Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 衆議院 第160回

ドミニカ移住者問題に関する質問主意書

衆議院 第160回 第70号

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2004年8月6日
内閣転送 2004年8月6日
答弁書受領日
2004年8月31日
提出から25日
答弁の項目数
3
質問 1,696字/答弁 1,329字

質問本文

ドミニカ移住者問題に関して過去の政府の答弁を踏まえたうえで、見解を問う。

一 ドミニカ移住者募集要項、あるいは募集要領には「三百タレアの土地を無償譲渡する」と書いてあることに関して、平成十六年五月十七日決算行政監視委員会の質疑において政府は、「メルカード書簡には確かに土地を供与する、こう書いてございます」あるいは「メルカード書簡及びそれに先立ちますドミニカ政府と日本政府との協議、これを踏まえまして書かれたものでございます」あるいは「ドミニカ移住というのは、トルヒーリョ元帥の強い指導力に端を発したわけでございますが(中略)土地を無償提供するということを述べております。」あるいは「スペイン人移住者は無償供与を受けておりましたけど・・・。」等の答弁を踏まえたうえで、最終的に政府は「メルカード書簡における供与というのは無償譲渡であると考えております。」と答弁している。一方、平成十六年五月二十六日外務委員会において、政府は「スペイン語でも、供与とそれから無償譲渡という言葉は違う言葉であると思います。」と答弁している。これらの答弁を前提として「メルカード書簡における供与というのは無償譲渡であると考えております。」との解釈は一九五六年当時の政府の解釈か、あるいはそれとも現在の政府解釈か。当時の政府の解釈であるとするならば、スペイン語においても違う言葉である供与と無償譲渡が同じ意味に解釈できるとする、当時の外交文書は存在するか。もしくは供与と無償譲渡の解釈の違いについて記述した外交文書は存在するか。これらを明らかにされたうえで、あらためて政府の見解を問う。あるいは、そもそも外交文書、外交交渉において使われる、供与、提供と言う言葉と譲渡という言葉が同じ意味であるとの政府見解をあらためて問う。

二 平成十六年五月二十六日外務委員会の政府答弁によれば、「供与の対象とする権利は、土地でございます。土地の所有権であると考えております」と答弁している。そもそも供与という言葉の中に所有権の移転の意味を包含させることに関してあらためて政府の見解を問う。また同委員会において「コロニア法に基づけば土地の所有権は直ちに移転されるわけではなくて、八年ないし十年、その後に移転される。それで、確かに募集要項については(中略)そういう時間的な要素が書いてなかったことは事実でございます。」と述べている。二の冒頭に引用した政府答弁とあわせて考えるならば、政府は、ある一定期間経過後に所有権が発生する権利に関しても所有権と表現する、と解釈されるが見解を問う。

三 二の質問に関連して、平成十六年五月二十六日外務委員会において、政府は「所有権取得の時期が記載されていなかったとしてもそれが、不当とまでは言えない」あるいは、平成十六年三月三十一日外務委員会においても「直ちに入植地の所有権が得られないこと、すなわち所有権を取得する時期について記載しなかった、こういう点については当方としても記載した方がより親切だったのではないかと考えております。」等々の答弁をしている。しかし、移住者募集要項によれば、政府は「開拓自営農」として移住者を募集しているのであって、自ら所有する土地を耕し、作物を収穫する農業従事者を自営農と解釈するとすれば、所有権の取得の時期について記載しなかったことは、募集要項と矛盾するのではないか。そこで問う。「開拓自営農」の定義を明らかにされたい。更に平成十一年七月二十三日外務委員会において、高村外務大臣は「外務省設置法第四条十五号に基づく海外移住のあっせんの一環として移住者がドミニカ共和国へ移住する際の募集要項に記載する情報について、当時ドミニカ共和国から提供された情報や、調査により得た情報に基づいてこれを提供したわけであります。」と答弁している。当時の政府が知り得た情報の中で、「自営農」として移住する移住者にとって、もっとも大切であると思われる、土地の所有権について、その取得の時期の情報を移住者に提供しなかった事に関して、政府の不手際であると考えるが、見解を問う。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

一般論として、スミニストロ又はエントレガすなわち提供又は供与という言葉は、スペイン語においても日本語においても、有償か無償かを問うものではなく、また、エナヘナシオンすなわち譲渡という意味で用いられることを排除するものではない。他方、外交文書や外交交渉において使われるこれらの文言の意味については、通常、当事国の意図や交渉の経緯等についても考慮し、個別にこれを判断する必要があると考える。

我が国政府としては、昭和二十九年十一月の会談において、ドミニカ共和国のトルヒーリョ元帥から上塚司衆議院外務委員長に対し、日本人移住者をドミニカ共和国に受け入れたいとの申出があり、土地を無償提供すること等の表明がなされたこと、翌昭和三十年九月のトルヒーリョ元帥といわゆる吉岡調査団との会談において、トルヒーリョ元帥から吉岡調査団長に対し、スペイン人移住者と対等な条件を与えることの表明がなされたこと、スペイン人移住者は入植後一定期間経過後、土地の無償譲渡を受けることになっていたこと等にかんがみ、日本人移住者が雇用農ではなく開拓自営農として自ら土地を所有して農業を営むことを前提として、受入条件等につきドミニカ共和国政府と累次にわたる協議を行った。その結果、昭和三十一年三月十二日に、在ドミニカ共和国日本国公使館吉田公使がドミニカ共和国のメルカード農務大臣と会談し、日本人移住者の具体的な受入条件等につき大筋で合意に達した。その後、同月二十七日付けのメルカード農務大臣発吉田公使あて書簡が発出された段階で、両国政府間の合意内容が実質的に確定された。お尋ねの供与の意味について明示的に記した外交文書は見当たらないが、このような経緯にかんがみ、我が国政府としては、同書簡においてドミニカ共和国側が日本人移住者に約束した土地の供与とは、土地の所有権を移住者に無償譲渡することを意味すると理解している。これは、当時から現在まで一貫した政府の考え方である。

二について

一についてで述べたとおり、我が国政府としては、ドミニカ共和国側が日本人移住者に約束した土地の供与とは、土地の所有権を移住者に無償譲渡することを意味すると理解している。日本人移住者が入植後、直ちに土地の所有権を得られたわけでないことは御指摘のとおりであるが、所有権という言葉をお尋ねのように「ある一定期間経過後に所有権が発生する権利」という意味で用いたわけではない。

三について

「開拓自営農」という言葉に一般的に確立した定義は無いが、雇用農ではなく自ら土地を所有して農業を営む者というような意味で用いた。

ドミニカ共和国への移住のための募集要項のうち、ダハボン地区の第一次の募集要項において、土地の所有権が譲渡されることとなる時期に関する言及が無かったことは御指摘のとおりであるが、日本人移住者は入植後相当期間農業に従事することが前提とされており、また、ドミニカ共和国政府としても、日本人移住者に対して土地の所有権を無償譲渡する意図を有していたことは、その後の我が国政府とドミニカ共和国政府との間の協議においても明らかであるので、御指摘のような言及が無かったことが不当であるとまでは言えないと考える。

衆議院の原文

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 1998年10月9日 秋葉忠利 外一名 答弁 1998年10月16日
衆議院 第143回 第20号
提出 1973年9月13日 植木 光教 答弁 1973年9月25日
参議院 第71回 第22号お答えすることは困難 ×4
提出 2006年11月1日 照屋 寛徳(社会民主党・市民連合) 答弁 2006年11月10日
衆議院 第165回 第132号

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる