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狂牛病全頭検査にあたり情報公開のあり方と今後の信頼回復のための措置等に関する再質問主意書
衆議院 第153回 第41号
質問本文
一 先の回答では三種類の消毒方法のご回答をいただいたが、狂牛病患畜のあった屠畜場へは現在、どのような指導をしているか。またそういった屠畜場では実際にどのような消毒方法がおこなわれたと把握しているのかその実態をお示しいただきたい。
二 牛の個体管理について我が国のとりくみが遅れているとは認識されていないとのことであるが、その理由を明らかにされたい。欧州連合のとりくみと比べて三年以上の遅れがあるという事実に対する認識をうかがいたい。
三 学校給食においては従前の取り扱いに戻すなど適切な対応がとられるよう指導を要請したとのことであるが、成長期の子どもに現在牛肉を積極的に与えることに保護者の多くは危惧を感じている。的確な情報にもとづいて保護者の理解を求めるとあるが、どのような情報が保護者のもとに届いているのか、明らかにされたい。
四 農水省と厚生労働省の間で定期的に情報の交換などをおこなうとともに協議の場を設けているとあるが、食品の安全確保のために新たな機関を設ける考えはないのかどうか答えていただきたい。
五 農水・厚生労働両省間の連携が不十分であり、農水省内の連絡体制が不十分であったことから、対応に混乱を来し、食肉などの安全性に対して国民に不安を与えたことは「遺憾である」との回答をいただいた。国民の生活と安全を守る行政としての意識・責任に欠けているように思える。「遺憾」とは「残念」「気の毒」といった意味であり、適切な表現とは思えない。「遺憾」といった言葉を使った根拠をお示しいただきたい。
六 風評により大きな被害を受けた生産者や関係者が一日もはやく従来と同様の経営状態に戻ることができるよう、政府全体として積極的な情報の提供に努めつつ、速やかに必要な対応を講じてまいりたいとの回答であるが、風評で被害を受けたのではなく、行政の狂牛病に対する対策が遅れたことで問題が起きたのであり、認識が基本的に間違っていると思える。もし、我が国において人間に新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病が発生した場合、それではいったい誰の責任になるのか。風評という言葉を政府は安易に使用し、情報の操作をおこなっているように思えるが、どう認識しているか、お答えいただきたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
厚生労働省においては、と畜場でとさつされ、解体された牛が、牛海綿状脳症に係る一次検査若しくは確認検査により陽性と判定された場合又は確定診断により牛海綿状脳症であると判断された場合における当該と畜場の施設、設備、機械器具等について、「牛海綿状脳症に関する検査の実施について」(平成十三年十月十六日付け食発第三百七号厚生労働省医薬局食品保健部長通知)により、都道府県知事等に対して具体的な消毒方法を示すとともに、消毒措置を確実に行うよう要請しているところである。
牛海綿状脳症り患牛をとさつし、解体した北海道及び埼玉県のと畜場においては、牛の脳、眼、せき髄又は回腸遠位部に接触した又は接触したおそれがある施設、設備、機械器具等について、同通知に基づき、有効塩素濃度が二パーセント以上の次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いて一時間以上の消毒を行ったものと承知している。
二について
狂牛病全頭検査にあたり情報公開のあり方と今後の信頼回復のための措置等に関する質問に対する答弁書(平成十三年十一月十三日内閣衆質一五三第一九号。以下「答弁書」という。)の三についてで「我が国の取組が遅れているとは考えていない」と述べたのは、牛海綿状脳症が早くから発生している欧州連合における牛の個体識別番号システム(以下「識別番号」という。)の導入には遅れるものの、カナダは本年から識別番号を導入したところであり、これら以外の諸外国では識別番号の導入に向けて順次検討が行われているという状況を念頭に置いて、我が国の取組が特段遅れているとは考えていないと判断した旨を述べたものである。
三について
文部科学省においては、各都道府県教育委員会等を通じて、本年十月十八日に発表された「牛海綿状脳症(BSE)の疑いのない安全な食品の供給について」(厚生労働大臣談話)及び「牛海綿状脳症(BSE)の疑いのない安全な畜産物の供給について」(農林水産大臣談話)等を市町村教育委員会等に周知させるとともに、厚生労働省及び農林水産省の編集協力により作成された、児童生徒の保護者向けパンフレット「安全な国産牛肉をお届けします」を全国の小・中・特殊教育諸学校に配布するなど、牛海綿状脳症の疑いのない安全な牛肉を届ける仕組み等について情報提供している。
さらに、政府広報「安全な牛肉だけが市場や店頭に出される体制ができています」等を通じて、国民全体に対して牛海綿状脳症に関する正確な情報の提供に努めている。
四について
我が国の食品行政については、厚生労働省が飲食に起因する衛生上の危害の防止等の見地から、農林水産省が農畜産物、農畜産業専用物品等の生産、流通及び消費の増進、改善及び調整等の見地から、それぞれ各種の施策を講じてきているところである。今後とも、両省がそれぞれの所管の立場から連携の一層の強化に努めることにより、食品行政を的確に推進し、食品の安全を確保してまいりたい。
五について
答弁書の十二についてで「遺憾である」と述べたのは、本年九月十日に牛海綿状脳症であることが疑われる牛が発見されて以来、農林水産省と厚生労働省との連携が不十分であったこと等から、り患牛の処分に関する発表に際して十分な連絡対応が行われなかったこと、牛海綿状脳症の検査技術研修において用いられた牛の一次検査陽性結果に係る連絡対応が十分に行われなかったこと等により、食肉等の安全性に関して国民に不安を与えたことに対して、責任を感じている旨を述べたものである。
六について
牛海綿状脳症のヒトヘの感染機序については、いまだ十分に解明されておらず、我が国では、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の感染事例もないこと等から、現時点において責任問題について言及することは適当でない。
いずれにしても、今後、牛海綿状脳症にり患した牛による健康被害の防止に万全を期すことが重要であると考えており、食用牛の全頭検査の着実な実施並びに牛の脳、眼、せき髄及び回腸遠位部の確実な除去等により、牛の肉等の安全確保に最善を尽くしてまいりたい。
また、答弁書の十二についてで「風評等により大きな被害を受けた」と述べたのは、牛海綿状脳症に関する正確な情報や知識が消費者等に対して速やかに伝わらなかったことが要因となって、消費者が牛肉等を食すことに対して不安を抱く心理が拡大したことにより、牛肉等の消費が低迷した旨を述べたものである。政府としては、食肉等の安全性に対する国民の不安が解消されるよう厚生労働省、農林水産省等の関係省庁のホームページや消費者、農業団体等に対する説明会の開催等を通じて、迅速かつ正確な情報の提供に努めているところである。
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