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国土交通省中部地方整備局管内の一級河川における河川法第十六条及び第十六条の二に係る河川整備基本方針・河川整備計画策定状況と流域委員会等の設置に関する質問主意書

衆議院 第159回 第129号

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2004年6月1日
内閣転送 2004年6月2日
答弁書受領日
2004年8月24日
提出から84日
答弁の項目数
22
質問 3,498字/答弁 3,357字

質問本文

一九九七年の河川法改正以来、すでに七年を経過しようとしているが、多くの一級河川について、未だ河川整備基本方針・河川整備計画が策定されていない。中部地方整備局管内の一級河川についても同様である。

一九九七年河川法改正の主要な点は、河川管理の目的に河川環境の整備・保全を導入したこと、及び河川整備計画に住民参加の途を開いたことであるとされている。

昨今、特に河川法第十六条の二を背景として設置されている「流域委員会」を巡って全国的に様々な動きがあり(淀川水系流域委員会のように概ね肯定的評価の大きいもの、逆に肱川流域委員会のように地元住民のみならず、日弁連からも批判されているもの等)、その多くがダム建設の是非と関連して問題となっている。

「河川整備計画の策定手続を定める第十六条の二に、『河川管理者は、河川整備計画の案を作成しようとする場合において必要があると認めるときは、河川に関し学識経験を有する者の意見を聴かなければならない』(第三項)という規定、さらに、『河川管理者は、前項に規定する場合において必要があると認めるときは、公聴会の開催等関係住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない』(同第四項)という規定が新設されたのである。

以上の改正に至る経過に鑑みると、この法改正が意味するところは、河川をめぐる諸施策の案を作成する前の段階で、何よりもまず河川環境の保全を重視するとともに、徹底した情報公開と十分な住民参加を実現しなければならないという点にあったというべきである。その意味で第四項の『必要』性の判断にあたっては制限的であってはならず、広く住民参加を求めることを原則とすべきである。すなわち、第三項のなかに第四項の趣旨を組み入れて、広範な住民が参加する流域委員会の設置がなされることが同法の趣旨に最も沿うところである。」(二〇〇四年一月十六日付日本弁護士連合会「肱川流域委員会の委員の追加と十分な審議を求める意見書」より)

改正河川法の趣旨を踏まえ、河川整備にあたっては住民意見を十分に反映させ、そのためには十分な住民参加を保障すべきであるという観点から、以下質問する。

一 河川整備基本方針について

(一) すでに河川整備基本方針が策定された狩野川水系、豊川水系及び櫛田川水系について、

�@ 従来の工事実施基本計画と、新たに策定された河川整備基本方針との異同を左の事項について明らかにした上で、計画と方針の間に違いがどのような理由で生じたと考えるのかを明らかにされたい。

ア 策定年月日(工事実施基本計画が数度にわたって改定されているときはその全ての年月日)

イ 洪水規模

ウ 洪水基準点名

エ 基本高水流量

オ 計画高水流量

カ 洪水調節施設(既設・建設中・計画の別が明らかになるように)

�A 河川整備基本方針策定にあたって開かれた社会資本整備審議会の年月日を明らかにされたい。

(二) 河川整備基本方針未策定の一級河川について次のことを明らかにされたい。

�@ これまで河川整備基本方針策定に向けて取り組んできた経過(年月も入れて具体的に)

�A 河川整備基本方針の策定までの今後のスケジュール(年月も入れて具体的に)及びこれをどのような視点にたって作成されるつもりか。

二 中部地方整備局管内の一級河川(知事管理区間を含む)について

(一) 既設ダム、建設中ダム、計画中ダムがあれば、それらのダムにつき、諸元等を明らかにされたい。

ア ダム位置(水系・河川名及び地名)

イ 事業主体

ウ 集水面積

エ 湛水面積

オ 総貯水量

カ 有効貯水量

キ 堆砂容量

ク 目的と容量(出来るだけ詳細に)

ケ ダム形式

コ 堤高/堤頂長/堤頂標高/堤体積/常時満水位/最低水位

サ ダム地点計画高水流量/調節量

シ 最大計画放水量/洪水吐き最大放流量

ス 総事業費(単価算出時点も)

セ 完成(予定)年度

ソ 建設中の場合は進捗率及び事業段階

タ アロケーション(負担者とその内容が分かるように)

チ 水没(予定)戸数

(二) ダム以外の洪水調節施設があれば、その名称と(一)に準じた諸元等を示されたい。またダム以外の洪水調整施設があるにもかかわらず、ダムを建設する理由を明らかにされたい。

(三) 一九九五年五月から二〇〇〇年十二月に至る一連の河川審答申に照らして、中部地方整備局管轄の河川の洪水調節の在り方の方向性についての見解を明らかにされたい。

三 「流域委員会」の法的根拠について

中部地方整備局のホームページには「国土交通省中部地方整備局は、管内の一級河川における『河川整備計画(大臣管理区間)』を策定するにあたり、学識経験者等から幅広くご意見を聴くための流域委員会を設置することとしています。」とあるが、前記日弁連意見書との関連で「流域委員会」の法的根拠を条文に照らして明らかにされたい。

四 大臣管理区間の河川整備計画の進捗状況について

(一) 河川整備計画策定済み河川−豊川水系河川整備計画について次のことを明らかにされたい。

�@ 「豊川の明日を考える流域委員会」について

ア 「豊川の明日を考える流域委員会」は専ら河川法第十六条の二第三項に係るものとして設置されたと考えて良いか。

イ 当該委員会の委員氏名及び委員選定の基準と方法

�A 河川法第十六条の二第四項に係る住民意見の反映を担保するものとして行われたこと(具体的に)

(二) 狩野川流域委員会、安倍川流域委員会、天竜川流域委員会、矢作川流域委員会、土岐川庄内川流域委員会、櫛田川流域委員会について次のことを明らかにされたい。

�@ 流域委員会設置以前に「懇談会」「フォーラム」等を設置した場合

名称/設置の目的/設置から終了にいたる各回の開催年月日/参加者数とその募集方法(固定した参加者でない場合は各回ごとの人数)/主な内容

�A 流域委員会準備会を設置した場合

準備会設置から終了にいたる各回の開催年月日/準備会委員氏名/準備会委員選定の基準/準備会合をもつ理由

�B 流域委員会委員を公募した場合

公募の方法(広報の方法を含む)/公募委員の選定基準/公募以外の委員の選定方法/公募以外の委員の選定基準/公募以外の委員を入れた理由

�C 流域委員会委員氏名

�D これまでの流域委員会開催年月日と主要な議題

�E 河川整備計画原案が出されていれば、河川整備計画原案の作成年月日およびその概要

(三)

�@ (二)の河川において河川法第十六条の二第四項に係る住民意見の反映についてとられている措置とその現状を明らかにされたい(具体的に)。

�A �@の現状は河川法改正趣旨に照らして十分なものと認識されているか、見解を明らかにされたい。

(四) 流域委員会未設置の水系・河川について次のことを明らかにされたい。

�@ 河川整備計画策定に向けて取り組んできた今までの経過(年月も入れて具体的に)

�A 河川整備計画の策定までの今後のスケジュール(年月も入れて具体的に)

�B 河川法第十六条の二又は流域委員会等を展望したフォーラム、懇談会(註)またはそれに類似する会議等の有無と開催年月日及び各会議の議題

《註》 木曽川上流河川事務所における「木曽三川を語るフォーラム」、木曽川下流河川事務所における「夢の郷プロジェクト」にあたるもの。

�C 流域委員会未設置の(河川整備計画策定作業が遅延している)河川が多い現状について、見解を明らかにされたい。

五 指定区間の河川整備計画について

(一) 策定された河川整備計画(指定区間)につき県別、水系・河川別に整理した上、以下の事項を明らかにされたい。

�@ 計画名称

�A 策定年月日

�B 計画対象区間

�C 計画対象期間

�D 計画の目標について(ア〜エに当たるものに記載すべきものが無ければその旨を)

ア 洪水等の災害防止・軽減等

イ 流水の正常な機能の維持等

ウ 河川環境の整備・保全等

エ その他

�E 主要な工事とその目的及び事業費

�F 河川法第十六条の二第三項についてとられた措置

�G 河川法第十六条の二第四項についてとられた措置

(�F、�Gを一括して記載した方が適切と思われる場合はそのように記載されたい)

(二) 最終的な責任をもつ河川管理者(国)として、知事管理区間の河川整備計画策定にあたって、改正河川法第一六条の二の趣旨が活かされることを担保する措置及びその実効性につき、見解を明らかにされたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の(一)の�@について

狩野川水系、豊川水系及び櫛田川水系(以下「狩野川等三水系」という。)に係る河川法の一部を改正する法律(平成九年法律第六十九号)による改正前の河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第十六条第一項に規定する工事実施基本計画(以下「工事実施基本計画」という。)及び河川法(以下「法」という。)第十六条第一項に規定する河川整備基本方針(以下「河川整備基本方針」という。)についてのお尋ねの事項は、それぞれ別紙一のとおりであり、狩野川等三水系に係る工事実施基本計画と河川整備基本方針とでお尋ねの事項に違いはない。

一の(一)の�Aについて

狩野川等三水系に係る河川整備基本方針の策定に当たり、法第十六条第三項の規定に基づき、あらかじめ意見を聴いた社会資本整備審議会(平成十二年以前にあっては、河川審議会)の開催年月日は、それぞれ別紙二のとおりである。

一の(二)について

国土交通省中部地方整備局(以下「中部地方整備局」という。)管内で河川整備基本方針が未策定の一級河川である大井川水系、菊川水系、天竜川水系、矢作川水系、庄内川水系、木曽川水系、鈴鹿川水系、雲出川水系及び宮川水系については、これまで、河川整備基本方針の策定に必要な調査、調査結果の分析等を行ってきたところであり、今後とも、河川法施行令(昭和四十年政令第十四号。以下「令」という。)第十条に規定する準則にのっとって、引き続き、その策定に向けて取り組んでまいりたい。

二の(一)について

中部地方整備局管内の一級河川におけるダムの諸元等は、別紙三のとおりである。

二の(二)について

中部地方整備局管内の一級河川におけるダム以外の洪水調節施設の諸元等は、別紙四のとおりである。

また、河川の洪水調節は、ダムを含めた洪水調節施設を計画的に設置・運用することにより行われるものであり、ダム以外の洪水調節施設のみにより必ず必要な洪水調節が可能となるものではない。

二の(三)について

洪水調節施設による洪水調節は、各河川の状況や地域の実情等を総合的に考慮し、下流の計画基準点に対し目標とする洪水調節効果を確実に上げることが必要であり、洪水調節施設の計画の立案に当たっては、河川環境に配慮するとともに、当該河川の洪水流出の特性、調節効率、操作の確実性、維持管理の容易性等を考慮することとしているものである。

三について

お尋ねの中部地方整備局のホームページにおける「流域委員会」とは、法第十六条の二第一項に規定する河川整備計画(以下「河川整備計画」という。)の策定に際し、河川に関し学識経験を有する者から、河川整備に関する意見を聴く方法として、中部地方整備局が任意に設置しているものである。なお、当該流域委員会は、関係住民の意見を反映させるために必要な措置として設置しているものではない。

四の(一)の�@のアについて

「豊川の明日を考える流域委員会」は、中部地方整備局が、その管理する区間に係る豊川水系の河川整備計画(以下「豊川に係る河川整備計画」という。)の策定に際し、河川に関し学識経験を有する者の中から、豊川に係る河川整備の現状や将来像を含め、豊川の河川整備に関する意見を聴くために設置したものである。

四の(一)の�@のイについて

「豊川の明日を考える流域委員会」の委員は、河川に関し学識経験を有する者の中から、中部地方整備局長が選定しており、その氏名は、別紙五のとおりである。

四の(一)の�Aについて

豊川に係る河川整備計画の案を作成した際に、法第十六条の二第四項に規定する関係住民の意見を反映させるために必要な措置として、中部地方整備局豊橋河川事務所のホームページにおける案の公開及び意見募集、案のパンフレットに添付された返信用の封書による意見募集並びに関係地域における地区別意見交換会の開催を実施したところである。

四の(二)の�@について

狩野川水系、安倍川水系、天竜川水系、矢作川水系、庄内川水系及び櫛田川水系のうち中部地方整備局が管理する区間(以下「狩野川等六河川」という。)について、流域委員会を設置する以前に、狩野川等六河川の河川整備に関する意見を聴くために設置した懇談会等の名称等は、それぞれ別紙六のとおりである。また、委員は、河川に関し学識経験を有する者の中から、中部地方整備局が選定している。

四の(二)の�Aについて

狩野川等六河川について、流域委員会を設置する以前に、その必要な準備のために設置した会議(以下「準備会議」という。)の開催年月日及び委員の氏名は、それぞれ別紙七のとおりである。また、委員は、河川に関し学識経験を有する者の中から、中部地方整備局長が選定している。

四の(二)の�Bについて

安倍川水系、天竜川水系、矢作川水系、庄内川水系及び櫛田川水系のうち中部地方整備局が管理する区間に係る準備会議が、それぞれの流域委員会の委員候補者を公募したところである。当該準備会議における流域委員会の委員候補者の公募は、それぞれの準備会議の事務を担当している中部地方整備局の事務所のホームページ、新聞広告、折り込みチラシ、市町村広報誌、ポスター、記者発表等の活用により周知を図った上で、実施したところである。また、委員候補者の選定については、準備会議が判断し、選定している。

公募以外の委員は、河川に関し学識経験を有する者の中から、中部地方整備局長が選定しているが、より幅広い候補者から委員を選定するため、準備会議という河川管理者とは別の主体により推薦された者の中から、中部地方整備局長が選定することとしたものである。

四の(二)の�Cについて

狩野川等六河川に係る流域委員会の委員の氏名は、それぞれ別紙八のとおりである。

四の(二)の�Dについて

狩野川等六河川に係る流域委員会の開催年月日及び主要な議題は、それぞれ別紙九のとおりである。

四の(二)の�Eについて

狩野川等六河川に係る河川整備計画の案は、平成十六年八月一日現在、いずれもいまだ作成していない。

四の(三)について

狩野川等六河川に係る河川整備計画の案の作成に際しての法第十六条の二第四項に規定する関係住民の意見を反映させるために必要な措置については、平成十六年八月一日現在、いずれもいまだこれを講ずる段階に至っていないが、河川整備計画の策定のための作業の進捗状況を踏まえ、今後、実施する予定である。

四の(四)の�@及び�Aについて

大井川水系、菊川水系、木曽川水系、鈴鹿川水系、雲出川水系及び宮川水系のうち中部地方整備局が管理する区間(以下「大井川等六河川」という。)については、これまで、河川整備計画の策定に必要な調査、調査結果の分析等を行ってきているところであり、今後とも、令第十条に規定する準則にのっとって、引き続き、その策定に向けて取り組んでまいりたい。

四の(四)の�Bについて

大井川等六河川について、流域委員会を設置する以前に、大井川等六河川の河川整備に関する意見を聴くために開催した懇談会等の名称等は、それぞれ別紙十のとおりである。

なお、御指摘の「木曽三川を語るフォーラム」及び「夢の郷プロジェクト」は、木曽三川に関する関係住民との協働及び日常的な広報のため開催したものであり、河川整備計画の策定に直接関係するものではない。

四の(四)の�Cについて

大井川等六河川に係る河川整備計画の策定のための作業の進捗状況から、流域委員会の設置に至っていないものである。

五の(一)について

中部地方整備局管内における一級河川の指定区間に係る河川整備計画についてのお尋ねの事項は、それぞれ別紙十一のとおりである。

五の(二)について

都道府県知事が一級河川の指定区間に係る河川整備計画を策定する場合には、法第七十九条第一項及び令第四十五条第一号により国土交通大臣の認可を受けなければならないこととされており、その際、必要な指導、助言を行うこととしている。

また、平成十年一月二十三日付けで、建設省(当時)から各都道府県土木主管部長等に対し、河川整備計画で定める事項及び策定の手続に係る留意事項について通知したところである。

衆議院の原文

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