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日本国有鉄道清算事業団の資産の処分に関する質問主意書

衆議院 第143回 第21号

提出者
衆議院
提出日
1998年10月12日
内閣転送 1998年10月14日
答弁書受領日
1998年11月13日
提出から32日
答弁の項目数
3
質問 1,873字/答弁 1,381字

質問本文

旧国鉄債務処理法案は、衆議院において、一九九八年十月六日、政府提出の原案に対する共同修正案を賛成多数で可決、参議院に送付したところである。参議院においては日本国有鉄道清算事業団の債務処理及び国有林野事業の改革等に関する特別委員会に同法案を付議し、同特別委員会において、審議中である。

旧国鉄の長期借入金及び鉄道債券に係る債務(国鉄長期債務)は、日本国鉄清算事業団法により、日本国有鉄道清算事業団に継承され、同事業団において、土地、株式等の資産の売却によって、その減額が図られてきた。

同事業団は、土地の譲渡、貸付けその他の処分に関する契約を締結しようとする場合にあっては、同法により、「一般競争入札の方法に準じた方法その他の運輸省令で定める方法」によるものと定められ、「公正かつ適切な実施を確保する」ものとされている。

もとより、同事業団が所有する土地等の資産は、国民共有の財産であり、その処分にあっては、国民の前に開かれた公正な手続きによって、最も効果的に行われなければならないことは言うまでもない。特に、近年、入札によって売却が決定した首都圏、近畿圏の都心部に所在する大型物件は、公共性、利便性の極めて高い土地であって、国民の関心も高く処分に際して、公正かつ適切な実施を確保するとの原則が一層遵守されていなければならなかったものである。

しかるに、今般、調査によれば同事業団による首都圏の土地売却のため、入札に関し同事業団内部の入札に関連する資料が他に流出している。その資料によれば、その物件は、汐留地区三か所、品川駅東口 ― 一地区一か所、旧国鉄本社一か所、東京駅八重洲口北側一か所、錦糸町駅南側一か所、みなとみらい21 ― 一か所等の物件であり右物件購入の希望者名等が記入されており、右資料の流出により特定の入札参加者の立場を著しく利していた疑いがある。右が事実とすれば、これらの土地の入札が、「公正かつ適切な実施を確保する」との同法の趣旨に著しく反し、国民共有の財産を処分する方法としては、極めて不適切であったことになる。こうした事態は、ひいては、国鉄長期債務の問題に関して、国民の不信を招きかねないものである。これは国民に新たな負担を求めようとする国鉄長期債務の処理にあたって、重大かつ深刻な問題と言わざるを得ない。よって緊急につぎの事項を質問する。

一 同事業団による土地等の資産の処分にかかわる契約に関する諸法令、内部規定について。

二 同事業団による、土地売却のための入札に関する予定価格、保証金額、入札参加者に関する情報、その他入札にかかわる内部情報の管理は厳格になされていたか。以下の土地の入札に関する資料は他に流出しておらないか。

�@ 汐留地区A街区、同B街区、同C街区の契約事務全般の経緯について。

�A 汐留地区A街区、同B街区、同C街区の入札における募集要項請求者等の一覧表、各入札参加者の計画内容、予定価格、各入札参加者の保証金額について。

�B 品川駅東口B ― 一地区の契約事務全般の経緯について。

�C 品川駅東口B ― 一地区の入札における募集要項請求者等の一覧表、各入札参加者の計画内容、予定価格、各入札参加者の保証金額、入札金額について。

�D 旧国鉄本社の契約事務全般の経緯について。

�E 旧国鉄本社の入札における募集要項請求者等の一覧表、各入札参加者の計画内容、予定価格、各入札参加者の保証金額、入札金額について。

�F 東京駅八重洲口(北側)の契約事務全般の経緯について。

�G 東京駅八重洲口(北側)の入札における募集要項請求者等の一覧表、各入札参加者の計画内容、予定価格、各入札参加者の保証金額、入札金額について。

�H 錦糸町駅(南側)の契約事務全般の経緯について。

�I 錦糸町駅(南側)の入札における募集要項請求者等の一覧表、各入札参加者の計画内容、予定価格、各入札参加者の保証金額、入札金額について。

�J みなとみらい21 ― 二十八街区の契約事務全般の経緯について。

�K みなとみらい21 ― 二十八街区の入札における募集要項請求者等の一覧表、各入札参加者の計画内容、予定価格、各入札参加者の保証金額、入札金額について。

三 同事業団から土地売却のための入札の内部情報が漏洩していたとすれば、同事業団法第十八条違反に該当するのではないか。

四 同事業団から入札についての内部情報が漏洩していた場合、当該入札の正当性と、今後の措置についての運輸省の認識について。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

日本国有鉄道清算事業団(以下「清算事業団」という。)による土地等の資産の処分にかかわる契約に関する諸法令及び内部規程のうち、主なものは次のとおりである。

1 日本国有鉄道清算事業団法(昭和六十一年法律第九十号。以下「法」という。)

2 日本国有鉄道清算事業団法施行規則(昭和六十二年運輸省令第二十二号)

3 日本国有鉄道清算事業団会計規程(昭和六十二年理事長達第十八号)

4 契約事務細則(昭和六十三年理事長達第二十四号)

5 土地業務管理規程(昭和六十二年理事長達第十六号)

6 土地等売却入札規則(昭和六十二年日本国有鉄道清算事業団公告第二号)

二について

運輸省において、土地の入札に関する資料の管理について清算事業団に問い合わせたところ、御指摘の資料のうち、新聞で報道された次に掲げる資料については、清算事業団において作成された資料と同一であることが確認されたため、外部に流出したと思われるが、その他の資料については外部に流出した事実は確認されていないとのことであり、取り分け「入札に関する予定価格、保証金額」は、入札を公正に行う上で最重要の秘密事項であり、資料の管理は特に厳格になされているため、外部に流出することは考えられないとのことであった。

1 汐留地区A街区、同B街区、同C街区の入札における「投資家のヒアリング結果」の一部及び「投資家の十地購入希望等の内容」

2 旧国鉄本社の入札における「入札募集要綱配付先」

3 東京駅八重洲口(北側)の入札における「入札募集要綱配付先」

4 みなとみらい21 ― 二十八街区の入札における「提案概要表」の一部及び「提案一覧表」

三及び四について

法第十八条は、清算事業団の役員及び資産処分業務に従事する職員に対し、その職務に関して知り得た秘密について守秘義務を課しているが、これは、清算事業団が、その所有する土地その他の資産の処分等を適切に行うことにより、日本国有鉄道改革法(昭和六十一年法律第八十七号)に基づく施策の円滑な遂行に資することを目的に設立されたものである(法第一条)こと等にかんがみ、資産処分の公正かつ適切な実施を確保するために規定されたものである。したがって、清算事業団の保有する資産処分に関する情報が、法第十八条にいう秘密に該当するか否かについては、当該情報が非公知の事実であって、「資産処分の公正かつ適切な実施」という見地から、実質的に秘密として保護するに値するものかどうかにより判断されるべきものであると考える。

現在、運輸省において、新聞で報道された前述の資料の内容、作成経緯等に係る調査を行っているところであるが、これまでのところ、当該資料には土地の入札価格に影響を及ぼす内容は含まれておらず、資産処分の公正かつ適切な実施を阻害するおそれはないと考えられるため、当該資料の内容は、法第十八条にいう秘密には該当せず、また、入札の正当性についても問題はないものと考えているところである。

しかしながら、当該資料を部外者が保有しているということは、投資家との信頼関係において必ずしも適当ではなく、このような事態の再発を防止するため、清算事業団から承継した土地の処分を行う日本鉄道建設公団に対し、土地処分に係る情報管理について適切な見直しを行うよう指導しているところである。

衆議院の原文

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