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健康保険における傷病手当支給期間に関する質問主意書
衆議院 第165回 第240号
質問本文
健康保険法第九十九条は、健康保険被保険者が労務に服することができないときに、傷病手当金を支給することを規定している。その支給期間についての規定が、慢性疾患を中心とする現在の疾患構造にそぐわなくなっている部分もあると思われる。
そこで、以下のとおり質問する。
一 健康保険の被保険者が、大腸癌で入院して手術を受け、二ヶ月間にわたり労務に服さず、この期間に傷病手当を受給した後に復職し、その後継続的に内服による化学療法を受けながら労務を続け、復職日の一年六ヶ月後に大腸癌の再発により長期の労務不能となった事例においては、再発後の疾患は、復職後も継続的に治療を受けているため同一傷病とみなされ、再発後の労務不能期間が傷病手当の支給を始めた日から起算して一年六ヶ月を超えたものであるため、健康保険法第九十九条第二項の規定により、再発後の労務不能期間に対しては傷病手当が支給されないというのが現在の扱いと思われるが、相違ないか。
二 現在の医療においては、感染症や外傷などの急性疾患よりも、癌・生活習慣病・精神疾患などの慢性疾患が中心的対象となっている。このことからすると、健康保険制度は、慢性疾患も念頭に置いて整備運用するべきであると考えるが、いかがか。
三 慢性疾患においては、継続的に治療を受ける中で労務に復帰した後に、再発や悪化により、再度療養が必要になり、就労できない状況が生じることが少なくない。慢性疾患のこのような事例において、過去の労務に服さなかった期間が短期間であり、過去にはその短期間しか傷病手当を受給していないにも関わらず、再発した時点が、すでに傷病手当の支給を始めた日から起算して一年六ヶ月を超えているため、再発以降の期間に対する傷病手当が支給されないのは、傷病のため労務による収入を絶たれた被保険者を支援する社会保障制度としては、急性疾患との平等性・公平性の観点からも問題があると考えるが、いかがか。
四 健康保険法第九十九条第二項は「傷病手当金の支給期間は、同一疾病について、支給を始めた日から起算して一年六ヶ月を超えないものとする」と定めている。慢性疾患や癌治療の現状から鑑みて、この条文は、のべ支給期間の上限を定めたものであり、途中復職して給付を受けていない期間は不支給期間として支給期間から除外するものと解釈するのが、傷病手当金給付の趣旨からも公平性の観点からも適切と考えるが、いかがか。
右質問する。
政府答弁書
一について
傷病手当金については、被保険者が疾病又は負傷のため労務不能となり一時的に収入の喪失等を来した場合に、これをある程度補てんし、生活保障を行うことを目的とするものであり、健康保険法(大正十一年法律第七十号)第九十九条第二項において「同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病に関しては、その支給を始めた日から起算して一年六月を超えないものとする」と規定し、その支給期間を定めているところである。御指摘の事例については、当初に発症した大腸がんが社会通念上治癒したものと認められない場合又は当初に発症した大腸がんと再発後の大腸がんとの間に密接な因果関係がある場合には、再発後の大腸がんは同項に規定する「同一の疾病」又は「これにより発した疾病」に該当することから、これに係る傷病手当金は支給されない。
二及び三について
健康保険は、疾病の性質のいかんにかかわらず、健康保険法第一条に規定するように労働者の業務外の事由による疾病等の保険事故に対して保険給付を行うことを目的とするものであり、また、同法による保険給付は短期給付としての性格を有する。このような保険給付の目的及び性格を踏まえれば、御指摘のような慢性疾患という疾病の性質に着目した健康保険制度の整備運用等はかえって急性疾患との平等性・公平性といった面で問題を生じかねないと考える。
四について
健康保険法第九十九条第二項においては「支給を始めた日から起算して」と規定しており、御指摘のように、同項に規定する「傷病手当金の支給期間」を断続的な支給期間を合算した延べ支給期間と解釈することは文言上困難で、同法の制定当初から同様の解釈であり、実務上も、その間に労務可能となった期間も含め、支給開始から一年六か月間という期間を定めたものという取扱いがなされているところである。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。