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朝銀信用組合の破綻に対する公的資金投入に関する質問主意書

衆議院 第153回 第22号承知していない ×1

提出者
自由党
提出日
2001年11月22日
内閣転送 2001年11月26日
答弁書受領日
2001年12月14日
提出から22日
答弁の項目数
15
質問 2,593字/答弁 4,498字

質問本文

小泉総理は、財政緊縮のために、道路公団に支出している公金三千億円を今後支出しないと明言し、国内に議論を喚起させているところ、預金保険機構は、十一月七日に朝鮮総連系全国朝銀信用組合(以下、朝銀という)の朝銀北東(札幌市)、朝銀中部(岐阜市)および朝銀西(岡山市)の三信用組合に対し、二千六百六十億円の贈与と四百六十九億円の不良債権買い取り合計三千百二十九億円の投入を発表し、さらに残る新潟、東京、神奈川、千葉、長野および近畿の六朝銀の破綻に対しても(債務超過額総計四千四百二十一億円、本年三月現在)、資金贈与と不良債権買い取りを検討中と報じられ、ここに、平成十年五月の朝銀近畿への投入額三千百億円を加えれば、朝銀への資金投入総額は、一兆円を突破する見通しとなっている。

ところで、本年九月十一日のアメリカにおけるイスラム過激派による同時多発テロ以来、テロリストに対する資金供与を防止するために、世界各国はその防止策構築に重大な関心をもって取り組み始め、我が国も「テロ資金供与防止条約」に署名した次第である。

しかるに、我が国においては、まさにこの間、右の通り朝銀に対する多額の資金投入が決定され、現実の資金供与が迫っているのである(十一月二十六日と報道されている)。

ここにおいて、過去ラングーンにおけるアウン・サン廟爆破、大韓航空機爆破及び多数の日本人拉致など数々の国際テロを敢行し、核とミサイルを開発してきた北朝鮮金正日政権と朝鮮総連との特殊な関係、さらにテロ資金供与防止条約の趣旨に鑑みれば、テロ支援国に対する資金の流れを規制すべき国際的要請があるにもかかわらず、朝銀の破綻原因調査も完了していないこの時期に、速くも公的資金投入の方向に動こうとする政府の方針は、異様であり不可解極まりなく、早急に政府の見解を質す必要ありと判断し、左記の通り、質問主意書を提出する。速やかに回答されたい。

一 平成十年五月、破綻した朝銀大阪の受け皿銀行である朝銀近畿に対して、既に公的資金三千百億円を投入しているが、平成十二年十二月、再び朝銀近畿が破綻している。

1 朝銀近畿が、既に三千百億円の公的資金を得ながら、二年八ヶ月後にまた破綻した原因は何か。

2 第一回目の破綻に際して公的資金を投入する際、監査は十分行われたのか。

3 仮に、監査が十分行われたとしてという前提にたつとしても、二年八ヶ月後に再び破綻した事実から省みて、当時監査が及ばなかった部分を指摘できるか、できないのか。指摘できるとして、どのような部分に不完全さがあったのか。

二 全国の九朝銀信用組合のうち、近畿を除く札幌、岐阜、岡山、新潟、東京、神奈川、千葉及び長野の八信用組合の破綻原因を、それぞれ回答されたし。

三 全国の朝銀の部長級以上の人事は全て朝鮮総連中央本部が行っており、さらに、九朝銀が軒並み破綻するという事態から、これら九朝銀がそれぞれ独立した業務を行っていたと考えるのは不合理であり、実態は、朝鮮総連傘下の一つの朝銀の九箇所の支店と把握すべきであると考えられるが、この朝銀の実態に関する政府の見解を問う。

四 現在、朝銀を利用する北朝鮮系在日朝鮮人の数は、老若併せて十万人に満たず、在日朝鮮人の団体である朝鮮総連への会費納入者数は約五万六千人にすぎない。この利用人口を前提にすれば、全国に九箇所ある朝銀を多額の公的資金で救済しても、朝銀近畿同様経営が成り立つ見通しがなく、再び破綻することは必至と思われるが、政府は朝銀の経営基盤に関して、いかなる見通しをもって資金投入をしようとしているのか、再び破綻することはないと政府は明言できるか、その見解を問う。

五 全国の朝銀の部長級以上の人事は、全て朝鮮総連中央本部が行っており、その朝鮮総連は自ら認めるように金正日政権の下部機関であり、東京都千代田区富士見町にある朝鮮総連本部は、金日成前主席の死亡や建国記念日に際して、慶弔を受け付けるなどしていることから明らかなように、実質には「北朝鮮大使館」の機能を有している。

さらに、その朝鮮総連は北朝鮮金正日政権の下部機関であり、朝銀は、その朝鮮総連に人事権を握られている実態から、日本全国にある朝銀は、金正日政権の支配下にあると判断されるが政府は如何に認識しているか。

北朝鮮金正日政権とは無関係であると認識しているのならば、その旨明言されたい。

六 朝銀近畿および朝銀東京への強制捜査は、遅きに失したとはいえ、公的資金投入決定直前に開始された。

1 右、捜査は、如何なる内容で、既に終了しているのか否か、回答されたい。

2 朝銀大阪の破綻と朝銀近畿への公的資金投入から数えても、三年半が経過した後に強制捜査が開始されている。この間、刑事告発は何故なかったのか、回答されたい。

3 刑事告発事由は、右強制捜査事由以外見つからないのか、回答されたい。

七 我が国所在の朝銀から、北朝鮮金政権に対して、資金が流れているとの疑惑は、北朝鮮の核開発疑惑が国際問題となった際に、アメリカ政府からも指摘されており、日本政府(外務大臣)もかつて朝銀から北朝鮮金政権に資金が流出している旨認めたことがある。

1 まず、右資金流出の事実を日本政府がかつて認めたことがあるか否か、回答されたい。

2 現在、政府は、我が国所在の朝銀から北朝鮮の金日成政権さらに金正日政権に対して、資金が供与されたことがないと断定しているのか否か、回答されたい。

3 現在断定できないとすれば、政府においてさらにそれを解明する方針か、またはその方針はないのか、回答されたい。

八 朝銀への捜査及び監査が不十分かつ未完にして未だ破綻原因、責任の所在及び資金の流れが把握できていないと当職は認識している。

1 この現状で、朝銀に公的資金を投入する特別の理由があれば明示されたい。

2 国際社会で、テロ国家に対する資金の流れを防止すべき現状において、投入された公的資金が、北朝鮮金正日政権に流出したり、その下部機関である朝鮮総連の活動資金に流出することはないと、政府は保証し得るか、明言されたい。

九 我が国において、破綻した金融機関に対し過去に公的資金を投入した事例において、当該金融機関が、外国政府の支配下にあった事例はあるか否か、回答されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

朝銀近畿信用組合が破綻した原因については、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律(平成十年法律第百三十二号)第十三条に基づく金融整理管財人の報告等によれば、合併前の旧朝銀京都信用組合において、与信審査が不十分であったことに加え、特定与信先に対し法令に定める信用供与等限度額を大幅に超過する与信集中が行われるなど、信用組合内部での相互牽制機能が形骸化し、不適切な経営管理が行われていたことが主な要因であると考えられるとのことである。

一の2について

旧朝銀大阪信用組合の朝銀近畿信用組合への事業譲渡については、当時、信用組合の監督権限は都道府県にあったことから、大阪府知事からの当時の預金保険法(昭和四十六年法律第三十四号)第六十三条第二項に基づく要請を受けて、大蔵省において同法第六十一条第三項に掲げる要件に該当するかどうかの審査を行い、同条第一項に基づく適格性の認定を行ったものであるが、その際、朝銀近畿信用組合の合併に参加した各信用組合を監督していた各府県のこれらの信用組合に対する検査結果も踏まえて検討を行ったところである。

一の3について

旧朝銀大阪信用組合の朝銀近畿信用組合への事業譲渡に係る預金保険法第六十一条第一項に基づく適格性の認定は、一の2についてで述べたとおり、朝銀近畿信用組合の合併に参加した各信用組合に対する監督権限を有していた各府県の検査の結果を踏まえ、大阪府知事の要請を受けて行ったものであるが、このうち合併前の旧朝銀京都信用組合に対する京都府による検査においては、一の1についてで述べた同信用組合の不適切な経営管理により生じた不良債権が把握されていなかった。

二について

朝銀新潟信用組合が破綻した原因については、同信用組合の審査管理体制が不十分であったこと等により、特定与信先への与信集中が容認されやすい体制であったことに加え、法令遵守体制に問題があったこと、理事会、監事等の内部の相互牽制が機能しない体制であったこと等が主な要因であったと考えられる旨、金融整理管財人から報告がなされている。

朝銀東京信用組合が破綻した原因については、同信用組合において、いわゆるバブル期において不適切な業務運営がなされたことといわゆるバブル崩壊後の環境変化に対応した処置が採られなかったことに加え、大口信用供与規制違反等にみられるように法令遵守の姿勢が希薄であったこと等、与信体制に重大な不備があったことが主な要因であったと考えられる旨、金融整理管財人から報告がなされている。

朝銀千葉信用組合が破綻した原因については、同信用組合の融資審査体制や債権管理体制が適切に整備されてこなかったこと等が主な要因であったと考えられる旨、金融整理管財人から報告がなされている。

朝銀長野信用組合が破綻した原因については、同信用組合の融資審査体制に問題があったことや資産運用面で効果的な経営施策が実現できなかったことが主な要因であったと考えられる旨、金融整理管財人から報告がなされている。

旧朝銀神奈川信用組合は、平成十一年十月に、旧朝銀埼玉信用組合、旧朝銀栃木信用組合、旧朝銀茨城信用組合及び旧朝銀群馬信用組合と合併し、朝銀関東信用組合に名称を変更している。朝銀関東信用組合については、平成十三年八月に預金保険法第七十四条第一項に基づく金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分がなされ、破綻した原因について、現在、金融整理管財人により調査が進められているところである。

なお、札幌市に本店を有していた旧朝銀北海信用組合は、平成十一年九月に、旧朝銀岩手信用組合、旧朝銀秋田信用組合及び旧朝銀福島信用組合と合併し、朝銀北東信用組合に名称を変更し、今日に至っており、破綻していない。岐阜市に本店を有していた旧朝銀岐阜信用組合は、平成十一年九月に、旧朝銀静岡信用組合、旧朝銀三重信用組合、旧朝銀石川信用組合及び旧朝銀富山信用組合と合併し、朝銀中部信用組合に名称を変更し、今日に至っており、破綻していない。また、岡山市に本店を有していた旧朝銀岡山信用組合は、平成十一年十月に、旧朝銀愛媛信用組合、旧朝銀香川信用組合、旧朝銀佐賀信用組合及び旧朝銀大分信用組合と合併し、朝銀西信用組合に名称を変更し、今日に至っており、破綻していない。

三及び五について

信用組合の役員は、中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第三十五条及び第五十五条に基づき、総会又は総代会における選挙等により選出されることとされており、各朝銀信用組合の役員についてもこうした手続を経て就任しているものと承知している。

各朝銀信用組合は、同法第二十七条の二に基づき、それぞれの都道府県知事の認可を得て設立されたものであり、相互に別個の法人格を有しており、その運営は、それぞれの総会の議決等に基づいて行われているものと承知している。

四について

お尋ねの朝銀信用組合の経営基盤について申し上げれば、平成十三年三月末において、当時の十八信用組合全体で、組合員数は十八万八千七百四十、貸出先数は二万六千四百三十八、貸出金残高は一兆六千四百八十八億六千二百万円、預金口座数は五十八万九千二百三十八、預金残高は一兆三千四百二十五億二千七百万円となっている。

いずれにせよ、預金保険法第六十一条第一項に基づく破綻金融機関の救済金融機関への合併等に係る適格性の認定については、救済金融機関の財務の健全性等を審査の上、法令に従い行われるものであり、各朝銀信用組合の破綻処理についても、法令にのっとり適切に対応しているところである。

六の1について

お尋ねの捜査については、警視庁において、平成十三年十一月八日及び十一日に協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)違反被疑事件につき朝銀東京信用組合の元理事長ら五人を、同月二十八日に業務上横領被疑事件につき同人ら六人をそれぞれ逮捕する等し、また、兵庫県警察において、同月十四日に、同法違反被疑事件につき朝銀近畿信用組合の元理事長ら五人を、背任被疑事件につき朝銀近畿信用組合及び旧朝銀京都信用組合の元理事長ら三人を、同年十二月五日に背任被疑事件につき旧朝銀兵庫信用組合の元理事長ら六人をそれぞれ逮捕する等し、さらに、神戸地方検察庁において、同日に、兵庫県警察が同年十一月十四日に被疑者を逮捕する等した背任被疑事件とは別の背任被疑事件につき朝銀近畿信用組合及び旧朝銀京都信用組合の元理事長ら三人を逮捕する等したものであり、現在も所要の捜査が行われているものと承知している。

なお、同月二十八日に、東京地方検察庁において、同月八日に警視庁において逮捕した被疑者のうち二人について同法違反により東京地方裁判所に公訴を提起し、また、同年十二月五日に、神戸地方検察庁において、同年十一月十四日に兵庫県警察において逮捕した被疑者のうち六人について同法違反又は背任により神戸地方裁判所に公訴を提起したものと承知している。

六の2について

旧朝銀大阪信用組合については、平成九年五月十四日の同信用組合の破綻公表以降、当時同信用組合の監督権限を有していた大阪府及び同信用組合の不良債権を引き継いだ株式会社整理回収機構(以下「整理回収機構」という。)において所要の調査が行われたが、そのいずれにおいても、犯罪があると思料するに足る事実が把握されなかったことから告発が行われなかったものと承知している。

なお、朝銀近畿信用組合については、平成十二年十二月二十九日に金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分がなされているが、平成十三年九月二十五日に、金融整理管財人及び近畿財務局長により協同組合による金融事業に関する法律違反でその旧経営陣等を被告発人とする告発がなされ、同年十一月十四日に、金融整理管財人により背任罪でその旧経営陣を被告訴人とする告訴及び旧朝銀京都信用組合の旧経営陣を被告発人とする告発がそれぞれなされ、更に同年十二月五日に、金融整理管財人により背任罪で朝銀近畿信用組合の旧経営陣等を被告訴人とする告訴並びに旧朝銀京都信用組合及び旧朝銀兵庫信用組合の旧経営陣等を被告発人とする告発がそれぞれなされている。

また、朝銀東京信用組合については、平成十二年十二月二十九日に金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分がなされているが、平成十三年十一月八日に、金融整理管財人により協同組合による金融事業に関する法律違反でその旧経営陣を被告発人とする告発がなされ、更に同月二十八日に、金融整理管財人により業務上横領罪でその旧経営陣を被告訴人とする告訴がなされている。

六の3について

今般の告訴及び告発は、金融整理管財人等において犯罪があると思料するに足る事実が把握されたものについて行われたものである。

また、金融整理管財人等においては、今後も、その職務を行うことにより犯罪があると思料するに足る事実が把握されたときは、その時点において、所要の告発等を行うこととなる。

七の1について

政府が、朝銀信用組合から北朝鮮当局に資金が流れていると認めたという事実はない。

七の2について

金融庁においては、朝銀信用組合から北朝鮮当局に対して資金供与がなされたとの事実は把握していない。

七の3について

政府としては、仮に各朝銀信用組合が法令に違反する業務運営を行っていることを把握した場合は、法令にのっとり厳正に対処してまいりたい。

八の1について

各朝銀信用組合は、中小企業等協同組合法に基づき設立された我が国の金融機関であり、預金保険法第二条第一項第四号に規定された同法上の金融機関であることから、他の破綻金融機関と同様、破綻した各朝銀信用組合の救済金融機関への合併等に際しても、法令にのっとり厳正な審査を行い、所要の手続を経て、預金者等の保護のため、同法に基づき資金援助を行ってきたものである。

なお、御指摘の責任追及については、破綻金融機関に派遣された金融整理管財人が、法律に基づき経営者等の責任追及を行っており、また、破綻金融機関の不良債権を引き継いだ整理回収機構においても責任追及が行われているものと承知している。

八の2について

政府としては、破綻した信用組合の事業を譲り受けた信用組合に対しても、他の金融機関と同様、法令に基づき、適切に監督を実施しており、各朝銀信用組合についても、仮に法令に違反する業務運営が行われていることを把握した場合は、厳正に対処してまいりたい。

九について

預金保険機構による資金援助の対象となる金融機関は、預金保険法第二条第一項において、同項各号に掲げられた銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)に規定する銀行その他の金融機関であって、預金保険法の施行地外に本店を有するものを除くものと規定されており、預金保険機構による資金援助が行われた金融機関は、すべて我が国の法令に基づき設立された金融機関である。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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