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東京電力原子力発電所、その他の原子力発電所におけるトラブル隠し等不祥事に関する質問主意書
衆議院 第155回 第3号承知していない ×1個別の事案 ×2
質問本文
一 最近の原子力発電所事故の内容等について質問する。
1 東京電力、中部電力、東北電力、四国電力、日本原電などの原子力発電所(原発)それぞれについて事故の内容、その修理、並びに記録改ざん問題を時系列的に、その事実関係と対応、及び関係官庁への報告の有無、それに対する関係官庁の指導と対応など、その調査過程と経緯を詳細、かつ具体的に報告されたい。
2 トラブル発覚の経緯を「内部申告奨励制度」との関連も含めて詳細に報告されたい。
さらに内閣府の国民生活審議会は「公益通報者保護制度」を法制化するよう提言しているが、この提言に対する政府の見解を問う。
二 東京電力原子力発電所のトラブル隠しに対する国の対応について質問する。
東京電力の原子力発電所トラブル隠しで調査にのり出した国自らが、疑惑を指摘したアメリカのゼネラル・エレクトリック社の元社員の氏名を当事者の東京電力に伝えたということは「官民もたれ合い」の構図そのものであり、本来なら国が告発者たるゼネラル・エレクトリック社元社員にまず直接、その詳細を聞くのが本筋であるべきである。
それを行わないうちに国側が東京電力に問い合わせれば、証拠隠滅の恐れがあるのは当然ではないかと思われる。政府の見解を問う。
三 原子力発電所被曝死亡者について質問する。
原子力発電所始動以来、今日まで、白血病など被曝により死亡した各原発社員、及び下請労働者の氏名、死亡時の年令、住所、関係作業の内容(労災認定並びに非認定、及び労災申請者以外の分も含む)を個別かつ詳細に分りやすく明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねの「最近の原子力発電所の事故」は、米国ゼネラル・エレクトリック社(以下「GE社」という。)の関係者(以下「申告者」という。)から東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)が原子炉の修理記録の改ざん等を行っている旨の申告を受けたことを契機として実施した調査の結果、東京電力が過去に実施した自主点検(原子炉設置者等が行う原子炉の安全性に係る任意の検査をいう。以下同じ。)について作業記録の改ざん等の疑いがあることが明らかになった二十九件の事案(以下「自主点検記録等関係事案」という。)、自主点検記録等関係事案を踏まえ、原子炉設置者等十六社を対象に現在実施している調査の過程において、東北電力株式会社(以下「東北電力」という。)等から自主点検で発見した原子炉の再循環系配管等のひび割れ等について国に対する報告を行っていなかった旨の報告を受けた十二件の事案(以下「再循環系配管等関係事案」という。)及び平成三年及び平成四年の東京電力に対する定期検査(電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号。以下「電事法」という。)第五十四条に基づく定期検査をいう。以下同じ。)の一部として行われた原子炉格納容器漏えい率検査における不正に係る事案(以下「原子炉格納容器漏えい率検査関係事案」という。)を指すものと考えるが、これらの事案に係る事実経過等は以下のとおりである。
1 自主点検記録等関係事案に係る事実経過等は、以下のとおりである。
資源エネルギー庁においては、平成十二年七月三日に申告者から東京電力福島第一原子力発電所一号機において平成元年に実施された蒸気乾燥器の点検作業において修理記録の改ざん等が行われた旨の申告を、また、平成十二年十一月十三日に同一号機において平成六年に実施された定期検査時にGE社社員が原子炉の炉内で落とした工具がそのまま放置された旨の申告を受けたことから、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号。以下「原子炉等規制法」という。)第六十六条の二の規定に基づく申告制度にのっとり、東京電力からの事情聴取等の調査を開始した。当該調査については、平成十三年一月六日の原子力安全・保安院(以下「保安院」という。)の設置に伴い保安院が継承したが、事実関係の解明が進まず、同年十月十五日、GE社の子会社であり、懸案の自主点検に係る作業の一部を担当していたゼネラル・エレクトリック・インターナショナル・インク日本支社(以下「GEII日本支社」という。)に対して協力を依頼した。その結果、平成十四年三月十九日、GE社及びGEII日本支社から保安院に対し、申告に係る二件の事案以外にも東京電力により自主点検の作業記録の改ざん等が行われた事案が存在する可能性がある旨の連絡があり、この情報を基に保安院が東京電力に対して追加調査を指示したところ、同年八月七日、東京電力から保安院に対し、計二十八件の事案について不正が行われた可能性がある旨の報告があった。保安院は、東京電力に対し更なる調査の実施を指示したところ、東京電力から過去に行った自主点検に係る二十九件の事案について不正が行われた可能性があるとの最終的な報告があったため、同年八月二十九日、この報告の内容を公表した。さらに、保安院がこれらの事案について引き続き実施した調査の結果、同年十月一日、二十九件の事案のうち十六件の事案について、原子炉等の安全性に重大な影響を及ぼすものではないが、電事法第三十九条の規定による事業用電気工作物の技術基準への適合義務(以下「技術基準適合義務」という。)に違反する可能性があるなどの問題があったとの中間報告を公表したところである。これら二十九件の個別の事案ごとの概要等は、別表一のとおりである。
以上の調査結果を踏まえ、同年十月一日、経済産業大臣は、東京電力に対し厳重注意を行い、再発防止策を講ずるよう求めるとともに、今後、東京電力に対する定期検査の内容をより厳格なものとすること等を通告した。
2 再循環系配管等関係事案に係る事実経過等は、以下のとおりである。
自主点検記録等関係事案を踏まえ、平成十四年八月三十日、保安院は原子炉設置者等十六社に対し、過去における自主点検が適切に実施されていたかについて調査を行い、不正のおそれがある事案を発見した場合には直ちに保安院に報告することなどを指示したところ、同年九月二十日、中部電力株式会社(以下「中部電力」という。)、東北電力及び東京電力から、浜岡原子力発電所等合計十一基の原子炉において過去の自主点検の際に再循環系配管にひび割れ又はその兆候が発見されていた旨の報告が、また、同年九月二十五日、日本原子力発電株式会社(以下「日本原電」という。)から過去の自主点検の際に敦賀発電所一号機のシュラウドにひび割れの兆候が発見されていた旨の報告があった。これらの報告を受けて保安院において立入検査等による調査を実施した結果、同年十月一日、これらの事案については、明白な不正は無く、安全性評価もおおむね適切に実施されていたが、国に報告されることが望ましかった旨の中間報告を公表した。引き続き保安院において関係資料の内容の詳細な分析等を行っているが、中間報告時点における個別の事案ごとの概要は、別表二のとおりである。
3 原子炉格納容器漏えい率検査関係事案に係る事実経過等は、以下のとおりである。
平成十四年九月二十五日に、東京電力福島第一原子力発電所で平成四年に実施された定期検査における原子炉格納容器漏えい率検査について東京電力が不正を働いていた旨の報道があったことを受け、電事法第百六条第一項の規定に基づき、保安院から東京電力に対して、平成十四年九月三十日、福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所のすべての原子炉について過去に実施した原子炉格納容器漏えい率検査に関する報告を、また、同年十月二十三日、原子炉格納容器漏えい率検査に関する進ちょく状況について報告を求めたところ、同年十月二十五日、福島第一原子力発電所一号機において平成三年及び平成四年に実施された定期検査における原子炉格納容器漏えい率検査に際し、圧縮された空気を不正に原子炉格納容器内へ注入する等により、原子炉格納容器の漏えい率が実際よりも低い数値となるよう不正な操作を行った旨の報告を受けた。
この報告を踏まえ、保安院においては、東京電力に対し、不正な行為が行われた原子炉について国の厳格な監視の下、原子炉格納容器漏えい率検査を早急に実施し、また、その他の東京電力の原子炉についても順次同様の検査を実施するよう指示したところである。東京電力のこのような行為は、原子炉等規制法第三十七条第四項に規定する保安規定遵守義務に違反するものであり、原子炉等規制法第三十三条第二項の規定に基づき所要の手続を経た上で福島第一原子力発電所一号機の一年間の運転停止を命ずることとしている。
また、お尋ねの「公益通報者保護制度」については、国民生活審議会消費者政策部会において、平成十四年四月、消費者利益の擁護の観点から、同制度の早期実現等も視野に入れて検討に着手すべき旨の提言があり、現在、制度の在り方等について審議を行っているところであり、その結果を踏まえ、通報者の保護に関して必要な措置を講ずる方針である。
二について
申告者からの申告に係る調査の過程においては、申告者の氏名に関する情報等調査の指示に必ずしも必要ではない情報を資源エネルギー庁が東京電力に対して示したこと、証拠隠滅の可能性等を考えれば初期の段階において申告者を訪問して調査を行うなど東京電力以外の者に対してまず調査を行うべきであったことなど適切とはいえない点があったと考えている。当時の資源エネルギー庁及び保安院の対応に反省すべき点があったことを踏まえ、経済産業省においては、申告に係る調査手順を改善するとともに、関係する職員に対する処分を行った。
三について
原子力発電施設での作業に従事していた電力会社等の従業員の死亡に関して、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)に基づく遺族補償給付を支給するに当たり、放射線に係る疾病を認定した事例は現在までに三件あり、これらに係る従業員が主として行っていた作業は、それぞれ原子炉一次系の配管の保守作業、放射線を計測する装置の保守作業及び原子炉建屋内の配管等の溶接作業である。当該従業員の氏名、死亡時の年齢及び住所については、個人に関する情報であるため答弁を差し控えたい。また、同法に基づく遺族補償給付の請求がされていない場合における、原子力発電施設での作業に従事していた電力会社等の従業員であって被ばくが原因で死亡した者については把握していない。
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