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外国人登録証の常時携帯提示義務等に関する質問主意書
衆議院 第151回 第105号趣旨が明らかではない ×1
質問本文
外国人登録証の常時携帯義務は、国連規約人権委員会(以下、「規約人権委員会」)において「市民的及び政治的権利に関する国際規約」に基づき締約国より提出された報告書を審査した結果、採択されたコメントと最終見解において、その問題点が指摘されている。
一九九三年の第三回日本政府報告に対するコメントは、「D、主要な懸念事項」として「当委員会は、在日韓国・朝鮮人、部落民及びアイヌ少数民族のような社会集団に対する差別的な取り扱いが日本に存続していることに懸念を表明するものである」と述べ、「永住的外国人であっても、証明書を常時携帯しなければならず、また刑罰の適用対象とされ、同様のことが、日本国籍を有するものには適用されないことは、規約に反するものである」と指摘している。さらに、一九九八年の第四回日本政府報告に対する最終見解においては「一七、委員会は、外国籍の永住者に対し、外国人登録証明書を常時携帯していないことを犯罪とし、刑事罰を科する外国人登録法は、規約第二六条と合致しないとした、日本の第三回定期報告書審議後の最終見解で記した意見を再び述べる。委員会は、このような差別的法律は廃止されるべきであることを再度勧告する」と指摘している。
外国人登録証の常時携帯義務と提示義務は一体のものとして機能しており、罰則が過料になったとはいえ、外国人登録証の常時携帯義務制度は存続し、罰則において提示義務の刑事罰が従来通り存続することで、規約人権委員会が一九九八年の最終見解で指摘した問題は実態としてなんら変わっていないといえよう。
近年においては、出入国管理及び難民認定法第二三条第一項、第二項違反(旅券等の常時携帯呈示義務)による摘発が頻繁に行われていることが伺われる。外国人登録法第一三条第一項、第二項の外国人登録証の常時携帯提示義務のほか、同法と深く関係する出入国管理及び難民認定法第二三条第一項、第二項の旅券等の常時携帯呈示義務について、以下、質問する。
一 一九八〇年から現在に至るまで年ごとの外国人登録法第一三条第一項、第二項違反による検挙および立件数を特別永住者、一般永住者、国籍別に明らかにせよ。
二 一九八〇年から現在に至るまで年ごとの出入国管理及び難民認定法第二三条第一項、第二項違反による検挙および立件数を、在留資格別、国籍別に明らかにせよ。
三 規約人権委員会によって二度にわたり廃止勧告を受けるなど問題点を指摘されながら、それに従わず、いまもって永住者に外国人登録証の携帯を義務づけているのはなぜか。その根拠を明らかにせよ。
四 現在では外国人登録法の常時携帯制度を適用するにあたり、「生活圏」においては携帯していなくとも違反として問わないとする運用の緩和策がとられている実態がある。「生活圏」の範囲について明快な基準を示せ。
五 出入国管理及び難民認定法第二三条第一項、第二項の旅券等の常時携帯呈示義務の運用における通知、内規等を明らかにせよ。またそれらはどのような基準で運用されているのか、明らかにせよ。
六 外国人登録法の常時携帯義務に抗議する在日韓国・朝鮮人、中国人らは、外国人登録証を政府宛に「返上」している。外国人登録法における外国人登録証の常時携帯提示義務にあえて違反することで強い抗議の意思を表明しており、しかもその数は漸増している。「返上」された外国人登録証についてはどのような取り扱いとしているか。またそうした当事者に対し、どのような態度で臨むか。
右質問する。
政府答弁書
一について
1 昭和五十五年から平成十二年までの各年に警察において検挙(検察官に送致)した外国人登録証明書(以下「登録証明書」という。)の常時携帯義務違反に係る外国人登録法(昭和二十七年法律第百二十五号。以下「外登法」という。)違反事件について、検挙件数は別表一、被疑者の国籍・地域別の検挙件数は別表二、永住者(出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)別表第二の上欄の永住者の在留資格をもって在留する者をいう。以下同じ。)、特別永住者(日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号。以下「入管特例法」という。)に定める特別永住者をいう。以下同じ。)別の検挙件数は別表三のとおりである。
なお、別表三に注として記載したところのほか、次に掲げる数については、統計がないので答弁することができない。
(一) 警察において検挙した登録証明書の受領義務違反に係る外登法違反事件の件数
(二) 昭和五十五年から平成十二年までの各年に海上保安庁において検挙した登録証明書の常時携帯義務違反又は受領義務違反に係る外登法違反事件の件数
2 昭和五十八年から平成十二年までの各年に警察において検挙(検察官に送致)した登録証明書の指示義務違反に係る外登法違反事件について、検挙件数は別表四、被疑者の国籍・地域別の検挙件数は別表五、永住者、特別永住者別の検挙件数は別表六のとおりである。
なお、別表六に注として記載したところのほか、次に掲げる数については、統計がないので答弁することができない。
(一) 昭和五十五年から昭和五十七年までの各年に警察において検挙した登録証明書の提示義務違反に係る外登法違反事件の件数
(二) 昭和五十五年から平成十二年までの各年に海上保安庁において検挙した登録証明書の提示義務違反に係る外登法違反事件の件数
二について
昭和五十五年から平成十二年までの各年に警察において検挙(検察官に送致)した旅券等の常時携帯義務違反又は呈示義務違反に係る入管法違反事件について、検挙件数は別表七、被疑者の国籍・地域別の検挙件数は別表八、被疑者の在留資格別の検挙件数は別表九のとおりである。
なお、別表九に注として記載したところのほか、次に掲げる数については、統計がないので答弁することができない。
1 警察において検挙した旅券等の常時携帯義務違反又は呈示義務違反に係る入管法違反事件の各違反別の件数
2 昭和五十五年から平成十二年までの各年に海上保安庁において検挙した旅券等の常時携帯義務違反又は呈示義務違反に係る入管法違反事件の件数
三について
いわゆる不法入国者や不法残留者が多数存在する等の我が国の現状においては、外国人が合法的な在留者であるか否か等を確認し、その居住関係及び身分関係を即時に把握するためには、登録証明書の常時携帯制度は合理的かつ必要なものであると考えている。
四について
法務省においては、入国警備官の職務執行について、お尋ねの「生活圏」という基準を用いた運用は行っておらず、また、警察においても、登録証明書の常時携帯義務違反の検挙等について、「生活圏」という基準を用いた運用は行っていない。
五について
お尋ねの「携帯呈示義務の運用」及び「運用における通知、内規等」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、法務省においては、入国警備官が旅券等の常時携帯義務又は呈示義務に違反した外国人を認めた場合の刑事告発手続については、告発書の様式を定めた昭和五十八年十二月二十三日付け法務省管警第三百四十四号通達以外に通知、内規等はなく、また、警察庁においては、旅券等の常時携帯義務違反又は呈示義務違反の検挙については、運用の基準を定めた通知、内規等はない。
六について
御指摘の登録証明書の取扱いについては、登録証明書に記載された居住地の地方公共団体を通じて、これが本人に受領されるよう努めているところである。今後とも、当該地方公共団体との連携の強化等を図ることにより、当該登録証明書が受領されるよう適正に対処してまいりたい。
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