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航空自衛隊車力分屯基地へのXバンド・レーダー配備に関する質問主意書

衆議院 第164回 第116号お答えすることは困難 ×2承知していない ×1

提出者
日本共産党
提出日
2006年2月28日
内閣転送 2006年3月6日
答弁書受領日
2006年3月10日
提出から10日
答弁の項目数
16
質問 2,853字/答弁 3,096字

質問本文

二〇〇五年十月二十九日、日米両政府は日米安全保障協議委員会(2プラス2)を開催し、「日米同盟:未来のための変革と再編」(以下「合意文書」)に合意した。合意文書では、「新たな米軍のXバンド・レーダー・システムの日本における最適な展開地が検討される」ことが明記され、青森県つがる市にある航空自衛隊車力分屯基地への配備が検討されている。十二月には、すでに米軍による現地調査も実施されたと聞いている。

政府は地元関係自治体や住民に対する説明を行なっているが、そもそもXバンド・レーダーとは何か、生活環境への影響はないのか、なぜ車力分屯基地が候補地にあげられたのかなど、基本的な問題について十分な説明がないことに対し、とまどいや不安の声が上がっている。こうした中、二〇〇六年二月六日、三月の最終報告を前にして、米国防総省ミサイル防衛庁高官が、今後六ヶ月以内の配備の意向を示したと伝えられたことも、住民の不安をいっそう広げている。

従って、次の事項について質問する。

一 Xバンド・レーダーについて

1 Xバンド・レーダーとは何か。その役割・機能・特性などについて明らかにされたい。

2 政府が弾道ミサイル防衛の一環として導入を予定している新型の警戒管制レーダー(FPS−XX)と、どのような違いがあるのか。

3 Xバンド・レーダーは、どういう目的・経過で開発されたものか。米国防総省ミサイル防衛庁が発行するブックレット(AHistoricBeginning)は「多目的の前方展開移動型Xバンド・レーダーは、大陸間弾道ミサイルと中距離ミサイルの脅威から米国を防衛するという国家目標にかなうように開発され、配備される」と明記しているが、政府はこの点を承知しているのか。

二 車力分屯基地への配備について

1 日本へのXバンド・レーダーの配備について、米側からいつ、どのような要請があったのか。

2 日本以外に、米国が米国内外においてXバンド・レーダーを配備又は配備を予定している事例はあるのか。

3 政府は航空自衛隊車力分屯基地への配備を検討しているが、車力基地が「最適な展開地」である具体的な理由は何か。また、その検討経過についても明らかにされたい。

4 既存の在日米軍基地内ではなく、自衛隊基地内に配備する理由は何か。

5 米国の有力軍事研究機関「グローバル・セキュリティー」のXバンド・レーダーに関する情報資料(ForwardBasedX−BandTransportable(FBX−T)Rader/TPS−X/ForwardDeployableRader(FDR))によると、受入国はXバンド・レーダーを防護する責任を有すると指摘しているが、政府はこの点を了解しているのか。車力基地への配備が検討されている理由には、航空自衛隊の地対空ミサイル部隊が駐屯している点もあるのか。

6 Xバンド・レーダーには陸上配備型、海上配備型、移動型があると伝えられているが、車力基地には、どのレーダーの配備が予定されているのか。また将来、その変更はありうるのか。

7 Xバンド・レーダーの管理・運用にはどの程度の人員が必要になるのか。また、どの程度の支援要員が必要になるのか。全体として、車力基地にはどの程度の米軍人が駐留し、またその宿舎はどうなるのか。所属部隊・機関はどこか。

8 政府は新型の警戒管制レーダー(FPS−XX)を、大湊をはじめ、下甑島、佐渡、与座岳の四ヶ所に配備する予定と聞いているが、これらに加え、Xバンド・レーダーを配備する理由は何か。また、今後、車力基地以外への配備もありうるのか。

9 合意文書では、「米国は、適切な場合に、日本及びその周辺に補完的な能力を追加的に展開し」とあるが、「補完的な能力」とは何か。PAC3ミサイルやSM3ミサイルなどを配備するということか。「適切な場合」とは、どういう場合をさすのか。

10 十二月には、米軍が車力基地で現地調査を行なったと聞いているが、調査の目的、内容、調査にあたった機関及びその結果(主要調査事項ごとに)について明らかにされたい。

三 生活環境への影響について

1 Xバンド・レーダーから生じる電磁波の影響について、例えば、米国防総省ミサイル防衛庁の情報資料(「FACTSHEET/X−BANDRADER」二〇〇〇年六月公表)は、家庭のテレビやラジオへの影響が生じる可能性について指摘しているが、どのような被害が生じる可能性があるのか。基地内及び周辺地域の人体・動植物への影響、テレビやラジオなどの家庭用電化製品、民間航空機の運航等への影響、大気汚染及び騒音発生の有無等について、具体的に示されたい。また、その影響について、どのような対策をとるのか。

2 Xバンド・レーダーの配備にあたっては、環境アセスメントの実施が義務付けられ、すでに米本土で行なわれた環境アセスメントの結果が米国防総省ミサイル防衛庁のホームページに公開されている。米軍が車力基地で実施した現地調査(電波環境調査、通信関連調査、測量調査、施設関連調査)は、この環境アセスメントの一環なのか。そうでない場合、調査の目的は何か。今後環境アセスメントは実施するのか。調査結果は日本国民に公表されるのか。

四 運用について

1 Xバンド・レーダーは、米軍の専用施設になるのか、日米の共同使用施設になるのか。

2 合意文書では、「このレーダーは、適時の情報共有を通じて、日本に向かうミサイルを迎撃する能力、及び、日本の国民保護や被害対処のための能力を支援する」としているが、「適時」とはどのような場合をさすのか。同文書の「弾道ミサイル防衛(BMD)」の項で「不断の(constant)情報収集及び共有」を強調する一方、「適時の(timely)情報共有」とした理由は何か。

3 レーダーが収集した「情報」は、どのような仕組みで「共有」されるのか。日米両政府間で「共有」されるのか、もしくは米軍・自衛隊間で直接「共有」されることになるのか。「情報」は、米本土の指揮中枢である北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)を経由して日本側に提供されるのか、それとも合意文書で横田飛行場に設置するとしている「共同統合運用調整所」に直接提供されるのか。すべての「情報」が、日本政府又は自衛隊に提供されるのか。

4 「不断の(constant)情報収集及び共有」とあるが、日本が独自のレーダーによって取得した「情報」は、米軍のどの組織・機関に提供されるのか。在日米軍だけでなく、北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)にも伝達されるのか。

五 地元への説明について

1 政府の説明に対し地元自治体や住民からはとまどいや不安の声が上がっているが、この間、政府はどことどこへ説明をしたのか。

2 今後どのような地元説明を行なっていくのか。地元の理解が得られなかった場合には、導入すべきではないと考えるがどうか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の1及び2について

平成十七年十月二十九日に開催された日米安全保障協議委員会で発表された文書(以下「発表文書」という。)におけるXバンド・レーダー・システムは、弾道ミサイルを探知し追尾するための機能を備えた移動式地上設置型レーダー・システムである。このシステムは、移動式であること、ユニット構成であること、レーダーが機械的に回転せず前方の特定の範囲に電波を放射することといった特性を有しているものと承知している。

警戒管制レーダーであるFPS−XXは、航空機等の警戒監視を行うとともに、弾道ミサイルを探知し追尾するための機能を備えた固定式地上設置型レーダーである。

一の3について

Xバンド・レーダー・システムは、アメリカ合衆国(以下「合衆国」という。)、同盟国、友好国や海外に展開する合衆国軍隊を弾道ミサイルから防護するために開発されたものであり、ターミナル段階高高度地域防衛の射撃用レーダーを監視用レーダーに改修したものであると承知している。御指摘のブックレットに御指摘のような記載があることは承知している。いずれにしても、我が国における最適な展開地が検討されているXバンド・レーダー・システムは、発表文書に記載されているように、我が国に向かう弾道ミサイルを迎撃する能力及び我が国の国民の保護や被害対処のための能力を支援することを目的とするものである。また、合衆国がXバンド・レーダー・システムの展開のために我が国において施設及び区域を使用する場合には、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号)第六条の規定に基づき、我が国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するために使用することとなる。

二の1について

我が国に駐留する合衆国軍隊(以下「在日米軍」という。)の兵力態勢の再編に関する協議等の中で、我が国におけるXバンド・レーダー・システムの展開について、議論がされてきたものである。

二の2について

現在、合衆国内において試験運用が行われていることを除けば、現時点で、合衆国が、我が国以外にXバンド・レーダー・システムを既に展開し又は展開を予定している具体的な事例は承知していない。

二の3から5までについて

これまで日米間においては、我が国の防衛に資するとの観点から、Xバンド・レーダー・システムの能力が十分に発揮できる展開地につき検討をしてきたところ、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に規定する既存の施設及び区域において適当な展開地が見当たらなかったことから、自衛隊の基地を対象として検討をしてきたところである。

また、日米間において、我が国に飛来する弾道ミサイルを探知し追尾することに最適な展開地の検討をし、航空自衛隊車力分屯基地を有力な候補地とした上で合衆国による現地調査の結果等を踏まえて具体的な検討を実施した結果、同分屯基地を最適な展開地と判断したものである。

なお、一般に、在日米軍は、その防護を自ら行ってきていると承知している。

二の6について

移動式地上設置型レーダー・システムが予定されており、他の型への変更は、現在、予定されていない。

二の7について

Xバンド・レーダー・システムの管理及び運用のための人員については、通常数十人規模であると承知している。その他のお尋ねの点については、現在、合衆国と協議中であり、お答えすることは困難である。

二の8について

Xバンド・レーダー・システムの我が国における展開により、FPS−XXの配備が完了する予定の平成二十三年度までの間における我が国の弾道ミサイルを探知し追尾する能力を補うとともに、平成二十四年度以降においても、FPS−XXとは仕様の異なるレーダーで弾道ミサイルを探知し追尾することにより、我が国に飛来する弾道ミサイル情報の確度及び同時追尾能力が向上するものと考えている。また、現在、合衆国において航空自衛隊車力分屯基地以外に我が国国内でXバンド・レーダー・システムを展開する計画はないと承知している。

二の9について

御指摘の「補完的な能力」については、発表文書において記載されているように、合衆国軍隊の「パトリオットPAC−3やスタンダード・ミサイル(SM−3)といった積極防御能力」を念頭に置いている。また、いかなる場合が御指摘の「適切な場合」に該当するかについては、個別具体の状況に即して判断する必要があり、あらかじめ一概に論じることは困難である。

二の10について

御指摘の現地調査は、Xバンド・レーダー・システムの最適な展開地に関する日米間の検討に資するため、航空自衛隊車力分屯基地における電波、通信設備及び施設の状況について、在日米軍、合衆国国防省ミサイル防衛庁等が実施し、防衛庁がこれに協力したものである。その調査結果については、自衛隊及び合衆国軍隊の運用にかかわる事柄であるため、お答えすることは差し控えたい。

三の1について

電磁波の影響としては、一般的には、電波干渉や発熱効果が考えられる。Xバンド・レーダー・システムが我が国において展開される場合には、政府としては、他の無線局の運用を阻害するような混信を防止するとともに、人体に危害を及ぼすことのないよう、必要な措置をとる考えである。

三の2について

お尋ねの現地調査の目的は、二の10についてで述べたとおりである。また、Xバンド・レーダー・システムの航空自衛隊車力分屯基地への展開に当たっては、合衆国軍隊において、合衆国軍隊が使用している施設及び区域における作業は公共の安全に妥当な考慮を払って行わなければならない旨定めている日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号)第三条3の規定に従った対応がとられると考えている。

四の1について

Xバンド・レーダー・システムについては、在日米軍が運用することとなるが、お尋ねのように在日米軍の「専用施設」になるのかどうかを含め、その運用については、日米間で適切に調整を行うこととなる。

四の2について

発表文書においては、お尋ねの「適時」の情報共有については、我が国に向かう弾道ミサイルを迎撃する能力及び我が国の国民の保護や被害対処のための能力を支援するために必要な際に情報共有を行うことを意味する。

また、発表文書においては、こうした「適時」の情報共有を含め、弾道ミサイルの脅威に対応するための時間が限りなく短いことにかんがみ、弾道ミサイル防衛システムを支援するために必要な情報に関して「不断の情報収集及び共有」を行うこととしているところである。

四の3及び4について

Xバンド・レーダー・システムにより得られた情報を含め、我が国に向かう弾道ミサイルを迎撃する能力及び我が国の国民の保護や被害対処のための能力を支援するための弾道ミサイル防衛に係る日米間の情報共有に関する具体的な内容については、自衛隊及び合衆国軍隊の運用にかかわる事柄であるため、お答えすることは差し控えたい。

五について

政府としては、Xバンド・レーダー・システムの我が国における展開については、平成十八年三月六日までに、青森県及びつがる市並びに関係する住民に対し、その理解と協力が得られるよう、その内容等を説明してきたところであり、今後とも、関係する地方公共団体等の理解と協力が得られるように努めていく考えである。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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