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日中関係の現状認識及び今後の展望に関する質問主意書

衆議院 第162回 第52号

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2005年4月18日
内閣転送 2005年4月20日
答弁書受領日
2005年4月28日
提出から10日
答弁の項目数
4
質問 1,692字/答弁 749字

質問本文

このところ中国の各地で反日運動が盛んに起きており、憂慮すべき事態である。北京の日本大使館や日本資本の企業が相次いで暴徒の対象になり、国旗が焼かれたり、窓ガラスが割られたり、車が破壊されている。その原因がいかにせよ、このような行動は断じて許されるものではない。政府は、中国政府に対して、毅然とした態度で、陳謝と抜本的な再発防止と在留邦人保護・被害補償、大使館・日系企業の警備強化を強く求めるべきである。

一方で、小泉総理は、就任以来、日中関係の膠着状態を招き、中国側の感情的な反発に真剣に取り組んでこなかった。今回の事件の原因の一つが、小泉総理の靖国神社公式参拝にあることも疑いようもない。首相の靖国参拝によって我慢の限界まで来ていた中国人の対日感情が、教科書問題や日本の国連安保理常任理事国入り問題などで一気に爆発したために今日の事態を招いている。

アジア、とりわけ中国との関係は、日本の外交にとって最重要の柱のひとつとなってきた。体制の違いを超えて隣の大国と安定した関係を築くことは、将来の日本の安全と繁栄のために欠かすことはできない。小泉内閣の日中関係に対する考え方につき、以下質問する。

一 小泉総理は「小泉改革宣言 自民党政権公約二〇〇三」の中で、「アジア・アフリカ諸国等、途上国との外交・支援協力を充実し国際国家としての責務を果たす。」と明記している。また、一五九回国会における施政方針演説で「中国との関係は最も重要な二国間関係の一つであり、昨年発足した新指導部との間で、未来志向の日中関係を発展させてまいります。」と述べ、一六二回国会の施政方針演説では「中国は日本にとって、今や米国と並ぶ貿易相手国となるなど両国関係は益々深まっています。先の日中首脳会談では、二国間のみならず、国際社会全体にとっても両国関係は極めて重要であるとの認識を共有し、未来志向の日中関係を構築していくことで一致しました。個々の分野で意見の相異があっても、大局的な観点から幅広い分野における協力を強化してまいります。」と日中関係についての内閣の考え方を示している。現在のところ、この内閣が示した方針は達成されていないものと考えるが、小泉総理のお考えはいかがか。仮に、未来志向の日中関係が構築されているとお考えになるならば、第二次小泉内閣発足後、具体的にどのような点で日中関係が良化したのか、例を挙げてお示しいただきたい。

二 小泉総理は昨年九月の国連総会で、安保理の常任理事国入りを目指す決意を表明された。しかし、中国はこれに強く反対し、支持を得られる状況にない。北朝鮮の核問題や拉致問題の解決に向けても、中国の後押しが必要不可欠であるにも関わらず、それを得られる状況にない。中国との関係の悪化は大きく国益を損ねている。小泉総理は、国益を損なっている日中の関係悪化の原因に、自身の靖国神社参拝は一切関係がないとお考えか。それとも靖国問題は日中の懸案の一つであるとの認識をお持ちか。

三 二について、今国会の一月二七日の衆議院予算委員会において小泉総理は靖国神社への今年の参拝を行うのかという質問に対し、「適切に判断してまいります。」と七度にわたって答弁されている。現在の日中関係に鑑み、参拝を行わないという「適切な判断」をされる可能性があるものと解してよいか。

四 中国との間で緊張が高まっている東シナ海の石油・ガス田開発について、政府は、申請のあった日本企業に試掘権を認可する手続きに入った。政治的に微妙な時期だけに、誤解されないよう配慮しながら進めていく必要がある。小泉総理は一四日、東シナ海のガス田の問題について、「対立の海を協調の海に変えるよう大局的な見地から話し合う必要がある」と述べられたと聞く。小泉総理は就任以来、日中関係の膠着状態を招き、中国側の感情的な反発に真剣に取り組んでこなかった。首脳の相互訪問も途絶えている。海洋資源の問題解決のために、どのようにして「大局的な見地からの話し合い」をスタートさせるお考えか。また、いつまでにそうした話し合いを開始するお考えか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

本年四月十七日の日中外相会談においては、率直な意見交換を行い、共に国際平和と繁栄の道を歩むこと、お互いの経済発展はお互いにとって好機であって、これを脅威とはみなさないこと及び日中間の共通利益の拡大を図っていくことの三点の共通認識に達し、また、日中共同作業計画の策定を進めていくことに合意するなど、関係改善に向けた日中双方の強い意志を確認した。この日中外相会談での成果を踏まえ、同月二十三日の日中首脳会談においては、日中双方は日中両国の友好的な発展と協力関係の強化が二国間のみならず、アジア地域及び国際社会全体にとっても極めて重要であるとの認識を改めて共有し、未来志向で幅広い分野における協力関係を推進していくことで一致した。平成十六年の香港を含む日中貿易総額が初めて日米貿易総額を上回るようになり、また、同年の日中間の人的往来が四百万人規模に達するなど、日中間の人的交流や経済関係は、これまでになく拡大し、深化している。このように日中両国は、未来志向の日中関係を構築するために、幅広い分野における協力を深めてきている。

二について

政府としては、個々の分野で意見の相違があっても、個別の問題が日中関係全体の発展の支障にならないよう、日中間において対話を深め、大局的な観点から幅広い分野における協力を一層強化していく考えである。

三について

小泉内閣総理大臣自身が、今後、適切に判断していくと考えている。

四について

日中間においては、平成十六年十月二十五日に東シナ海に関する日中協議が開催されるなど、これまでも東シナ海の問題について協議が行われてきているところであるが、本年四月十七日に開催された日中外相会談においては、事務当局間の協議を本年五月中に開催することを検討することとなった。

衆議院の原文

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