管理することができるものであること等の基準等が設けられている。

三について

日本原燃の廃棄物管理施設において管理されるガラス固化体が破損、腐食等によりその閉じ込め機能に異常を来すことは想定されていない。

衆議院の原文

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