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知的財産制度における「法と経済学」的観点の重要性に関する質問主意書

衆議院 第160回 第10号お答えすることは困難 ×3

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2004年7月30日
内閣転送 2004年8月4日
答弁書受領日
2004年9月3日
提出から35日
答弁の項目数
3
質問 1,649字/答弁 1,312字

質問本文

川内博史    小林千代美

知的財産制度における「法と経済学」的観点の重要性に関する質問主意書

諸外国においては「法と経済学」が学問の一分野として確立され、盛んに研究されているところであるが、わが国でも平成十五年二月に「法と経済学会」が発足し、諸外国に比して大きく出遅れていたこの分野の研究がようやく端緒につくと共に、一定の地位を得つつあるところである。

また、諸外国においては「法と経済学」の分野で特に研究が盛んなのは知的財産法の領域であり、過度の権利強化が社会制度全般に悪影響を及ぼす弊害を未然に防ぎ、社会全体の便益を最大化するための制度設計において「法と経済学」的観点の重要性が極めて高く認識されているところである。

これらの点を踏まえ、以下質問する。

一 以下の審議会もしくは調査会等に「法と経済学」の分野に見識を有する学識経験者より選出された本部員もしくは委員が、それぞれどの程度任命されているかを明らかにした上で、任命されていない場合は、今後の人選に当たって任命を検討すべきだと考えるが、この点について政府の見解を問う。

イ 知的財産戦略本部(民間選出本部員)

ロ 知的財産戦略本部コンテンツ専門調査会

ハ 知的財産戦略本部権利保護基盤の強化に関する専門調査会

ニ 知的財産戦略本部医療関連行為の特許保護の在り方に関する専門調査会

ホ 文化審議会著作権分科会

ヘ 産業構造審議会知的財産政策部会

ト 日本工業標準調査会知的基盤整備特別委員会

チ 工業所有権審議会

リ 農業資材審議会種苗分科会

二 一に挙げた審議会もしくは調査会等のうち、特にイの知的財産戦略本部、ロの知的財産戦略本部コンテンツ専門調査会及びホの文化審議会著作権分科会においては主に事業者団体等の権利者を代表する委員を中心に「創作者に対してインセンティブを付与することから生ずる便益は、これを利用する人々の便益に優越する」という前提に著しく傾斜した議論が進められているのではないか、という危惧が「法と経済学」の分野に見識を有する学識経験者等から指摘されていることについて内閣官房知的財産戦略推進事務局、文化庁長官官房著作権課及び経済産業省商務情報政策局文化情報産業関連課においてどのようにお考えであるか明らかにされたい。また、各事務局及び課においては「法と経済学」の観点を今後の施策に反映させることと、その必要性についてどのようにお考えであるかも合わせてお示し願いたい。

三 本年五月二十七日の知的財産戦略本部第八回会合において中山信弘本部員は「外部から見ますと、場合によっては知的財産に関係ない事項も含めて、単に各界の要望をまとめただけじゃないかという批判がないとは限らないというふうに思えるわけであります。(中略)現在、世界を見渡しましても、知的財産制度の強化一本やりという国はないわけであります。知的財産制度と言えどもいろいろな要素が複雑に絡み合っておりまして、例えば模倣品対策のように、迅速かつ強力に直ちに実施をしなければならないという問題もございますし、逆に例えばソフトウェアのように、権利を弱めた方が、あるいは権利がない方が産業・文化の発展に役に立つという場合すらあるわけであります。(中略)権利を強化すべきものもあるし、あるいは権利を制限すべきものもあるということになるわけであります。いかにしたら産業、あるいは文化の発展に益するかという観点から、徹底した検証、検討というものが必要になってくるだろうと思います。」と指摘しているが、現行の知的財産の創造、保護及び活用に関する推進計画(平成十六年五月二十七日改訂。以下「計画」という。)においては各事項について「消費者利益等の観点を含めて総合的に検討」することが求められているが、今後は前述の中山本部員による指摘を踏まえ、各事項について「法と経済学」の観点からの検証を進めると共に、今後の計画改訂に際してはその旨を各事項に明記すべきではないか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

お尋ねの審議会等の委員等が「法と経済学」の分野について識見を有しているか否かについては、当該委員等は日常的に幅広く活動しており、政府としてそのすべてを把握しているものではないことから、確定的にお答えすることは困難であるが、お尋ねの審議会等において、法律及び経済に関する知見を有効に活用することは重要と考えており、委員等の任命においても、その審議事項に応じ、適切に対処している。

なお、「法と経済学」の分野について識見を有している者は、「法と経済学会」に属する者に限られるものではないと考えるが、これらの審議会等の委員等のうち当該学会の会員である者の数は、平成十六年七月三十一日現在で、それぞれ次のとおりである。

1 知的財産戦略本部(有識者) 二名

2 知的財産戦略本部コンテンツ専門調査会 一名

3 知的財産戦略本部権利保護基盤の強化に関する専門調査会 四名

4 知的財産戦略本部医療関連行為の特許保護の在り方に関する専門調査会 零名

5 文化審議会著作権分科会(専門委員) 一名

6 産業構造審議会知的財産政策部会 一名

7 産業構造審議会産業技術分科会・日本工業標準調査会合同会議知的基盤整備特別委員会 零名

8 工業所有権審議会 零名

9 農業資材審議会種苗分科会 零名

これらの審議会等においては、先に述べた考えにより、今後の委員等の任命においても、新たな審議事項に応じ、適切に対処してまいりたい。

二について

お尋ねの知的財産戦略本部、知的財産戦略本部コンテンツ専門調査会及び文化審議会著作権分科会においては、バランスのとれた知的財産制度を目指し、創作者に対するインセンティブの付与のみならず、知的財産の公正な利用や競争の促進など、利用者や消費者の利益にも配慮しつつ、適切に審議を行っている。

また、内閣官房知的財産戦略推進事務局、文化庁長官官房著作権課及び経済産業省商務情報政策局文化情報関連産業課としては、御指摘の「「法と経済学」の観点」が具体的にどのようなものであるか必ずしも明らかでないことから、その施策への反映等について確定的にお答えすることは困難であるが、法律及び経済に関する観点など、様々な要素に配慮しつつ所要の施策を推進することは重要と考えており、施策に応じ、適切に対処してまいりたい。

三について

「知的財産推進計画2004」(平成十六年五月二十七日知的財産戦略本部決定)においては、公正かつ自由な競争、表現の自由等現代社会が有している基本的価値に留意しつつ、バランスのとれた知的財産制度を目指すこととし、さらに、個々の課題によっては消費者利益や権利者の利益と公共の利益とのバランスに留意して検討を行うことなどを明記している。

御指摘の「「法と経済学」の観点からの検証」等については、二についてで述べたとおり、御指摘の「「法と経済学」の観点」が具体的にどのようなものであるか必ずしも明らかでないことから、確定的にお答えすることは困難であるが、法律及び経済に関する観点など、様々な要素に配慮しつつ推進計画の検証等を行うことは重要と考えており、その事項に応じ、適切に対処してまいりたい。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×3

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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