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「新型インフルエンザ」に関する質問主意書

衆議院 第165回 第90号検討してまいりたい ×1

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2006年10月17日
内閣転送 2006年10月23日
答弁書受領日
2006年10月27日
提出から10日
答弁の項目数
7
質問 1,586字/答弁 2,249字

質問本文

二〇〇三年以来、東南アジアを中心として流行の始まったH5N1型強毒性鳥インフルエンザは、五月には人から人への感染連鎖が報告された。さらに最近、特にインドネシアでの患者の報告が、増え続けており、家族内で人から人への感染が大変疑われるケースが生じている。これらを背景としてWHOは、この秋冬から、新型インフルエンザの流行が懸念されると報告している。この様な状況下、日本の新型インフルエンザ対策はどうなっているのか。以下の諸点につき質問する。

(なお、答弁においては、用語の意味が不明である等の理由により答弁を控えることなく、可能な限り社会常識の範囲内で対応願いたい。)

一 文部科学省は、九月十九日、小中学校、高校、大学、大学病院等に対し、フェーズ4レベル以上での新型インフルエンザ行動計画を発表した。昨年十二月の省庁連絡会議では、他の省庁も、独自にこのような行動計画を作成し、それが確実に実際に機能していく様、対策をとることとされていたと聞いているが、計画策定・実施に関する他省庁の進捗状況如何。

二 総務省は、平成十八年七月、感染症対策に関する行政評価・監視結果に基づく勧告を出し、感染症対策に係る施策の実施状況とその結果、改善の必要性の認められる事項について指摘している。その後すでに三ヶ月を経過しているが、勧告に対する具体的対応(特に厚生労働省関係、地方自治体の行動、病院の確保を含む)はどうなっているか。

三 WHOは八月二十日H5N1型鳥インフルエンザのワクチンに対し、現在インドネシア等で流行しているクレード2のウィルスを種ウィルスとしてワクチンを製造するよう勧告していると聞く。日本は現在クレード1というベトナムの二〇〇四年の株で臨床試験を行っていると聞いているが、クレード2でのワクチン開発状況如何。

また、ベトナム型のワクチンの完成・流通等のスケジュール見通し如何。

四 米国では、新型インフルエンザ対策は、ホワイトハウス直轄型の国家安全保障上の重要事項と位置付けて精力的な対応を行っている。三月九日の参議院予算委員会で、当時の安倍官房長官は、内閣で責任を持って対応すると答弁している。安倍内閣としては、この新型インフルエンザ対策問題は、米国同様、首相直轄型の危機管理問題と位置付けて対応しているか否か。

五 九月十二、十三日、内閣府は、省庁机上訓練を実施した。その結果は、各省庁がレポートとしてとりまとめたと聞いている。先日入手した同訓練関連資料は、抽象的表現ばかり多く、改善点等の具体的内容が見えてこない。例えば、空港検疫システムを含め、いかなる諸点の改善が提案されたのか明らかにされたい。

六 また先般の省庁連絡会議では、経済産業省の名前が見当たらない。欧米諸国では、新型インフルエンザの企業対策が各企業毎に推進されていると聞く。日本の企業毎の対策は、どの省庁が責任を持ち、どの様なスケジュールで各企業毎の対応計画が作られていくことになるのか。

さらにインドネシアの日本大使館は、すでにインドネシア在留邦人に対し、新型インフルエンザ発生時には、いつでも国外退去出来るよう指導していると聞くが事実か。また、日系企業(中小企業を含め)や、在留邦人への対策はどのようなきめ細かさでなされているのか。

七 その他、新型インフルエンザの大流行時において、物流、電力、水等のライフライン確保の具体的対策マニュアルはあるのか。

八 一般に、国民の新型インフルエンザに対する危機感や関心は、必ずしも高くない。この理由は、米国のように政府が積極的に国民に対し、新型インフルエンザの危険性や対策等を適切にアピールしてきていない為であると考えられる。国民に対する十分な情報提供をいかに進めてきたのか。今後どのように、政府自ら情報発信を行っていくつもりなのか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

お尋ねについては、鳥インフルエンザ等に関する関係省庁対策会議(以下「関係省庁対策会議」という。)において了承された「新型インフルエンザ対策行動計画」(以下「行動計画」という。)において、関係府省庁において新型インフルエンザが発生した際の具体的な対応について、あらかじめ対応策を検討し、その流行に応じた対策を総合的に推進することとされており、文部科学省において御指摘の行動計画を策定したほか、法務省において「矯正施設における新型インフルエンザ対策ガイドライン」、外務省において「在外公館における鳥インフルエンザ・新型インフルエンザ対策ガイドライン」、厚生労働省において「高齢者介護施設における新型インフルエンザ対策等の手引き」を策定するなどの対策を講じているところである。

二について

御指摘の勧告に係る新型インフルエンザ対策については、新型インフルエンザ発生時において患者が入院する医療機関の確保に関し、厚生労働省において、「新型インフルエンザに係る医療を提供する体制の確保について(要請)」(平成十七年十二月十六日付け健感発第一二一六〇〇一号厚生労働省健康局結核感染症課長通知)を昨年十二月に各都道府県に通知し、新型インフルエンザの発生に備えた医療提供体制について万全の措置がとられるよう要請するとともに、御指摘の勧告が出された後も、機会をとらえて都道府県等に対して同様の要請を行っているところである。また、新型インフルエンザ発生時における医療提供体制、移送体制の確保等の対応策に関し、厚生労働省に設置している新型インフルエンザ専門家会議において検討を進めており、その結果を踏まえて、必要な措置を講じることとしているところである。

三について

御指摘の「勧告」とは、平成十八年八月十八日付けで世界保健機関(以下「WHO」という。)により公表された文書によるもののことであると考えられるが、当該文書においては、「クレード1」のウイルスを基に作成したH五N一型インフルエンザワクチン(以下「ワクチン」という。)の臨床試験を継続すべきであるとするとともに、ワクチンの製造に使用できる可能性がある「クレード2」のウイルスに由来する株が開発されたことを受けて、各国において「クレード2」のウイルスを基に作成したワクチンの製造及び貯留のためのワクチンの候補株の使用を勧告する可能性を示唆している。

御指摘の「ベトナム型のワクチン」とは、ベトナム社会主義共和国で分離された「クレード1」のウイルスを基に作成したワクチンのことであると考えられるが、当該ワクチンの開発については、現在、臨床試験が実施されており、その結果を踏まえ、薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)第十四条第三項に基づく承認申請が行われるものと考えている。厚生労働省としては、当該承認申請が行われた場合には、同条第七項に基づき、優先して審査することとしている。

「クレード2」のウイルスを基に作成したワクチンの開発状況については、インドネシア共和国及びトルコ共和国で分離された「クレード2」のウイルスに由来する株について、現在、国立感染症研究所等においてワクチン製造用株として利用可能であるか否かを確認しており、厚生労働省としては、その確認ができ次第、製造業者における所要の準備期間を経て、ワクチン製造用株を利用可能であると確認されたものに切り替えることとしている。

四及び五について

政府としては、内閣官房を中心に関係府省庁が一体となって迅速な対応がとれるよう、関係省庁対策会議及び関係閣僚による会合を開催し、体制整備を進めているところである。

また、本年九月には、内閣官房が中心となり、関係省庁新型インフルエンザ対応机上訓練を実施したところであるが、この机上訓練により、関係府省庁間及び各関係府省庁内における情報共有体制及び意思決定過程が再確認されるとともに、地方自治体等も関与した机上訓練の必要性が確認されたところであり、今後、その実施について検討してまいりたい。

六について

各企業における新型インフルエンザ対策については、企業が行うそれぞれの事業を所管する各府省庁が各企業に対する指導、助言等を行うこととしているところである。

また、御指摘の在インドネシア日本国大使館の対応については、在留邦人に対し、安全対策連絡協議会等を通じインドネシア共和国における鳥インフルエンザの感染拡大状況や予防対策について累次の情報提供を行うとともに、更なる感染拡大に備え、万一の際の心構えとして、インドネシア共和国からの出国の準備も含めて対応を検討しておくよう説明している。こうした在留邦人の安全対策については、在インドネシア日本国大使館のみならず各在外公館において、当該在外公館の管轄区域の状況に応じ、在留邦人に対し適時適切な情報提供を行っているところである。

七について

政府としては、御指摘のようなマニュアルは策定していない。

八について

お尋ねについては、厚生労働省において、WHO等の国際機関等から情報収集を行い、ホームページへの掲載や定期的なマスコミへの情報提供を行うことにより、適切な情報の周知に積極的に取り組んできたところであり、引き続き、厚生労働省において、関係府省庁、都道府県及びWHO等の国際機関等と連携し、国内外の新型インフルエンザの発生状況に応じて、行動計画に基づき適切な情報の提供に積極的に取り組んでまいりたい。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

検討してまいりたい ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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