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危険有害物輸送の事故再発防止と安全確保に関する質問主意書
衆議院 第147回 第2号お答えすることは困難 ×1
質問本文
一月三十日、東名高速道路(静岡県富士市)でタンクローリーが横転する事故が発生、積載していた可燃性有害物質が路上に流出し通行止めとなり、事故処理に長時間を要している。昨年十月二十九日にも、東京都心の首都高速道路で過酸化水素を積んだタンクローリーが爆発する事故が発生し、タンク部分が数十メートルも上空に吹き飛び、二十三名の負傷者を出すなど、半径百数十メートルにわたって、大きな被害をもたらした。この事故は、危険有害物輸送の恐ろしさを浮きぼりにした。
また、九十七年八月、東名高速道路(静岡県菊名町)でタンクローリーが横転した事故では、積載していた「ステアリン酸クロライド」が道路上に流出、水と反応して有毒ガスが発生し、日本の大動脈である東名高速道路は十五時間にわたり通行止めとなった。
政府は、この事故後に関係省庁対策会議を開催するなど、対策をすすめているが、その後も高速道路での危険有害物輸送中の事故が続いている。消防庁の調査によれば、九十年は二十七件、九十七年は三十六件、九十八年には四十八件に増加している。
わが国では、危険有害物を積んだタンクローリーが頻繁に通行し、日本ハイウェイセーフティ研究所が東名高速道路で行った調査によれば、二分間に一台の頻度で走っている。こうした背景には、大企業の毎日必要量だけ工場に運ぶジャストインタイムの原材料調達方式がある。まさに、道路上のタンクローリーが「走る貯蔵庫」となっているのが実態である。
危険有害物を積載したタンクローリーがひとたび事故を起こせば重大な被害をもたらすものであり、危険有害物輸送における事故の再発防止・安全対策の強化をはかることは緊急の課題である。
よって、以下、質問する。
一 危険有害物輸送の規制強化と総合的な事故防止対策の体制確立について
わが国において、危険有害物輸送を規制する法律は、火薬類取締法、消防法、毒劇物取締法、高圧ガス保安法、道路運送車両法など多岐にわたっている。
また、同じ物質でも濃度等により規制を受ける法律や規制の内容、監督官庁が異なるなど複雑な仕組みになっている。
過酸化水素の場合、濃度三十六%以上であれば消防法上の「危険物」になるが、濃度三十六%未満はその対象外となる。昨年、首都高速道路で爆発した過酸化水素は濃度三十一%であったため、「危険物」ではなく、毒劇物取締法の「劇物」として輸送されていた。しかも過酸化水素の流通は濃度三十一%から三十五%のものが大半をしめ、「危険物」の規制を受けないまま道路輸送が行われている。
1 従って、危険有害物の道路輸送における法的規制を見直す必要があるのではないか。
2 政府は、関係省庁による「危険物運搬車両の事故防止等対策会議」を行っているが、危険有害物の輸送における安全全体について責任をもつ官庁は明確になっていない。
政府は、危険有害物に対して総合的に責任をもつ官庁を明確にし、安全輸送、事故処理・二次災害防止、事故防止対策など、一体的にすすめる体制を確立すべきではないか。
3 先に指摘した東名高速道路の事故では、タンクローリー上部のマンホールが横転時に破損し化学物質が流出した。タンクローリー横転時の積載物流出を防ぐために、消防庁(法令)及び厚生省(通知)によって防護枠の取り付けやマンホールの強度、タンクの厚さ等について基準を定めているが、高速運転中の横転を想定した強度になっていないと関係者から指摘されている。
危険有害物を積載したタンクローリーが高速運転中に横転した場合でも、タンクなどが破損し、積載物質が流出しないように、マンホールやタンク、防護枠など、構造上の基準の見直しを検討すべきではないか。
4 首都高速道路で発生した過酸化水素の爆発事故の原因について、「タンク洗浄が不十分だったために過酸化水素が異物と混ざって化学反応がすすみ爆発した」と報道されている。道路輸送の安全を確保するために、過酸化水素など、異物が混じった場合、爆発・火災を起こす危険のある化学物質の輸送にあたっては、専用タンクの使用を原則とし、併用する場合の法的な基準について検討すべきではないか。
二 事故処理、被害拡大防止対策などに一体的に対応できるシステムについて
「ステアリン酸クロライド」を流出したタンクローリー事故の際、積載していた化学物質の名称・性質の特定に時間がかかり、適切な対処が遅れた。政府は、その教訓から、輸送中の事故発生時に、運転者等が応急措置など、正確な対応をとるための緊急連絡先等を記載した「イエローカード」の普及・改善をはかることを確認している。
1 政府が事故発生時の処理対策の柱として、業界がすすめている「イエローカード」の携行を位置づけている以上、当然その携行状況を把握すべきである。
政府は、危険有害物の道路輸送における「イエローカード」の携行状況についてどのように把握しているか、その実態を明らかにされたい。
2 「危険物輸送に関する国連勧告」では「危険物」を九クラスに分類、四桁の数字で表示し、危険性を図案や数字で示している。諸外国ではその国連番号や図案を車両に見やすく表示することを義務づけている。
化学物質の名称は複雑で同じ物質にいくつもの名称が存在するなど、事故発生時に物質の特定ができず、事故処理・二次災害防止対策など遅れる危険がある。諸外国のように国連勧告に従うことによって、単純な四桁の番号表示となり、より迅速な対応が可能となる。すでに、航空輸送や海上輸送では国連勧告に基づいた番号や図案に日本語を加えた標識が使用されている。国内の陸上輸送に移る時には、その表示を※(注)がして、現行法令に基づく「危」「毒」などの標識にかえている。
危険有害物輸送の事故発生時に積載されている物質をただちに特定し、迅速な対策をとるうえでも、現在航空・海上輸送で使用されている国連番号、図案を陸上輸送の危険有害物積載車両に表示させることを検討すべきではないか。
もし、検討しないということであれば、危険有害物の陸上輸送において、国連勧告に基づく番号や図案の表示をなぜ使用しないのか具体的な理由を明らかにされたい。
また、運輸省、建設省、消防庁は、欧州における「危険物道路輸送に関する欧州各国合意書」(略称「ADR」)による危険有害物の陸上輸送について調査したことがあるのか。
3 危険有害物の道路輸送における事故は、深夜・早朝に多く発生していることから、事故処理・二次災害防止を迅速に行うためには二十四時間対応できるシステムの確立が必要である。現在、消防庁、高速道路管理者、厚生省が事故発生時などに対応するためのデータベース化をそれぞれすすめている。行政によるタテ割の対応ではなく、事故発生時に一元的に対処できるようにすることが必要である。
政府とメーカー・荷主の責任によって、二十四時間体制で事故発生時の迅速な処理方法、中和剤の入手、二次災害防止などの情報提供を適確に行い、事故処理に対応できるシステムを整備するべきではないか。
三 タンクローリーの横転事故の原因解明について
消防庁の「平成十年の主な事故事例」によれば、タンクローリーの横転事故が八件発生し、積載物が流出するなど大きな被害をもたらしている。
タンクローリーの横転は、スピードの出し過ぎなど無理な運行だけでなく、制限速度で運行していても、S字カーブを曲がりきれずに横転する「低速横転」が発生している。タンクローリー横転の原因については未解明であり、自動車メーカーと国の責任で徹底した実験・調査を行い、「低速横転」など、タンクローリーの横転事故の原因を解明し、車両の構造上の改善をはじめ、横転事故防止策を強化すべきではないか。
四 安全輸送のための下請運送事業者の適正運賃の確保と労働条件改善について
石油元売り各社は、物流費削減をはかるため、油槽所の廃止・共同利用を推進するとともに配車の一元化と全国・ブロックでの配車センターを設けている。さらに車搭載端末機の導入による配送及び車両の管理、輸送元請け業者の油槽所単位での一社体制への移行など下請支配の強化をすすめている。
石油元売り各社は、運送契約に入札制度を導入し、一定規模以上の台数と輸送量などの選定基準を満たす会社でなければ入札させないとか、それ以下の中小運送業者は企業連合で入札せよとか、迫っている。
石油元売り各社は、希望する運賃・料金にならない場合、入札のやり直しをさせるという異常なやり方で、従来の運賃・料金から二十%も切り下げている。
入札で落札できなかった下請会社は一方的に運送契約を解約され、経営難が深刻となり、減車、労働者に対する希望退職の募集や指名解雇の通告を余儀なくされる事態を招いている。このような石油元売り各社による一方的な運賃ダンピングは、「危険物」の安全輸送の確保にも重大な影響を与えるものである。
1 そこで質問するが、石油元売り各社は、配車センターを設置し、本州と四国・九州をあわせた全国配車や広域なブロックごとの配車を行っている。各社の配車センターから運送事業者に配車表が送付され、事業者の掲示板などに張り出される。その配車表を運転者が直接見て運行しているのが実態である。
貨物自動車運送事業法では運行管理者が運転者の安全運転、労働時間などを指導・監督し、健康状態などをチェックすることになっている。
ところが、石油元売り各社・荷主側は、各運送事業者に配車表を送付し、一方的に運行を管理している。こうしたやり方は、貨物自動車運送事業法の安全規則に反するものではないか。
政府は、法律に定められた運行管理者を通して配車及び管理を行わせるべきではないか。また、こうした実態を調査し、改善の措置をとるべきではないか。
2 トラック事業の運賃・料金については、貨物自動車運送事業法の規定により運輸大臣に対する届出が義務づけられており、届け出た運賃・料金を適用しない場合には罰則規定がある。違反行為が荷主等の指示に基づいて行われた場合には、同法第六十四条により運輸大臣から当該荷主に対して再発防止のための勧告を行うことができる。
政府は、石油元売り各社による運賃・料金の入札などの実態を調査し、不当な運賃ダンピングをやめさせ、届出運賃に基づく適正な運賃を支払うよう指導すべきではないか。
また、このような届出運賃を無視した運賃ダンピングのための入札は、貨物自動車運送事業法に規定されている運賃の届出制度と矛盾するものではないか。
さらに、石油元売り各社のこのようなやり方は荷主の優位的地位によって公正な取り引きをゆがめるものではないか。
3 (社)全日本トラック協会のアンケート調査によれば、石油類輸送運転者の年間総労働時間は二千七百六十時間(九十八年度)にのぼり、政府の国際公約である千八百時間を大きく上回っている。事故と運転者の長時間過密労働は密接に関連するものであり、「危険物」の安全輸送のうえで重大な問題である。
危険物の規制に関する政令第三十条の二の二項で「危険物の移送をする者は、長距離にわたる移送をするときは、二人以上の運転要員を確保すること。」を規定しながら、ただし書きによって、危険物の規制に関する規則第四十七条の二の二項で「危険物」の大半である石油類の輸送について除外している。
危険物輸送の安全運行を確保するうえでも、政令の「交代するための運転要員の確保」の規定を石油類の輸送にも適用するように改善すべきではないか。
また、石油元売り各社に対して、危険物輸送運転者の労働時間短縮についてどのような指導を行っているのか。
4 トラック運転者の労働条件について、九十八年の一年間に労働省が監督を実施した四千五百十三のトラック事業場のうち六十三・三%の事業場が労働基準法及び労働安全衛生法に違反し、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(八十八年二月九日労働省告示第七号、以下「改善基準告示」)について重点的に監督を行った二千五十一事業場のうち、五十三・八%が違反している。
「改善基準告示」の目的には、「この基準を理由として、自動車運転者の労働条件を低下させてはならない」と定めている。しかし、石油元売り各社の物流コスト削減による下請運送事業者の経営悪化、タンクローリー運転者の長時間過密運転が常態化しているもとでは危険物輸送の重大事故があとを絶たない。
政府は、安全輸送に不可欠な運行時間と労働条件の確保のためのコストを織り込んだ運賃契約基準を設けるべきではないか。
また、危険物輸送のタンクローリー運転者の労働条件改善をどのようにすすめていくのか明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一の1について
御指摘のように、火災や健康危害等を発生させるおそれのある物質(以下「危険物等」という。)の道路輸送について規制する法律は、消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)、毒物及び劇物取締法(昭和二十五年法律第三百三号)等複数存在するところである。
これらのうち主な法律について見ていくと、消防法においては、火災を発生させ、又は火災を拡大させる可能性の高い物質を危険物に指定し、その貯蔵、取扱い、運搬等について、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに火災による被害を軽減することを目的として必要な規制を行っている。
毒物及び劇物取締法においては、日常流通する有用な化学物質のうち、主として急性毒性による健康危害が発生するおそれが高い物質を毒物又は劇物(以下「毒劇物」という。)に指定し、その製造、販売、運搬、貯蔵その他の取扱いについて、保健衛生上の見地から必要な規制を行っている。
高圧ガス保安法(昭和二十六年法律第二百四号)においては、高圧ガスの製造、貯蔵、販売、移動その他の取扱いについて、公共の安全を確保することを目的として必要な規制を行っている。
道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)においては、危険物等を運送する自動車を含む道路運送車両の構造及び装置について、道路運送車両に関する安全性の確保を図ることを目的として必要な規制を行っている。
以上のように、それぞれの法令の目的に沿い、それぞれの法令を所管する省庁において、所要の規制を行っているところであり、危険物等の道路輸送の安全は確保されていると考えており、これらの規制を見直す考えはない。
一の2について
危険物等の道路輸送については、一の1についてで述べたとおり、それぞれの法令の目的に沿い、それぞれの法令を所管する省庁において、所要の規制を行っているところであるが、政府としては、危険物運搬車両による事故防止と迅速な事故処理対策等を推進するために、関係省庁等で構成する「危険物運搬車両の事故防止等連絡会議」を開催する等、関係省庁等の連携の下に、総合的に対策を推進しているところである。
一の3について
消防法及びこれに基づく政令等においては、タンクローリーが横転事故を起こした場合であっても積載している危険物の漏れ等を最小限にとどめることができるよう、移動タンク貯蔵所について、所要の構造、設備等の技術上の基準を定めるとともに、その設置等に当たっては、市町村長等の許可及び完成検査を義務付けているところである。
また、毒物及び劇物取締法及びこれに基づく政令等においては、毒劇物の運搬容器について、毒劇物による保健衛生上の危害を防止する観点から、横転事故を起こした場合であっても毒劇物の漏れ等を最小限にとどめることができるよう、必要な基準を定めているところである。
以上のように、危険物等の道路輸送について、危害を防止する観点から、必要な構造上の基準が定められており、現時点でこれら基準を見直す考えはない。
一の4について
消防法においては、危険物の輸送にタンクを用いる場合には、同法第十条第四項並びに第十一条第一項及び第五項の規定に基づき、市町村長等のタンクの設置等に係る許可及び完成検査を受け、当該危険物を安全に輸送するための技術上の基準を満たしていることが確認された専用の移動タンク貯蔵所を用いることとされている。
また、毒物及び劇物取締法においては、同法第十一条第三項等の規定に基づき、毒劇物を運搬する場合には、飛散、漏れ等を防ぐのに必要な措置を講じなければならないこととされ、また、同法第十六条第一項に規定する技術上の基準として定めた毒物及び劇物取締法施行令(昭和三十年政令第二百六十一号)第四十条の四第三項の規定に基づき、毒劇物を車両を使用して運搬する場合には、容器又は被包が落下し、転倒し、又は破損することのないように積載することとされている。
これに加えて、厚生省においては、昨年十月、首都高速道路で過酸化水素水を積載したタンクローリーが爆発する事故が発生したことを踏まえ、これらの法令上の義務が適切に遵守されるよう、運搬する物質と運搬容器との反応、当該運搬容器を用いて運搬する物質と前回運搬された物質との反応等を確認した上で、危険の防止措置を適切に講ずるよう「毒物劇物の運搬及び廃棄について」(平成十一年十一月十一日付け厚生省医薬安全局安全対策課長及び監視指導課長通知)により各都道府県衛生主管部(局)長あてに通知したところである。
二の1について
イエローカードの携行状況については、消防法第十六条の五第一項及び第二項、毒物及び劇物取締法第十七条等の規定による立入検査及び関係機関による指導の際に、その確認を行っているところであり、その範囲内においては、危険物、毒劇物等を運搬する自動車の大半がイエローカードを携行しているものと承知している。
二の2について
複数の名称を有する危険物等の道路輸送中に事故が発生した場合であっても、危険物等の性状が迅速に把握でき、適切な処理、二次災害防止等についての情報を入手できるシステムが既に構築されているところである。国連勧告に基づく番号及び図案の表示については、その背景として、国境を越えて危険物等を輸送する場合には、各国語で危険物等の名称等を表示することが困難であるため、共通化した番号等で表示することとしているものと認識しているが、我が国国内の道路輸送においては、国境を越えることがないことから、その必要性は低いと考えており、現時点では導入は考えていない。
また、運輸省、建設省及び消防庁においては、「危険物道路輸送に関する欧州各国合意書」の概要を承知している。
二の3について
危険物等の道路輸送中に事故が発生した場合には、事故発生時の迅速な処理方法、中和剤の入手、二次災害防止等について、現場の消防機関、警察、高速道路の道路管理者等が、二十四時間体制で適切に情報を入手できるシステムを構築しており、適切に対応しているところである。
今後とも、関係機関の一層の連携強化を図るとともに、システムの整備改善に努めてまいりたい。
三について
運輸省においては、道路運送車両法第四十条から第四十二条までの規定に基づき、自動車の構造及び装置について保安上の技術基準への適合を義務付けるとともに、タンクローリーの横転事故の原因の調査等を行っているところである。
今後、事故原因の調査結果等を踏まえ、必要に応じ横転事故防止対策の検討を行うこととしたい。
四の1について
石油元売り各社から一般貨物自動車運送事業者及び特定貨物自動車運送事業者(以下「運送事業者」という。)に御指摘の配車表が送付された場合であっても、そのこと自体は単に運送の依頼があったに過ぎないものと解される。運送事業者は、貨物自動車運送事業法(平成元年法律第八十三号)第十八条第一項、第二十二条第二項等の規定に基づき、運行管理者に、乗務割を作成しこれに従い乗務員を事業用自動車に乗務させること、乗務員に対する指導及び監督を行うこと等運行の安全の確保に関する業務を行わせなければならないこととなっており、このことは配車表が送付されたときであっても変わりはない。
運輸省においては、これまでも運行管理者に係る同法の規定を遵守するよう徹底してきたところであるが、今後とも、同法第六十条の規定に基づく立入検査等により、法令の遵守状況の把握に努めるとともに、業界団体に対する指導及び個別事業者に対する指導等を実施してまいりたい。
四の2について
運送事業者が収受する運賃及び料金は、基本的には、荷主との間で任意に定められるものである。政府としては、運送事業者と荷主との良好な取引関係の確立が図られるよう運送事業者及び荷主を指導してまいりたい。
また、運送事業者は、貨物自動車運送事業法第十一条第一項等の規定に基づき、運賃及び料金をあらかじめ運輸大臣に届け出ることとなっているが、入札という方法で運賃及び料金が決定されても、そのこと自体は、同条第二項各号のいずれかに該当する場合を除いては、問題ではない。
なお、取引の相手方を定める方法として入札を行うことのみをもって、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)に規定する不公正な取引方法に該当するとはいえないと考えられる。
四の3について
危険物の規制に関する政令(昭和三十四年政令第三百六号)第三十条の二第二号本文においては、危険物のうち、危険性の種類、程度等を勘案し、特に危険性の高いものを輸送する場合に二人以上の運転要員を確保することを義務付けている。御指摘の石油類については、輸送に当たって特に危険性の高いものであるとは考えておらず、現時点で同号本文を適用することは考えていない。
また、運輸省自動車交通局長及び労働省労働基準局長の連名で、石油連盟を含む荷主団体に対して貨物自動車運送事業における一層の労働時間の短縮について協力要請を行っているほか、運送事業者の業界団体が行う労働時間短縮に向けた荷主への協力要請を含む自主的な取組の促進のための支援を行ってきたところである。
四の4について
過労運転等を防止し、輸送の安全を確保することは、貨物自動車運送事業法第十七条等の規定により運送事業者の義務とされている。運送事業者が収受する運賃及び料金は、四の2についてで述べたとおり、基本的には、荷主との間で任意に定められるものであるが、政府としても、輸送の安全の確保について所要の指導を行ってまいりたい。
また、タンクローリー運転者を含むトラック運転者の労働時間等の労働条件の改善を図るため、これまで政府としては、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(平成元年労働省告示第七号)のほか労働基準関係法令の遵守の徹底に努めてきたところであり、今後とも、業界団体に対する指導及び個別事業者に対する監督指導を実施してまいりたい。
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