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戦後に伴う諸問題に関する質問主意書

衆議院 第164回 第33号お答えすることは困難 ×3承知していない ×1

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2006年2月1日
内閣転送 2006年2月6日
答弁書受領日
2006年2月10日
提出から9日
答弁の項目数
12
質問 2,994字/答弁 4,487字

質問本文

第二次世界大戦をどのようにとらえるかという問題は、現代を生きる我々の精神構造に大きく影響するものであり、また、第二次世界大戦に起因する諸問題への対応は、我々の生き方を投影したものということができる。そのような中、戦後に政府が講じた様々な施策について種々の不平等や不都合な点を見つけることができる。

したがって、次の事項について質問する。

一 総論

政府は、先の戦争の文脈で「遺族」という言葉を使う場合(例:「衆議院議員野田佳彦君提出「戦犯」に対する認識と内閣総理大臣の靖国神社参拝に関する質問に対する答弁書(平成十七年十月二十五日内閣衆質一六三第二一号)」の一の6について)、いかなる者を指しているのか(「個別具体的な文脈に応じて意味が異なる」といった内容の答弁は控えられたい。)。

二 日本遺族会

日本遺族会は、「財団法人日本遺族会に対する国有財産の無償貸付に関する法律」に基づき、国有財産たる土地及び建物の貸付を受けた上で、九段会館を経営していると承知している。

�@ 同貸付の期限はいつまでか。

�A (仮に本貸付が期限を定めないものであると仮定する場合、)国有財産をそのようなかたちで無期限、無償で貸し付けている例が他にあるか。

�B 「財団法人日本遺族会に対する国有財産の無償貸付に関する法律」第二条は、貸与された建物及び土地は基本的に遺族の福祉に資する目的で使用されることが想定されている。しかし、現在、九段会館では、主として一般国民を対象としているものと思われるレストラン、ホテル、結婚式場等が運営されている。これらの施設の存在は同法第二条のいずれの規定で許容されるのか。また、同法との関係で、九段会館の有する諸施設の従業員の中に、同法で規定する「遺族」はどの程度いるのか。更には、これらの施設を、同法で規定する「遺族」が利用するのは利用者全体に比して何パーセントか(記録がない場合、概算でも差し支えないのでどの程度「遺族」が利用しているのかを明示願いたい。)。

�C 同法では、「遺族」とは「もとの軍人軍属で公務により死亡した者の遺族」を指すものとされている。ここでいう「遺族」とはどのような範囲の者を指すのか。一で回答のあった「遺族」とは乖離があるのか。更に、九段会館は、同法で規定する「遺族」以外の者は対象としていない施設ということを意味するのか。

�D 政府から日本遺族会にはどのような補助金が出ているのか、個別具体的に説明願いたい。また、それらの補助金を同会に支出する根拠如何。

�E 日本遺族会が運営する昭和館はその目的が「戦没者遺族等が経験した戦中・戦後の国民生活上の労苦を後世に伝える施設」とされているが、同様の目的を有する施設に政府が補助金を支出している例が他にあるか。また、昭和館を実際に訪問したところ、その展示物は多くの戦没者遺族に限定されることなく、当時の国民一般が経験した生活に関するものであった。このような性質の展示等は、本来、特定の者を対象とする団体に国が補助金を出すかたちではなく、国が直接行うべきものであると考えるが政府の見解如何。

三 恩給法、戦傷病者戦没者遺族等援護法、戦傷病者特別援護法に基づく給付等、戦傷病者及び戦没者並びにその遺族を対象とした各種給付(なお、以下においては「用語が不明確」といった理由で回答を控えることなく、文脈から理解できる範囲で最大限の回答をお願いしたい。)

�@ これらの給付(前記に具体的に示した三つの措置以外にも戦傷病者及び戦没者並びにその遺族を対象とした給付がある場合、それらを含む。以下同じ。)の対象となる者はそれぞれどのような者か。具体的に提示願いたい。

�A これらの給付について、それぞれ全体の平均給付額を提示されたい。また、これらの給付の対象とならない一般の国民が通常受給する基礎年金の平均給付額も併せ提示されたい。また、一般的に、これらの給付の対象となる者が政府から受ける諸給付と、これらの給付の対象でない同世代の一般の国民が政府から受ける諸給付を比較した場合、前者が政府から受ける給付の額の方が高いという理解で差し支えないか。一般論として回答が困難な場合、以下の例において給付の大まかな水準を比較されたい(下記の例が十分に具体的でない、現実に存在しない、又は既に該当し得る者が死亡している等の理由で回答を控えることは避け、概数で差し支えないので具体的な数字を回答されたい。)。

(ア) 軍人として十五年勤務し、終戦時の階級が大将だった者で、現在九十歳の男性が受ける普通恩給(その他の各種恩給は受けないものとする。)

(イ) 軍人として十五年勤務し、終戦時の階級が二等兵だった者で、現在九十歳の男性が受ける普通恩給(その他の各種恩給は受けないものとする。)

(ウ) 軍属として十五年勤務した者で、現在九十歳の男性が受ける諸給付

(エ) 軍人、軍属でなく、恩給法、戦傷病者戦没者遺族等援護法、戦傷病者特別援護法等、戦傷病者及び戦没者遺族への各種給付の対象とならない平均的な九十歳の男性が受ける基礎年金

�B これらの給付の受給者となるための要件は何か。特に、(基礎年金のように)制度への加入等に伴う何らかの納付が受給のために必要か否かという視点から、それぞれ具体的に示されたい。(制度への加入等に伴う何らかの納付が受給の要件とならないものがある場合、)政府から何らかの金銭を受給するために納付を行っていない者が、納付を行った者(空襲で亡くなった民間人の遺族が受給される年金が念頭にある。)よりも多い、又は同水準の給付を受けることができることは平等とは言えないのではないか(なお、回答に際しては「恩給、援護法等と年金は制度設計が違うので一概に比較できない。」といった回答は避け、大所高所の観点から政治的な判断を伺いたい。)。更には、政府側からは恩給制度は旧憲法下での軍人恩給制度を事実上引き継いだため、軍人等を優遇する(不平等な)制度が残存しているとの説明を受けているが、現在の恩給法は新憲法下で制定されたものであり、そもそも旧憲法下での軍人恩給を引き継いだこと自体、正当性を有さないのではないか(仮に戦前と戦後の恩給制度のあり方に大きな差異が認められる場合、当該差異について説明されたい。)。

�C 恩給、戦傷病者戦没者遺族等援護法、戦傷病者特別援護法等、戦傷病者及び戦没者遺族への各種給付措置については、対象者の戦前、戦中の肩書き等によって給付額に差があるか。ある場合、その根拠及び額の算定根拠はどのようなものか。

�D 政府は、これらの給付の対象者及び原子爆弾被爆者に対する援護の対象となっている者以外の戦傷病者及び戦没者並びにその遺族は、政府による戦傷病者及び戦没者遺族への各種給付措置の対象でないと理解して差し支えないか(回答は肯定、否定のいずれかで簡潔に述べられたい。)。また、それらの者は、第二次世界大戦中に被った被害、損害等に対して何らかの給付を政府から受けることができるか。

�E 恩給について、過去には受給者の数が減っているにもかかわらず受給額が増加している時期がある(昭和四十四年頃から昭和五十八年頃まで)。このような現象の背景にはどのようなことがあるのか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

「遺族」とは、一般に、死亡した者の配偶者、子、父母その他の親族等を意味すると承知しており、御指摘の文脈でその言葉を用いる場合についても一般的には同様の者を指すと思われるが、具体的な遺族の範囲については、その言葉が用いられる文脈や法律によって異なるところである。

例えば、恩給法(大正十二年法律第四十八号)に基づく扶助料を支給する遺族については、同法第七十三条に定められているが、その範囲は、戦傷病者戦没者遺族等援護法(昭和二十七年法律第百二十七号)第二十三条の規定により遺族年金又は遺族給与金を支給する遺族の範囲とは異なっている。

二の�@及び�Aについて

財団法人日本遺族会に対する国有財産の無償貸付に関する法律(昭和二十八年法律第二百号。以下「法」という。)第一条に基づき国と財団法人日本遺族会(以下「遺族会」という。)が締結した無償貸付契約において、無償貸付けの期限は平成二十二年六月五日となっている。

二の�Bについて

御指摘の施設については、法第二条に基づき、元の軍人軍属で公務により死亡した者の遺族に無料又は低額な料金で利用させるための施設であるが、法制定時の昭和二十八年八月七日、参議院厚生委員会において当時の厚生省社会局長が「遺族の利用だけではなくて、一般の人にも貸付けて、それからも収入を得るというようなことも実は考えておるわけでございます。」と答弁しており、施設設置の目的に反しない範囲で当該遺族以外の者にも利用させることは必ずしも否定されるものではないと考えている。

御指摘の施設の従業員に占める法に規定する遺族の数及び当該施設の利用者に占める法に規定する遺族の割合については、把握しておらず、お答えすることは困難である。

二の�Cについて

一についてで述べたように、具体的な遺族の範囲はその言葉が用いられる文脈や法律によって異なるところであるが、法に規定する遺族の範囲について法に特に規定はなく、元の軍人軍属で公務により死亡した者の配偶者、子、父母その他の親族等をいうものと考えている。

また、御指摘の施設は、元の軍人軍属で公務により死亡した者の遺族の福祉を目的とするものであるが、その利用者については二の�Bについてで述べたように遺族以外の者に利用させることは必ずしも否定されるものではないと考えている。

二の�Dについて

平成十六年度決算においては、遺族会に対して、遺骨収集及び慰霊巡拝等事業並びに戦没者遺児による慰霊友好親善事業に関する遺骨収集等派遣費補助金を、約二億千二百万円支出している。遺族会は全国の戦没者遺族の代表的団体であり、遺骨収集事業等に知識、経験を有することから、国が実施する遺骨収集事業等に日本遺族会が参加するに当たり、参加者の旅費等に関する補助金を支出しているものである。

二の�Eについて

御指摘の「同様の目的を有する施設」が何を指すのか必ずしも明らかでないが、昭和館は、戦没者遺児を始めとする戦没者遺族の経験した戦中・戦後の国民生活上の労苦に係る歴史的資料及び歴史的情報を収集し、保存することにより、後世代にその労苦を知る機会を提供することを目的とした施設であり、同一の目的を有する他の施設に補助をしていることはない。

なお、昭和館の運営については、昭和館が必要としている資料等を遺族会の会員である遺族から収集できることなどから全国の戦没者遺族の代表的団体である遺族会に運営を委託しているところである。

三の�@について

恩給法に基づく恩給(以下「恩給」という。)の支給対象となる者は、一定の要件を満たす同法第十九条に規定する公務員及び恩給法の一部を改正する法律(昭和二十八年法律第百五十五号)附則第十条第一項に規定する旧軍人等である。戦傷病者戦没者遺族等援護法に基づく年金等の支給対象となる者は、一定の要件を満たす同法第二条第一項に規定する軍人軍属等である。戦没者等の妻に対する特別給付金支給法(昭和三十八年法律第六十一号)に基づく特別給付金の支給対象となる者は、一定の要件を満たす同法第二条に規定する戦没者等の妻等である。戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法(昭和四十年法律第百号)に基づく特別弔慰金の支給対象となる者は、一定の要件を満たす同法第二条第一項に規定する戦没者等の遺族等である。戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法(昭和四十一年法律第百九号)に基づく特別給付金の支給対象となる者は、一定の要件を満たす同法第三条第一項に規定する戦傷病者等の妻等である。戦没者の父母等に対する特別給付金支給法(昭和四十二年法律第五十七号)に基づく特別給付金の支給対象となる者は、一定の要件を満たす同法第二条第一項に規定する戦没者の父母等である。戦傷病者特別援護法(昭和三十八年法律第百六十八号)に基づく療養給付等(以下「療養給付等」という。)の支給対象となる者は、一定の要件を満たす同法第二条第一項に規定する戦傷病者等である。

三の�Aについて

恩給の受給者一人当たりの平成十七年三月末における一年当たりの平均受給額は約八十四万二千円、戦傷病者戦没者遺族等援護法に基づく障害年金、遺族年金及び遺族給与金の受給者一人当たりの同月末における一年当たりの平均受給額は約百八十一万四千円、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法に基づく特別給付金の受給者一人当たりの同月末における一年当たりの平均受給額は約十九万八千円、戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法に基づく特別給付金の受給者一人当たりの同月末における一年当たりの平均受給額は約五万二千円、戦没者の父母等に対する特別給付金支給法に基づく特別給付金の受給者一人当たりの同月末における一年当たりの平均受給額は二十万円となっている。戦傷病者戦没者遺族等援護法に基づく弔慰金及び戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法に基づく特別弔慰金については、これらの受給者一人当たりの一年当たりの受給額はそれぞれ約七千円、四万円となっている。

また、国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)に基づく老齢基礎年金の受給権者一人当たりの平成十七年三月末における平均年金額は、約六十六万二千円となっている。

お尋ねの給付額の比較については、一般的にお答えすることは困難であるが、御指摘の例における平成十七年三月末における一年当たりの受給額については、次のとおりである。

御指摘の(ア)に掲げられているケースについて、一定の仮定の下に試算した結果は、約三百万千円となる。

御指摘の(イ)に掲げられているケースについて、一定の仮定の下に試算した結果は、約百十三万三千円となる。

御指摘の(ウ)に掲げられているケースについて、例えば、当該男性が戦争公務等により障害の状態となった場合には戦傷病者戦没者遺族等援護法に基づく障害年金が支給されるが、その場合の当該障害年金の受給者一人当たりの平均受給額は、約二百二十一万九千円である。

御指摘の(エ)に掲げられているケースについて、国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号)附則第三十二条の規定によりなお従前の例によることとされた老齢年金の受給権者一人当たりの平均年金額は、九十歳以上の男子では、約四十四万円である。

三の�Bについて

恩給は、軍人等が相当年限忠実に勤務して退職した場合、公務による傷病のため退職した場合、又は公務のために死亡した場合に給され、また、戦傷病者戦没者遺族等援護法に基づく年金等、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法に基づく特別給付金、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法に基づく特別弔慰金、戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法に基づく特別給付金及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法に基づく特別給付金(以下「援護年金等」という。)並びに療養給付等は、軍属等が戦争公務等により障害の状態等となり、又は死亡した場合に、これらの戦傷病者、戦没者遺族等に対し支給されるものであるが、それらの支給条件に保険料等の納付に係るものはない。

恩給、援護年金等及び療養給付等は、国と雇用関係又は雇用類似の関係にあった者が戦争公務等により障害の状態等となり、又は死亡した場合に、国が使用者としての立場から支給するもの等である。一方、国民年金制度等の公的年金制度は、国民全体が連帯し、保険料を拠出し合い、その納付実績に応じて年金額を給付する社会保険方式による年金制度であり、両制度は、制度の趣旨や内容が異なるものであることから、それらの額を単純に比較することは適当ではないと考えている。

旧軍人恩給については、恩給法の特例に関する件の措置に関する法律(昭和二十七年法律第二百五号)により設置された恩給法特例審議会の昭和二十七年十一月の建議において、「国家公務員中、特に軍人にあっては、厳格な服務紀律にしばられ、転職の自由なく、しかも、在職中の給与は、単に在職中の生活を維持する程度のものにとどまり、永年公務に従事して老朽となり、また、公務に起因して傷病にかかり、あるいは死亡し、かくて、経済的獲得能力を失っても、在職中の給与は、これを十分補うものとはいい得ない。よって、国家は使用者としての立場から、かかる能力の喪失に対しては、これを十分補うべきであり、恩給制度の本旨は、実に、ここにあるものと思われる。」とされ、「すみやかに相当の恩給を給すべき」とされたことを踏まえ、恩給法の一部を改正する法律に基づき、かつて同じく恩給を給されていた公務員と、恩給の取扱いの点において、差別しないことを目途としつつ、国家財政の現状を考慮し、予算の許す範囲内において、恩給を給することとしたものであり、正当性を有さないとの指摘は当たらない。

三の�Cについて

旧軍人恩給は、恩給法の一部を改正する法律附則第十三条等の規定に基づき、退職時の階級に応じた俸給年額を基に計算することとなっているが、援護年金等及び療養給付等については、軍人の階級等に基づき支給額を計算することにはなっていない。

三の�Dについて

恩給、援護年金等及び療養給付等は、三の�@についてでお答えした軍人、戦傷病者、戦没者遺族等を対象として支給されるものであり、その他の者には支給されない。お尋ねの「これらの給付の対象者及び原子爆弾被爆者に対する援護の対象となっている者以外の戦傷病者及び戦没者並びにその遺族」及び「第二次世界大戦中に被った被害、損害等」については、具体的に何を指すのかが明らかでないことから、お答えすることは困難である。

三の�Eについて

過去において、受給者数が減少しているにもかかわらず恩給費が増加した背景としては、当時恩給年額の改定の基準となっていた公務員給与改定率等が高かったこと、最低保障額の引上げが行われたこと、寡婦加算制度の導入等の制度改正が行われたこと、若年停止となっていた年齢層の者が停止がなくなる年齢に到達したこと等がある。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×3承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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