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ボリビア共和国のコロニア・オキナワにおける先住民の農地不法侵入事件に関する質問主意書

衆議院 第165回 第132号

提出者
社会民主党・市民連合
提出日
2006年11月1日
内閣転送 2006年11月6日
答弁書受領日
2006年11月10日
提出から9日
答弁の項目数
2
質問 1,203字/答弁 1,036字

質問本文

コロニア・オキナワとは、一九四五年以降に、ボリビア共和国に移住した沖縄県出身者が中心となって、一九五六年に同共和国サンタクルス県に建設した開拓移住地のことである。一九九八年には、同共和国政府から行政区として認定され、模範的農村として「小麦の首都」の称号が与えられている。現在、コロニア・オキナワには、約二三〇所帯、約八七〇人の県系人をはじめ、日系人が住んでいるといわれている。このコロニア・オキナワで、沖縄県出身者の所有地に先住民が侵入して、耕作したりするなど、深刻な事態が発生しているようだ。コロニア・オキナワの県系人にとって、自ら開墾した土地への侵入は、回復しがたい損害を受けることになり、先住民による農地不法侵入事件は、重大かつ深刻な問題である。政府は、在外邦人の財産を守り、生命身体の安全を守るべき重大な責務を負っており、然るべき必要な外交上の措置を講ずるべきである。

以下、質問する。

一 コロニア・オキナワの沖縄県系人、屋良朝英氏は、その所有地である農地の一部、約一六三ヘクタールの土地に、先住民約一五〇人が侵入の上、不法占拠しており、困っているようだ。屋良朝英氏は、侵入した先住民を相手に土地の明け渡しを求め、現地最高裁判所でも勝訴した。にもかかわらず、先住民は、立ち退き命令の強制執行に従わないようである。政府は、屋良朝英氏の所有地に対する先住民不法侵入の事件を、どのように掌握しているのか、具体的に説明されたい。

二 政府は、在外邦人の財産を保護する立場から、現地最高裁判所の判決に照らし、ボリビア共和国政府に対して屋良朝英氏の所有権確認、不法占拠の排除などを強く求め、必要な外交上の処置を講ずるべきだと考えるが、これについての見解を明らかにされたい。

三 在ボリビア共和国日本大使館は、先住民による屋良朝英氏の農地不法侵入事件について、事実関係を正確かつ詳細に掌握しているのか。現地調査の実施の有無、並びにその時期を明らかにされたい。また、現地調査を実施していないのであれば、その理由等を明らかにされたい。

四 政府は、在外邦人の生命身体の安全を守る義務を負っている。屋良朝英氏は、先住民による農地不法侵入事件の係争中から今日まで、生命身体の安全への危機に脅え、不安の内に家族共々暮らしている。屋良朝英氏は、自らの費用でガードマンを雇うなど、身辺警護に莫大な私費を投じているようである。政府は、屋良朝英氏とその家族の身の安全を守るため、緊急に、必要かつ十分な具体的警護対策を講ずるべきだと考えるが、これに対する見解を明らかにされたい。

五 本年十一月十三日から、ボリビア共和国のチョケワンカ外務大臣が、来日される予定である。政府は、この機会にコロニア・オキナワの農地不法侵入事件について、同外相に対して善処策を講ずるよう求めるべきだと考えるが、その態度を明らかにされたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一及び二について

平成十七年十月、ボリビア共和国農事高等裁判所は、従前に侵入を受けた土地二十二ヘクタールにつき、屋良朝英氏の土地占有権を確認し不法侵入者退去の命令を下したサンタクルス県農事裁判所の判決(同年七月)を支持し、同地に侵入したモンテベルデ村在住の農民約五十名の訴えを棄却する判決を下した。この判決を受け、ボリビア警察当局は、平成十八年二月、同地を占拠していた農民四十二家族を排除し現在に至っていると承知している。

他方、同氏は、右の土地とは別に、新たに農民の占拠が生じている土地百四十一ヘクタールの占有権を主張してサンタクルス県農事裁判所に提訴し、係争中であると承知している。

日本国政府は、在ボリビア日本国大使館を通じ、在留邦人の安全及び財産を保護する観点から、ボリビア警察当局に申入れを行っているほか、農村開発・農牧・環境大臣及びサンタクルス県知事を始めボリビア側関係者に対し、当事者間の話合いによる事態の解決に向けた協力を求めてきている。

三から五までについて

本件については、在ボリビア日本国大使館及び在サンタクルス出張駐在官事務所を通じ事態の詳細な把握に努めてきたところであり、屋良氏本人、同氏の弁護士、現地日系人団体等からも、現地情勢の推移につき詳細な情報を得てきている。

御指摘の安全対策についても、屋良氏本人からの説明を受け、平成十八年三月に、白川光徳ボリビア共和国駐箚特命全権大使から農村開発・農牧・環境大臣に対し、本件問題の推移に関心を有している旨を伝えるとともに屋良氏の身の安全の確保につき協力を要請し、同大臣より、屋良氏の身の安全の確保につき約束する旨の回答を得た。同年七月及び八月には、同大使が現地サンタクルス県において屋良氏の弁護士から法的側面について詳細に聴取した上で、同大臣及び同県知事に対し問題の解決に向けた協力の要請を行った。同年十月には、在ボリビア日本国大使館より、現地日系人団体に対しても、引き続き状況把握に努め、同大使館と緊密に連携をとるよう依頼している。なお、屋良氏及び同氏の弁護士からは、常時状況を聴取している。

いずれにせよ、屋良氏が関係当局より不当な扱いを受けたり、身体の安全が脅かされることのないよう、農村開発・農牧・環境大臣及びサンタクルス県知事を始め関係当局に対し必要な働きかけを続けていく考えである一方、土地の占拠問題自体の解決は、現在同国の司法手続に付されており、その推移を見極める必要があると考える。

衆議院の原文

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