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毒物混入事件等における救急医療体制に関する質問主意書
衆議院 第143回 第12号検討してまいりたい ×3
質問本文
和歌山市で発生した毒物混入カレー事件は、死者四名、重軽症者六十余名にのぼる惨事となり、さらに、新潟市の木材防腐加工会社では十名の職員が集団薬物中毒事件に遭遇している。この種の卑劣極まりない犯罪は、平穏な市民生活を恐怖へと一変させ、国民の間に不安感を募らせており、捜査当局には一刻も早い事件の真相解明と再発防止に一層の努力を望む所である。
今回の一連の毒物混入事件において看過し得ないことは毒薬物分析に混乱が見られた事実である。被害者の救命措置は寸刻を競い、迅速な分析によって毒薬物について原因物質の特定が図られなければ治療方針は確定せず、命に及ぶ事態となりかねない。かかる事態を再び招来しないよう救急医療体制の整備は緊急を要すると考える。
従って、次の事項について質問する。
一 和歌山市の事件の場合、当初、食中毒が疑われ、次いで青酸化合物中毒と断定された後、砒素化合物が検出されるなど、毒物の分析には混乱が見られる。薬学的に急速に死に至らしめる代表的な毒物は、有機燐系化合物などが挙げられており、これらに対する解毒剤、及び治療法は確立されている。従って、三次医療機関である全国の救命救急センターに解毒剤等の常備を義務付け、緊急時に使用できる体制を整えておく必要があると考えるがどうか。
二 今回のように一度に多数の患者が発生した場合、中毒に関する情報と分析体制の強化が重要である。中毒に関する情報提供機関として、今回の事件でも機能を十分に発揮した日本中毒情報センターがあるが、同時多発的な事件の際には、高度救命救急センターとの連携は不可欠である。薬物中毒の治療経験を有する高度救命救急センターの医師と即時に連携がとれるネットワークを作り、日本中毒情報センターをサポートするシステムを構築すべきと考えるがどうか。
三 原因不明の中毒事件が発生した場合、如何なる毒薬物が含まれているかの分析体制の確立は急務である。欧米では、既に中毒情報・分析センターが整備されており、数時間単位で迅速な分析を行い、治療に役立てている。
我が国においては、警察庁科学警察研究所ならびに各都道府県県警での科学捜査研究所が分析を行っているものの、医療機関との連携は義務付けられてはおらず、非常事態への対応の遅れにつながりかねない。
1 警察の各研究所と医療機関との連携を密接にし、その分析結果を治療に迅速に反映する体制を作るべきと考えるがどうか。
2 さらに、高度救命救急センターにおける迅速分析機能の強化を講ずるべきと考えるがどうか。
右質問する。
政府答弁書
一について
御指摘の解毒剤等の常備については、厚生省において、化学物質による中毒が発生した場合に中毒患者に対し迅速かつ効果的な診断及び治療を行う体制を整備するため、本年九月七日に開催した健康危機管理対策に関する都道府県等担当課長会議において、都道府県に対して、主として救命救急センターとして指定した医療機関において解毒剤等の治療薬を常備することについて検討するよう指示したところであり、常備すべき治療薬の品目については、現在、厚生省において検討しているところである。
二について
厚生省においては、中毒患者を治療する医療機関が、御指摘の財団法人日本中毒情報センター(以下「情報センター」という。)の提供する情報のみでは十分に対応ができない事例については、さらに情報センターが全国八か所に設置されている高度救命救急センターの専門家を当該医療機関に対して紹介する仕組みとすることにより情報センターの機能を強化することを検討しているところである。
三の1について
警察庁においては、御指摘の事件を含む有毒物質混入事案の連続発生という状況を踏まえ、都道府県警察に対し、医療機関、保健所等の関係機関との即報及び連絡体制の確立について通達を発する等によりその徹底を図ったところであり、都道府県警察と関係機関との間で緊密な連携が図られるものと考えている。
三の2について
厚生省においては、中毒が発生した場合に、御指摘の高度救命救急センターを始め救命救急センターにおいて原因物質の迅速な特定を行うことができるよう、高度救命救急センター等における分析機能の強化について検討しているところである。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。