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文化審議会著作権分科会のあり方に関する質問主意書
衆議院 第159回 第87号お答えすることは困難 ×1検討してまいりたい ×1
質問本文
川内博史 笠 浩史
文化審議会著作権分科会のあり方に関する質問主意書
文部科学大臣及び文化庁長官の諮問機関である文化審議会著作権分科会(以下「分科会」という。)は、著作権制度という一般消費者等の著作物利用者が多大な影響を受ける事項について検討を行う場であるが、施策の実行に於いては権利者等の事業者団体(以下「権利者等」という。)の意見のみを重視することは適切ではなく、団体としての意見を表明する事が困難である一般消費者や国民の意見を十分に聴取、忖度する必要がある。それにも関わらず、分科会の委員構成は権利者等の代表者が多数を占めており、少数の著作物利用者選出委員や学識経験者選出委員の意見が軽視される傾向が強い点や政府の他の審議会に比して公開性が低い点に対しては、消費者団体や学識経験者等から厳しい批判が相次いでいる。また、権利者等の代表者が多数を占める分科会の構成に於いては、検討事項が一般消費者等の著作物利用者に強いる負担や社会全般に及ぼす影響等の功罪についての精査が全く、或いはほとんど実行されないなど、初めに「権利強化」の結論ありきで議論が進められており、著作権制度全般に関する多角的かつ広範な議論の場としての機能を果たしていない状況を危惧する意見も少なからず存在する。
前記の問題点について、著作権制度全般に関する多角的かつ広範な議論の場としての役割が求められている分科会の委員構成及び事務局のあり方を中心に、以下質問する。
なお、同様の文言が並ぶ場合でも、項目ごとに平易な文章で答弁されたい。
一 分科会のうち、法制問題小委員会(総勢二十名。以下「小委員会」という。)に関しては平成十六年四月現在、事業者団体など権利者等を代表して参加している委員が十四名、学識経験者が四名、弁護士が一名、図書館関係者が一名という構成で各小委員会の中でも特に権利者等を代表して参加している委員が圧倒的多数を占めている事実が認められる。また、分科会全体では消費者団体選出の専門委員が二名選出されているが、小委員会に関しては消費者団体選出の専門委員は配置されていない。このような構成のもとで一般消費者等の著作物利用者が多大な影響を受ける事項について特段の慎重な検討を行う状況が担保される可能性は極めて低いものと考えられるが、権利者等を代表して参加している委員が圧倒的多数を占める小委員会の構成を文化審議会事務局(以下「事務局」という。)が是認している理由は何か。また、分科会ないし小委員会の人事構成を見直す予定はあるのか。
二 分科会専門委員である小熊竹彦・日本生活協同組合連合会政策企画部長(以下「小熊氏」という。)は一に於いて指摘した法制問題小委員会の人選を問題視し、法制問題小委員会への消費者団体選出委員の参加を再三にわたって事務局に要請したにも関わらず、事務局は消費者団体選出委員の小委員会参加を理由すら明かさずに拒絶し続けていた事実が平成十五年十二月五日に全国消費者団体連絡会の主催で実施された「レコード輸入権に関する意見交換会」で報告されている。
小熊氏は小委員会に参加している学識経験者等の求めにより、平成十五年第六回より第八回までの小委員会ではオブザーバーとして発言の機会が与えられているところであるが、事務局が消費者団体選出委員の小委員会参加を拒絶し続けていた理由は何か明らかにされたい。
三 分科会は報道機関のみに傍聴が許可されており、一般傍聴を認めていないなど公開性が他の審議会に比して低いものと認められるが、その理由は何か。また、議事録に掲載されている出席者の各発言に関して発言者の氏名を記載していない理由は何か。
四 文化庁著作権課は制度改正の前提として「関係者間の協議・合意」を求めており、事務局は小委員会に於いて毎回「各分野における検討事項例」と題する文書を出席者に配布しているところであるが、同文書中に「関係者間で合意形成が進められつつある事項」と題する表(以下「表」という。)のいずれの事項についても「関係者」には一般消費者等を代表する立場の消費者団体等は記載されていない。文化庁著作権課ないし事務局はこの「関係者」をどのような基準により認定しているのか。また、日本生活協同組合連合会が小委員会平成十五年第十回で配布された表中『「輸入権」の創設(海外で合法的に作られたレコードの輸入への対応)』と題する案件に関して消費者団体を「関係者」として協議に参加させるべきである旨を事務局に対して要求したにも関わらず、この要求に関しても、二に挙げた消費者団体選出委員の小委員会参加と同様に拒絶された事実が意見交換会で報告されているが、前記案件に関して事務局が消費者団体を「関係者」と認めるべきではないと判断した理由を明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねの文化審議会著作権分科会法制問題小委員会(以下「法制問題小委員会」という。)は、著作権法制の在り方について総合的な観点から審議することを目的とする小委員会として文化審議会著作権分科会(以下「著作権分科会」という。)に置かれたものである。
法制問題小委員会は、著作権分科会の委員、臨時委員及び専門委員のうち著作権分科会の会長が指名した大学教授四名、弁護士一名及び著作権に関係する団体に属している者十五名の計二十名の委員によって構成されていたが、これらの者は著作権の教育研究若しくは法務を専門とし、又は放送、美術、出版、映画、音楽、写真、文芸、新聞、情報技術産業等、幅広い分野において、著作物の権利者及び利用者の立場で、長年著作権実務に携わり、著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)及びその実務に精通している者であり、先に述べた法制問題小委員会の目的に照らしてふさわしい構成であったと考えている。
著作権分科会及び法制問題小委員会の委員の任期は平成十六年二月四日をもって終了しているが、今後新たに著作権分科会又は法制問題小委員会を開催する場合には、充実した審議がいただけるよう、会議の目的に照らしてふさわしい委員構成について検討してまいりたい。
二について
お尋ねの消費者団体選出委員は、著作権分科会の会長の指名を受けておらず、法制問題小委員会には属していなかったが、このことについては、一についてで述べたように、法制問題小委員会の委員は、その目的に照らしてふさわしい者により構成されており、消費者利益の観点も含め、総合的な観点から審議いただくことが可能であると考えていた。
なお、法制問題小委員会における商業用レコードの還流防止措置の検討においては、消費者利益の観点からの審議をより深めるため、消費者団体選出委員に協力を依頼し、第六回から第八回までの法制問題小委員会において発言をいただいたところである。
三について
著作権分科会の議事は、文化審議会著作権分科会運営規則(平成十五年三月二十八日文化審議会著作権分科会決定)第四条において、原則公開して行うこととされており、分科会の会議の公開の手続その他分科会の会議の公開に関し必要な事項は、別に分科会長が分科会に諮って定めることとされている。この規定に基づき、著作権分科会及び著作権分科会に設置される小委員会については、平成十五年三月二十八日の著作権分科会において、原則として、会議、議事要旨及び会議資料を公開することとされたが、議事の傍聴については、一般傍聴に対して十分に対応できるだけの会場の確保が困難であるため、社団法人日本新聞協会、社団法人日本専門新聞協会、社団法人日本雑誌協会及び社団法人日本外国特派員協会に加盟する各社の記者に限り認めることとされた。また、議事要旨に掲載されている出席者の各発言に関して発言者の氏名を記載していないことについては、各委員からできるだけ活発な発言が行われるように配慮し、同日の分科会において、著作権分科会が決定したものである。
四について
法制問題小委員会において配布された「関係者間で合意形成が進められつつある事項等」の資料において関係者として位置付けているのは、基本的に、関係する権利を業として取り扱う者であって、制度改正を要望する団体等及び当該制度改正に反対する権利者又は事業者の団体である。この資料は、関係者間で協議が進められている事項の進ちょく状況を示したものであり、お尋ねの「「輸入権」の創設(海外で合法的に作られたレコードの輸入への対応)」については、関係者として、社団法人日本レコード協会、社団法人日本経済団体連合会等が記載されていたが、法制問題小委員会における商業用レコードの還流防止措置の検討においては、二についてで述べたように、消費者利益の観点からの審議をより深めるため、消費者団体選出委員に協力を依頼するなどして、消費者利益の観点について、十分に審議いただくとともに、著作権分科会においても、法制問題小委員会報告書について、審議いただいたところである。
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