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いわゆる国立の戦没者慰霊施設に関する質問主意書

衆議院 第154回 第70号検討してまいりたい ×2

提出者
自由党
提出日
2002年5月16日
内閣転送 2002年5月20日
答弁書受領日
2002年5月24日
提出から8日
答弁の項目数
12
質問 3,109字/答弁 1,316字

質問本文

昨年十二月、福田内閣官房長官の下に「追悼・平和祈念のための記念碑等施設の在り方を考える懇談会」(以下、「追悼懇」という)が、「何人もわだかまりなく戦没者等に追悼の誠を捧げ平和を祈念することのできる記念碑等国の施設の在り方について幅広く議論する」ことを目的として発足し、現在、施設の必要性の問題も含めた議論が為されているところ、この間、中国を訪問する与党幹部からは、中国政府の靖国神社参拝非難に対して、我が国政府においては靖国神社に代わる国立慰霊施設建設が決定されたかの如き弁解もしくは抗弁がたびたび為され、この弁解が流布されることにより「追悼懇」における議論の決着並びに政府・国会の決定さらに国民の理解を待たずして、靖国神社に代わるいわゆる国立慰霊施設建設が、その内容が定まらないまま国際約束の如く既定事実とされかねないと危惧されるので、国益上この事態を一刻も放置することはできず、左のとおり質問主意書を提出し、速やかなる回答を要請する。

一 「追悼懇」の発足に当たり、福田内閣官房長官が、「施設の必要性の問題についても議論していただきたい」と挨拶しているので、政府としては、当該施設の建設については、施設の必要性の問題も含めて議論を「追悼懇」にゆだねたものであり、将来出されるであろう「追悼懇」の結論を踏まえて政府の決定が導かれるものと理解するのが合理的であるから、「追悼懇」の結論なき現段階においては、政府としては、国立の記念碑等施設の必要性の有無及び建設の可否を含めて、全て未定であると思料されるがそのとおりか、回答されたし。

二 平成十四年三月十九日の参議院内閣委員会(以下、内閣委員会という)における福田内閣官房長官の答弁には、「記念碑など国の施設をつくりたい」、「こういうような国としての施設ができれば、それはそれとして戦後五十年の意義があるのではないか」等の箇所があり、これらの答弁は、新施設の建設を指向しているものと解釈し得るのであるが、政府はこの答弁に相当する如何なる決定をしたのか、回答されたい。

三 1 「追悼懇」の発足目的にある「何人もわだかまりなく戦没者等の追悼に誠を捧げ平和を祈念することのできる記念碑等国の施設の在り方についての幅広い議論」云々における「何人も」とはどの範囲の人か、日本人のみならず外国人も含むのか、回答されたい。

2 官邸のホームページで公開されている「追悼懇」第一回議事要旨によれば、「施設そのものについては、もしつくるとすれば、あくまでも国内向けだということを御了解願いたい」との発言が記載されているが、この発言は前後の文脈から判断して福田内閣官房長官の発言と推測されるが、そのとおりか回答されたい。仮に福田内閣官房長官の発言ではないとすれば、誰の発言か回答されたい。

3 内閣委員会における福田内閣官房長官の答弁は、「私の個人的に思いますところは、やはり何か外国から来られましても、それは別に外国人ということだけではありませんけれども、そういうような象徴的なものがあってもいいのではないかなというようには、私はかねがね思っておりました。今でも思っておりますけれども。」となっており、これは「追悼懇」における前記発言とは異なり、「何人も」のなかに外国人も含むという意味に解されるが、そのとおりか回答されたい。

4 我が国においては、いわゆる国立慰霊施設が、外国人が「わだかまりなく戦没者等に追悼の誠を捧げ平和を祈念することのできる」目的のために必要であると政府は考えているのか、回答されたい。

四 1 昭和六十年八月九日の「閣僚の靖国神社参拝問題に関する懇談会」の報告書及び同年八月十四日の藤波内閣官房長官談話では、「多くの日本人が靖国神社を戦没者追悼の中心的な施設と考えている」旨の認識が表明されており、さらに本年四月二十一日に内閣総理大臣が公表した「所感」においても、「国のために尊い犠牲となった方々に対する追悼の対象として、長きにわたって多くの国民の間で中心的な施設となっている靖国神社」という認識が表明されており、小泉総理大臣は、この認識に基づいて昨年八月十三日及び右同日靖国神社に参拝したと理解しているが、政府の靖国神社に対する認識は右のとおりか否か、回答されたい。認識を変更しているのであれば、その内容を回答されたい。

2 右同日、小泉総理大臣の「所感」において「将来にわたって、平和を守り、二度と悲惨な戦争を起こしてはならない」との決意をこめて靖国神社に参拝したと表明されているが、これはとりもなおさず、靖国神社が「戦没者追悼の中心的施設」であることに加えて「平和祈念の施設」であるとの認識の表明と解されるが、これが政府の認識か、回答されたい。認識が異なるならば、その内容を明らかにされたい。

五 昭和六十年八月十四日の藤波内閣官房長官談話及び同月二十日の衆議院内閣委員会における同官房長官の答弁において、内閣総理大臣並びに国務大臣が靖国神社に公式参拝することは憲法に違反するものではないとの政府見解が述べられているが、政府はこの公式見解を維持しているのか変更したのか、回答されたい。変更したとすれば、何時如何なる内容に変更したのか、回答されたい。

六 内閣委員会において、福田内閣官房長官は、「今確かに靖国神社は中心的な施設であると、追悼のね。そういうことでこれは皆が認めているところでありますけれども、しかしながらそこに総理大臣が行くことが法律違反だとか言われるような状況というのは、これはどういうものでしょうか。・・・現在そういう場所がない。そういう施設がないということはこれは事実だというふうに思っておりますので、そういう問題点があるという認識の上に立って、私自身としては何らかの方法を考えなければいけないということは常々思っているところでございます。」と、答弁している。

1 政府は、靖国神社に総理大臣が行くことが法律違反と認識しているのか、回答されたい。

2 政府及び総理大臣が、靖国神社を「戦没者追悼と平和祈念の施設」と認識し、官房長官も靖国神社を「戦没者追悼の中心的施設」との認識を表明しながら、何故、右官房長官の答弁にあるとおり、「現在そういう場所がない。そういう施設がないということはこれは事実だというふうに思える」のか、その理由を明らかにされたい。

3 次に、右官房長官答弁に言う「何らかの方法」とは、靖国神社参拝以外の方法なのか、また具体的にどういう方法なのか、明らかにされたい。

4 さらに、小泉総理大臣自身が、「国のために尊い犠牲となった方々に対する追悼」と「将来にわたり平和を守り二度と悲惨な戦争を起こしてはならないとの決意」をこめて靖国神社に参拝しているにもかかわらず、何故、さらに、「何らかの方法」を考えなければならないのか、その理由を明らかにされたい。

七 内閣委員会において、福田内閣官房長官は「靖国神社に代わる施設は考えていない」、「例えば靖国のみたまをお移しすることなど考えていない」と答弁しているが、政府としては靖国神社の祭神つまり戦没者は、新施設における追悼の対象に含まれないと考えているのか、回答されたい。

仮に、含まれるとすれば、靖国神社の祭神は国立新施設においても追悼の対象となり両施設は競合関係にたつことになるが、この場合に新施設が「靖国神社に代わる施設」にならない根拠を明らかにされたい。

仮に、含まれないとすれば、国立新施設においては、誰が追悼の対象となるのか、明らかにされたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

政府としては、御指摘のように、現時点においては、お尋ねの施設の建設についていかなる決定もしていない。

二について

政府としては、お尋ねの施設の建設についていかなる決定もしていない。

三の1について

御指摘の「何人も」とは、日本国民のみならず外国人も含む趣旨である。

三の2について

御指摘の発言は福田内閣官房長官のものである。

三の3について

平成十四年三月十九日の参議院内閣委員会における福田内閣官房長官の御指摘の答弁は、個人的な見解として、外国人も含め何人もわだかまりなく戦没者等に追悼の誠を捧げ平和を祈念することのできる国の施設があってもよいのではないかとの趣旨で述べたものである。なお、追悼・平和祈念のための記念碑等施設の在り方を考える懇談会(以下「懇談会」という。)第一回会合における福田内閣官房長官の御指摘の発言は、「この会合は、近隣諸国が初めにあるのか、初めに日本国ありきなのか。」という趣旨の出席者の問いに対する答えとして行われたものであり、何人もわだかまりなく戦没者等に追悼の誠を捧げ平和を祈念することのできる記念碑等の国の施設の在り方について、外交関係への配慮からではなく、飽くまでも我が国として自主的に検討するとの趣旨で述べたものである。

三の4について

現在、懇談会において、何人もわだかまりなく戦没者等に追悼の誠を捧げ平和を祈念することのできる記念碑等の国の施設の在り方について、そのような施設の必要性を含め議論されているところであり、政府としては懇談会の意見を踏まえて対応を検討してまいりたい。

四の1について

国民や遺族の方々の多くが靖国神社を戦没者追悼の中心的施設であるとしているとの政府の認識に変更はない。

四の2について

政府の靖国神社に関する認識は四の1についてで述べたとおりである。なお、平成十四年四月二十一日の小泉内閣総理大臣の「靖国神社参拝に関する所感」は、御指摘の部分を含め、小泉内閣総理大臣の個人の真情を吐露したものであると承知している。

五について

昭和六十年八月十四日の藤波内閣官房長官談話及び同月二十日の衆議院内閣委員会における同内閣官房長官の発言において示された政府の見解に変更はない。

六の1について

内閣総理大臣の靖国神社への参拝について、私人としてこれを行う場合を含め、一律に憲法に違反するとは考えていない。

六の2から4までについて

福田内閣官房長官は、かねてより国内外において内閣総理大臣の靖国神社への参拝をめぐって様々な議論が行われており、何人もわだかまりなく戦没者等に追悼の誠を捧げ平和を祈念することのできる国の施設は存在しないことから、これらに伴う種々の問題点を解決したいとの考えに基づき、個人的な見解として、御指摘の発言をしたものであって、発言に当たり、具体的な方法を念頭においていたわけではない。

七について

現在、懇談会において、何人もわだかまりなく戦没者等に追悼の誠を捧げ平和を祈念することのできる記念碑等の国の施設の在り方について、追悼の対象等を含め議論されているところであり、政府としては懇談会の意見を踏まえて対応を検討してまいりたい。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

検討してまいりたい ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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