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高レベル放射性廃棄物及びそのガラス固化体に関する質問主意書

衆議院 第129回 第6号

提出者
衆議院
提出日
1994年5月10日
内閣転送 1994年5月11日
答弁書受領日
1994年6月28日
提出から49日
答弁の項目数
37
質問 3,633字/答弁 4,235字

質問本文

使用済核燃料の再処理によって生ずる高レベル放射性廃棄物及びそのガラス固化体は、放射能の高さからとりわけ厳重な管理が必要であり、万が一にも環境中に漏れ出すようなことがあってはならない。我が国は英国及びフランスに再処理を委託しており、このうち、フランスからガラス固化体が一九九五年二月に初めて我が国へ返還される予定であることが公表された。手続き等の疑問があるので、次のとおり質問する。

一 ガラス固化体残滓仕様の承認について

電力会社はフランス核燃料公社(以下「COGEMA」という。)と再処理契約を締結している。再処理、残滓処理工程によって発生するガラス固化体に関して、一九八八年一月二十一日、電力会社十社より科学技術庁へ「COGEMAガラス固化残滓仕様の承認願書」が提出され、科学技術庁は同年八月三十一日に承認書を出している。

1 電力会社が科学技術庁に当該承認願書を提出した理由は何か。

2 当該承認願書はどのような法令に基づいて提出されたのか。

3 2において法令に基づかない場合、電力会社はCOGEMAとの契約に基づいて当該願書を提出したのか。契約に基づかない場合、電力会社は何に基づいて当該願書を提出したのか。

4 科学技術庁が当該承認願書を受理したのはどのような理由か。また、受理しなかった場合、どのような問題が生じたか。

5 科学技術庁はどのような法令に基づいて承認したのか。法令に基づかない場合、科学技術庁は何に基づいて承認をしたのか。

6 当該承認願書と同様の承認願書が通商産業省にも提出されており、通商産業省は承認を「口頭」で行っている。一方、科学技術庁が承認を「文書」で行ったのはどのような理由か。

7 科学技術庁が当該承認願書に対し承認を出さなかった場合、どのような問題が生じたか。

二 ガラス固化体残滓仕様の確認について

COGEMAからガラス固化体のサンプルが日本原子力研究所(以下「原研」という。)に送られ、原研は確認試験を行っている。

1 当該サンプルは、一九九五年二月に返還予定のガラス固化体のサンプルか。

2 確認試験はいつから始められ、どのような試験等を行っているのか。

3 確認試験の目的は何か。

4 確認試験を行わない場合、どのような問題が生ずるか。

5 ガラス固化体のサンプルについてCOGEMAから提示された核種別の濃度と原研の確認試験による核種別の濃度の差が許容範囲を超えた場合、どのような対応をとるのか。

6 確認試験は終了したのか。終了している場合、いつ終了し、試験結果はいつ公表されるのか。終了していない場合、いつ終了する予定で、試験結果はいつ公表される予定か。

三 返還予定のガラス固化体について

フランスからのガラス固化体の返還が一九九五年二月より行われる予定であり、そのガラス固化体は東京電力株式会社、関西電力株式会社、四国電力株式会社、九州電力株式会社の四社のものであることが公表された。また、輸送主体は電力会社でなく、COGEMAであることも公表された。

1 返還予定のガラス固化体はCOGEMAのUP2再処理工場からの高レベル放射性廃棄物をガラス固化したものか、それともUP3からのものか。また、返還予定のガラス固化体は何年何月何日に、どこで製造されたものか。

2 返還予定のガラス固化体は四社合計で何本で、何個の輸送容器に収納されるのか。また、対応するもとの使用済核燃料では何トンか。

3 返還予定のガラス固化体は電力会社別ではそれぞれ何本か。

4 ガラス固化体はキャニスターであるステンレス容器と一体化しているが、そのキャニスターを含めた全体の重量は、返還予定の全本数の総計で何キログラムか。また、キャニスターであるステンレス容器、ガラス成分、高レベル放射性廃棄物成分はそれぞれ何キログラムか。

5 輸送主体がCOGEMAであることについて、科学技術庁は、報道以外の通知、申請等によって承知しているのか。また、承知している場合、通知、申請等の何によって承知しているのか。

6 所有者である電力会社が輸送主体になっていない理由は何か。

7 輸送中、公海上において原子力事故が生じた場合の第三者に対する損害賠償責任について、輸送主体がCOGEMAであることによって、所有者である電力会社は一切の責任を負わないのか。

8 電力会社とCOGEMAとの間で残滓輸送契約は締結されたか。締結されている場合、何年何月何日に締結されたか。

四 ガラス固化体用の輸送容器について

ガラス固化体用の輸送容器について、一九九三年十一月十五日に原燃輸送株式会社から「容器承認申請書」が科学技術庁に提出されている。

1 輸送容器の名称は何か。また、輸送容器一つにガラス固化体が最大何本収納可能か。

2 ガラス固化体を直接、輸送容器に収納するのか。そうでない場合、ガラス固化体をどのような中間容器に収納してから輸送容器に収納するのか。

3 輸送容器を設計及び製造したのはCOGEMAか。そうでない場合、それぞれ誰か。

4 輸送容器は何個製造されたのか。

5 輸送容器の安全性の試験はいつ、誰が、どのような試験を行い、どのような結果が得られたのか。

6 電力会社が当該申請の申請者にならなかったのはどのような理由か。

7 申請者である原燃輸送株式会社は、ガラス固化体輸送に当たってどういう役割を担当するのか。

8 輸送容器を電力会社は誰から何個購入し、誰から何個借用するのか。また、原燃輸送株式会社は誰から何個購入し、誰から何個借用するのか。

9 7及び8において借用するものがある場合、購入でなく借用であるのはどのような理由か。

五 ガラス固化体のラベリングについて

返還予定のガラス固化体は特定の電力会社四社のものであることから、COGEMAにおけるガラス固化体のラベリング方法、分配方法、配分本数等が決定したと考えられる。

1 国別のガラス固化体の配分本数はどのように決まるのか。

2 電力会社別のガラス固化体の配分本数はどのように決まるのか。

3 COGEMAにおける軽水炉燃料の再処理・ガラス固化工程では、使用済核燃料一トン当たり平均何本のガラス固化体が製造されているのか。

六 フランスにおけるガラス固化体の発生量等について

1 フランスのUP2、UP3の各再処理工場で日本の使用済核燃料の再処理が始まったのはそれぞれ何年何月からか。

2 一九九三年十二月三十一日現在、フランスのUP2、UP3の各再処理工場に輸送された日本の使用済核燃料はそれぞれ累計何トンか。

3 一九九三年十二月三十一日現在、フランスのUP2、UP3の各再処理工場における日本の使用済核燃料の再処理量はそれぞれ累計何トンか。

4 一九九三年十二月三十一日現在、フランスのR7、T7の各ガラス固化プラントで製造されたガラス固化体はそれぞれ何本か。

5 一九九三年十二月三十一日現在、フランスのR7、T7の各ガラス固化プラントにおける日本のものとしてラベリングされたガラス固化体はそれぞれ何本か。また、対応するもとの使用済核燃料ではそれぞれ何トンか。

6 ガラス固化体はキャニスターであるステンレス容器と一体化しているが、そのキャニスターを含めた全体の重量は、日本のものとしてラベリングされた全本数の総計で何キログラムか。また、キャニスターであるステンレス容器、ガラス成分、高レベル放射性廃棄物成分はそれぞれ何キログラムか。

七 英国におけるガラス固化体の発生量等について

1 英国の再処理工場で日本の使用済核燃料の再処理が始まったのは何年何月からか。

2 一九九三年十二月三十一日現在、英国の再処理工場に輸送された日本のガス炉燃料、軽水炉燃料の使用済核燃料はそれぞれ累計何トンか。

3 一九九三年十二月三十一日現在、英国の再処理工場における日本の使用済核燃料の再処理量は累計何トンか。

4 一九九三年十二月三十一日現在、英国のガラス固化プラントで製造されたガラス固化体は何本か。

5 一九九三年十二月三十一日現在、英国にある日本のものとしてラベリングされたガラス固化体は何本か。また、対応するもとの使用済核燃料では何トンか。

6 ガラス固化体はキャニスターであるステンレス容器と一体化しているが、そのキャニスターを含めた全体の重量は、日本のものとしてラベリングされた全本数の総計で何キログラムか。また、キャニスターであるステンレス容器、ガラス成分、高レベル放射性廃棄物成分はそれぞれ何キログラムか。

7 英国核燃料公社(以下「BNFL」という。)で製造されるガラス固化体の仕様に関して、電力会社十社より科学技術庁へ「BNFLガラス固化残滓仕様の承認願書」が提出されたのは何年何月何日で、科学技術庁が承認書を出したのは何年何月何日か。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の1から3までについて

フランス核燃料会社(以下「COGEMA」という。)に使用済燃料の再処理を委託した我が国の電気事業者(以下「電気事業者」という。)は、COGEMAが我が国に返還しようとするガラス固化体(使用済燃料を溶解した液体から核燃料物質その他の有用物質を分離した残りの液体をガラスにより容器に固型化したものをいう。以下同じ。)の仕様に関して電気事業者が行った検討の結果について、再処理契約に基づいて科学技術庁に対して検討を依頼したものであって、法令の規定に基づいて検討を依頼したものではないと承知している。

一の4について

科学技術庁は、電気事業者がCOGEMAから使用済燃料の再処理役務の提供を円滑に受けるために必要不可欠であるとの観点から、当該検討依頼に応じることとしたものである。科学技術庁が当該検討依頼に応じなかった場合には、電気事業者がCOGEMAから使用済燃料の再処理役務の提供を円滑に受けることに支障を来すおそれがあったものと承知している。

一の5について

科学技術庁は、我が国の原子力政策上、使用済燃料の海外における再処理役務の提供を円滑に受けることが重要であり、そのために必要との判断に基づき、電気事業者からの依頼に基づいて検討を行い、その結果を電気事業者に対して通知したものであって、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)等の規制法令の規定に基づいて行ったものではない。

一の6について

科学技術庁は、正確さを期する観点から、文書にて通知を行ったものである。

一の7について

科学技術庁が当該通知を行わなかった場合には、電気事業者がCOGEMAから使用済燃料の再処理役務の提供を円滑に受けることに支障を来すおそれがあったものと承知している。

二の1について

本試験に用いた試料は、返還予定のガラス固化体と同一の仕様のものである。

二の2について

本試験は、平成元年度から始められ、ガラス組成の分析、放射能の分析等が行われた。

二の3及び4について

本試験は、電源開発促進対策特別会計法(昭和四十九年法律第八十号)第一条第二項に規定する電源立地対策として、放射性廃棄物の廃棄に係る安全性を実証することにより、放射性廃棄物の廃棄施設の立地の円滑化を図るために行われるものである。具体的には、使用済燃料の本邦外における再処理により生じる放射性廃棄物を本邦で管理する場合における廃棄に関する確認の方法の信頼性を実証することを目的としている。

本試験を実施しなかった場合には、本試験の目的である放射性廃棄物の廃棄施設の立地の円滑化に支障を来すおそれがあったものと思われる。

二の5について

本試験は、測定結果が返還予定のガラス固化体の仕様の範囲内であることの検証を行うことにより、二の3及び4についてにおいて述べた廃棄に関する確認の方法の信頼性を実証するものであり、COGEMAから提示された核種別濃度との比較を行うものではなく、また、COGEMAから提示された核種別濃度と日本原子力研究所の確認試験による核種別濃度の差について許容範囲という概念も用いていない。

二の6について

本試験の委託先である日本原子力研究所から、本試験は平成六年三月三十一日をもって終了した旨の報告を受けている。

本試験の結果に関しては、本委託事業の終了に伴う事務手続を行い、日本原子力研究所から報告を受けた後、試料の提供者であるCOGEMAとも調整した上で、財産権の保護の観点から公開することにより支障の生じるおそれのあるものを除き公表することとしている。

三の1について

平成七年二月に返還予定のガラス固化体は、フランスの再処理工場UP ― 3からの高レベル放射性廃棄物を同工場のT ― 7ガラス固化施設でガラス固化したものであると承知している。

なお、現時点においては、返還予定のガラス固化体は特定されていないため、その製造年月日についても特定できない。

三の2について

平成七年二月に返還予定のガラス固化体は、四社合計で二十八本であり、輸送容器一基に収納されると承知している。

また、対応するもとの使用済燃料は約四十トンであると承知している。

三の3について

平成七年二月に返還予定のガラス固化体の本数は、東京電力株式会社、関西電力株式会社、四国電力株式会社、九州電力株式会社、各七本ずつであると承知している。

三の4について

キャニスターを含めた標準的なガラス固化体一本当たりのステンレス容器及び高レベル放射性廃棄物成分を含むガラス成分の重量は、それぞれ約九十キログラム及び約四百キログラムであり、高レベル放射性廃棄物成分はこれを含むガラス成分の七・五パーセントから十八・五パーセント(重量比)であると承知している。また、返還予定の全本数のガラス固化体の重量は総計で約一万四千キログラムと見込まれると承知している。

三の5について

科学技術庁は、本輸送の概要について電気事業者から説明を受けており、それにより、電気事業者とCOGEMAとの間で締結された輸送契約に基づき日本に到着するまでの海上輸送役務を提供するのはCOGEMAであることを承知している。

三の6について

電気事業者は、フランスから日本に到着するまでの輸送を契約によりCOGEMAに委託しているためであると承知している。

三の7について

公海上で原子力損害が発生した場合の第三者に対する損害賠償責任については、国際私法の原則に従って決定される準拠法体系によっては、電気事業者が責任を負うこともあり得る。

三の8について

御指摘の契約は、平成五年十二月十六日付けで締結されていると承知している。

四の1について

本輸送容器の名称は、「TN28VT型」であり、同容器一基に、ガラス固化体は最大二十八本収納可能である。

四の2について

本輸送容器には、ガラス固化体が直接収納される。

四の3について

本輸送容器の設計については、COGEMAがフランスのトランスニュークリア社に、同容器の製作については、COGEMAが株式会社神戸製鋼所に委託したと承知している。

四の4について

現在、二基製作中であると承知している。

四の5について

科学技術庁長官に容器承認の申請を行った原燃輸送株式会社により、本輸送容器の製作中及び製作完了後に、外観検査、材料検査、寸法検査、溶接検査、吊上げ荷重検査、重量検査、しゃへい寸法検査、取扱検査、耐圧検査、気密漏洩検査、伝熱検査及びしゃへい性能検査が実施されることとなっており、これらの検査は現在実施中であると承知している。これらの検査結果を踏まえて科学技術庁長官の審査が行われることとなる。

四の6から9までについて

核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第五十九条の二の規定に基づき、使用者、製錬事業者、加工事業者、原子炉設置者、外国原子力船運航者、再処理事業者及び廃棄事業者並びにこれらの者から運搬を委託された者は、運搬に使用する容器について、あらかじめ、内閣総理大臣の承認を受けることができることとされている。

本輸送容器については、原燃輸送株式会社が、廃棄事業者である日本原燃株式会社から運搬の委託を受けた者として、申請を行ったものである。

なお、本輸送容器は、電気事業者とCOGEMAとの間の輸送契約に基づき、COGEMAが調達することとされていると承知している。

五の1及び2について

再処理された使用済燃料に含まれる核分裂生成物並びにウラン及びプルトニウム以外のアクチニドの量に見合うガラス固化体が、契約会社別に配分されると承知している。

五の3について

燃料の燃焼度等により異なるが、一トン当たり約〇・七本製造されると承知している。

六の1について

フランスの再処理工場UP ― 2及びUP ― 3において日本の使用済燃料の再処理が始まったのは、それぞれ昭和五十七年五月及び平成元年十一月であると承知している。

六の2について

フランスの再処理工場UP ― 2及びUP ― 3に輸送された日本の使用済燃料は、平成五年十二月三十一日現在、それぞれ累計約百五十トン及び約二千三百七十トンであると承知している。

六の3について

フランスの再処理工場UP ― 2及びUP ― 3における日本の使用済燃料の再処理量は、平成五年十二月三十一日現在、それぞれ累計約百五十トン及び約七百八十トンであると承知している。

六の4について

フランスのガラス固化施設R ― 7及びT ― 7において製造されたガラス固化体の本数は、平成五年十二月三十一日現在、それぞれ累計千九百三本及び五百七本であると承知している。

六の5及び6について

フランスのガラス固化施設R ― 7及びT ― 7において製造されたガラス固化体は、平成五年十二月三十一日現在、いずれの国の事業者のものであるか特定されていないと承知している。

七の1について

英国の再処理工場において日本の使用済燃料の再処理が始まったのは、昭和四十五年三月であると承知している。

七の2について

英国の再処理工場に輸送された日本の使用済燃料のうち、ガス炉用のもの及び軽水炉用のものは、平成五年十二月三十一日現在、それぞれ累計約千百九十トン及び約二千四百四十トンであると承知している。

七の3について

英国の再処理工場における日本の使用済燃料の再処理量は、平成五年十二月三十一日現在、累計約千百三十トンであると承知している。

七の4について

英国のガラス固化施設において製造されたガラス固化体の本数は、平成五年十二月三十一日現在、累計四百二十七本であると承知している。

七の5及び6について

英国のガラス固化施設において製造されたガラス固化体は、平成五年十二月三十一日現在、いずれの国の事業者のものであるか特定されていないと承知している。

七の7について

英国核燃料会社(BNFL)により製造され我が国に返還されるガラス固化体の仕様に関して、電気事業者が行った検討の結果についての検討依頼文書は、電気事業者から科学技術庁に対して平成三年十二月五日付けで提出され、科学技術庁が行った検討の結果は、科学技術庁から電気事業者に対して平成四年七月二十八日付けで文書にて通知された。

衆議院の原文

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