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国民の視点にたった良質かつ安全な医療の推進のために国立大学病院薬剤部の組織体制の充実・強化に関する質問主意書

衆議院 第155回 第6号

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2002年11月1日
内閣転送 2002年11月6日
答弁書受領日
2002年11月26日
提出から25日
答弁の項目数
5
質問 1,499字/答弁 1,723字

質問本文

近年、病院において医療事故が多発し、特に、薬剤に係る事故が大きなウェイトを占めていることから、病院における薬剤の取扱い、管理の強化を図ることが極めて重要な課題となっている。このため全国の病院薬剤師は調剤室だけに留まることなく、薬剤師の専門性を発揮して薬剤の取扱い、管理、服薬指導業務等の徹底を期すとともに、病院薬剤部の一層の体制整備、強化を図るよう努力しているところである。加えて、先の薬事法改正により、医薬品の市販後調査の充実等が行われたが、病院薬剤部、特に国立大学病院薬剤部は市販後調査や新薬開発における臨床試験の実施に関しても益々重要な役割が求められている。

また、我が国の薬剤師法では、薬剤師は医師の処方を確認し、疑わしい場合は処方医に疑義照会を行い、処方変更を求める等、薬剤師が医師の監督下ではなく、独立した立場を保つことによって行われるべきことを求めている。そして、病院内においては、薬剤部は、組織上明確に独立して設置され、薬剤師が医師とは独立した立場でこれらの業務を行うこととされている。

ところが、文部科学省は、本年四月、突然、国立学校設置法施行規則を改正、これまで国立大学附属病院に薬剤部および薬剤部長を置くことを規定していた第十八条を削除し、「薬剤、臨床検査、手術又は放射線診療等に関する業務を集中して行うため、部を置く」と、あたかも薬剤部を廃止し、他の部署と合一することを促進するかのような条文に改変してしまった。

今回の施行規則の改正によって、薬剤部体制を強化することが困難なばかりか現状を維持することも難しい状況に陥りつつある。今回の措置は、単に国立大学病院に止まらず、全国の病院に大きな影響を与えることは必至であり、日本の医療の安全を危うくするものであると言わざるを得ない。

従って、次の事項について質問する。

一 文部科学省は医薬分業の意義および精神をどのように考えているのか。国民の医療の安全を確保するためには「医」と「薬」がそれぞれの役割を果たすことが重要であり、医療機関においても医師に対してのチェック機能を薬剤師が果たせる独立した組織としての薬剤部の存在が不可欠である。このためにも、薬剤部長は薬剤師をもって充てることが必須となる。文部科学省の考える病院組織図上の薬剤部の位置づけおよび薬剤部長についての見解を明らかにされたい。

二 今回の国立学校設置法施行規則改正の真の目的は何か。明らかに平成十四年三月に出された「国立大学附属病院の医療提供機能強化を目指したマネジメント改革について(提言)」を支援するものと考えられるが、この点についての見解を明らかにされたい。

三 平成十四年三月に出された「国立大学附属病院の医療提供機能強化を目指したマネジメント改革について(提言)」の作成過程における文部科学省の関与について、原案作成の有無、検討会およびワーキンググループ会議への文部科学省からの出席者名と回数、具体的な発言内容について、時系列で明らかにされたい。

四 今回、薬剤部長が教授職化されたことを受けて、実状の合うように整備したとするならば、平成九年薬剤部長が教授職化された時点で、何故旧第十八条の手直しをしなかったのか。また、旧第十八条は医学部附属病院のみを対象にしておらず、歯学部附属病院、附属研究施設も対象であり、これらについては未だに教授職化されていない。この点について文部科学省の見解を明らかにされたい。

五 今回削除された薬剤部を規定する旧第十八条を教授職化の実状に合わせて修正の上、復活させる意思の有無について明らかにされたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

医薬分業については、文部科学省としても、国民の医療の安全を確保する上で重要であると認識しており、国立大学附属病院において、基本的な組織として薬剤に関する業務を行う部を置き、当該業務を適切に行うための資質を有する者をその長に充てることが必要であると考える。

二について

平成十四年四月八日に国立学校設置法施行規則(昭和三十九年文部省令第十一号。以下「規則」という。)における国立大学附属病院に係る規定の改正を行った。これは、国立学校設置法の一部を改正する法律(平成十三年法律第七十六号)において国立大学の組織編制の弾力化が図られたことを踏まえ、各国立大学附属病院に設置する診療科や臨床検査等に関する部等を文部科学大臣が指定するとされていたことを廃止するとともに、国立大学附属病院の分院がすべて廃止されたことに伴い関係条文の整理を行い、併せて、学生等に対する臨床薬学分野の指導など医療に直結した教育研究体制の強化が必要となってきていることから国立大学附属病院の多数を占める医学部の附属病院のすべての薬剤部長に教授が充てられている実態を踏まえ、「薬剤部に薬剤部長を置き、技術職員をもつて充てる。ただし、必要がある場合には、その大学の教授又は助教授をもつて充てることができる」としていた規定を見直すためのものである。この改正は、薬剤に関する部の廃止・統合や病院内における位置付けの変更を目的としたものではなく、また、「国立大学附属病院の医療提供機能強化を目指したマネジメント改革について(提言)」(平成十四年三月国立大学医学部附属病院長会議常置委員会。以下「提言」という。)の支援を目的としたものではない。

三について

提言の取りまとめに当たった国立大学医学部附属病院長会議常置委員会・組織の在り方問題小委員会の要請に基づき、オブザーバーとして、文部科学省高等教育局医学教育課長、同課課長補佐、同課大学病院 指導室長、同室専門官等が、同小委員会作業部会(平成十三年八月七日、十一月二十六日及び平成十四年二月二十六日の計三回開催。以下「作業部会」という。)及び作業部会サブワーキンググループ会議(平成十三年八月三十一日、九月二十八日、十月十九日、十一月十六日、十二月十二日及び平成十四年一月十一日の計六回開催)にそれぞれ複数回出席し、求めに応じて事実の説明や意見の陳述などを行った。文部科学省は、この過程において、作業部会座長の依頼により、各委員から提出された意見の整理等の事務的な作業を行ったが、提言の原案の作成は行っていない。

なお、作業部会及び作業部会サブワーキンググループ会議の各会合ごとの文部科学省からの出席者名及び具体的な発言内容については、記録が存在しないため、お答えできない。

四について

平成十四年四月八日の規則の改正前においても、改正前の規則第十八条第二項ただし書により、薬剤部の部長に教授を充てることができたものであるが、今般、国立大学附属病院に係る規定全体の見直しを行う必要があったため、二についてで述べたとおり改正したものである。

また、国立大学歯学部の附属病院及び国立大学附置研究所の附属病院においては技術職員が薬剤部長として充てられているが、これらの附属病院は、五十五の国立大学附属病院のうち十三病院を占めるにすぎないところである。なお、改正後の規則第十七条第二項において薬剤部の部長に技術職員を充てることもできるとされている。

五について

平成十四年四月八日の規則の改正の趣旨は、二についてで述べたとおりであり、再度改正する必要はないと考える。

なお、この国立大学附属病院の薬剤部に関する規定の改正について関係者に疑義が生じたことから、その趣旨について、本年五月三十一日の国公立大学薬学部長会議、六月十日の医学系出身国立大学長会議、六月二十日の国立大学医学部附属病院長会議などにおいて周知を図るとともに、八月十四日付けで各国立大学附属病院長等にあてて規則の改正の趣旨等を説明する通知を発し、同通知について社団法人日本病院薬剤師会及び社団法人日本薬剤師会に連絡するなど、関係者に対する周知徹底を図ったところである。

衆議院の原文

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