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メキシコで発生している豚インフルエンザに関する質問主意書
衆議院 第171回 第344号お答えすることは困難 ×3趣旨が明らかではない ×1
質問本文
メキシコで人から人への感染が確認された豚インフルエンザは今後の感染の拡大が懸念される。我が国においても万全の対策が必要と考えるため以下質問する。
一 平成二十一年四月メキシコで人から人へ感染が確認された豚インフルエンザ(以下「今回のインフルエンザ」という。)は新型インフルエンザであると認識しているのか答弁を求める。今後パンデミック(ある感染症や伝染病が世界的に大流行すること)を惹起する潜在的な可能性があると認識しているのか。平成二十一年二月の「新型インフルエンザ及び鳥インフルエンザに関する関係省庁対策会議」において策定された新型インフルエンザ対策行動計画(以下「行動計画」という。)における発生段階としてはどの段階であると認識しているのか答弁を求める。
二 豚インフルエンザが人に感染する可能性は政府としては鳥に比べて低いと考えていたと承知するがその理由如何。また今回のインフルエンザが人から人に感染する事態となった理由如何。国内で飼育されている豚においてインフルエンザ感染が疑われるもしくは確認された事例があるのか。あるのであればその詳細につき答弁を求める。
三 メキシコ在留邦人を含む国内および国外で暮らす日本人で今回のインフルエンザに感染したと疑われる症例及び確認された症例、それぞれの人数と疫学的調査で感染したと推認される場所について答弁を求める。現在のサーベイランス(調査監視)体制は世界保健機構及びメキシコ、米国政府からの情報収集以外にどのようなものがあるのか。今回のインフルエンザに対する新型ウィルス系統調査・保存事業はどの機関においてどのように実施されているのか答弁を求める。また行動計画で言うところの国内における「疑い症例調査支援システム」はどのように機能しているのか答弁を求める。
四 政府として日本国外に短期長期を問わず滞在する日本人に対し感染予防につきどのように注意喚起しているのか。空港や港での注意文書等の掲示だけでは既に出国している日本人への注意喚起にはならないと考えるが見解如何。
五 パンデミックワクチンの開発・製造はいつから行う予定であるのか。またワクチンが接種可能となる時期はいつごろになる見通しか答弁を求める。加えてその接種対象者、順位、接種体制の整備状況についても答弁を求める。あわせて現在都道府県が備蓄する抗インフルエンザ薬の放出はいつからどのような方法で行うのか、また予防投与は国内で一例でも今回のインフルエンザへの感染が確認された段階で開始するのか。また開始する場合の対象者、順位、薬の提供体制の整備状況について答弁を求める。
六 行動計画の「予防・まん延防止」で言うところの水際対策について問う。新型インフルエンザ発生国からの入国・帰国者等を隔離・停留等を行うための公的施設、及び民間のホテル等の宿泊施設の確保について問う。空港ごと港ごとに個別の人数を明記したうえでの現在の確保状況如何。また患者対策として挙げられている新たに接触者を増やさない環境下での入院治療を行うことができる病床数は全国で何床あるのか答弁を求める。
七 行動計画を踏まえ都道府県や市区町村で具体的なマニュアルや役割分担を事前に定めるとされているが未だ定められていない自治体名を問う。未だ定められていない自治体に対して政府としてどのように対応していくのか見解を問う。
八 一般国民の需要急増が予想される衛生資材等(マスク、消毒液等)の生産・流通・在庫等の状況を把握する仕組みは確立されているのか。確立されているのならばその在庫量につき答弁を求める。もし確立されていないのであれば今後どのような対応をとるのか如何。
九 豚肉の安全性について問う。メキシコからの豚肉の輸入量如何。また豚肉が十分加熱された場合は安全であると承知するが、今回のインフルエンザに感染した豚の生肉に接することで感染する可能性が科学的にはゼロではない事を確認されたい。可能性があるのであれば大量の生肉を扱う者に対する対策はどのように講じているのか答弁を求める。
右質問する。
政府答弁書
一について
厚生労働省としては、世界保健機関によるフェーズ四宣言を踏まえ、平成二十一年四月二十八日に感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号。以下「法」という。)第六条第七項に規定する新型インフルエンザ等感染症が発生したことを宣言したところである。その後、同月三十日に、世界保健機関がフェーズ五への引上げを行ったところであり、今後、パンデミックを惹起する可能性はあると認識している。
また、お尋ねの発生段階としては、平成二十一年五月八日正午現在、「第一段階」(海外発生期)にあるものと認識している。
二について
政府としては、御指摘のように「豚インフルエンザが人に感染する可能性は政府としては鳥に比べて低いと考えていた」わけではない。また、御指摘の豚インフルエンザ(以下「新型インフルエンザ」という。)が人から人に感染する事態となった理由については、いまだ解明されていないことが多く、お答えすることは困難である。
また、国内で飼育されている豚においてインフルエンザ感染が疑われた事例としては、平成十七年度に三検体(すべてH一N一亜型)、平成十八年度に四検体(H一N二亜型、H三亜型)、平成十九年度に三検体(H一亜型、H三N二亜型)の事例がある。
三について
平成二十一年五月八日正午現在、米国において、日本人一名が新型インフルエンザに感染したとの情報がある。また、国内において感染が疑われる事例として、法第十二条第一項の規定に基づく医師の届出が行われた事例が十一例あったほか、検疫の際に感染が疑われる事例として、検疫法(昭和二十六年法律第二百一号)第十三条の規定に基づく検査が行われた事例が四例ある。政府としては、現在、御指摘の情報収集のほか、在外公館を通じ、各国政府当局等からの情報収集を行っているところである。
また、御指摘の「新型ウイルス系統調査・保存事業」については、現在、問題となっている新型インフルエンザを対象としては、実施されていない。
さらに、御指摘の「疑い症例調査支援システム」については、法第十二条第一項に基づき医師による届出が行われた事例について、既に同システムに登録が行われているところであり、新型インフルエンザへの感染が疑われた事例に係る臨床情報、疫学情報等につき、地方自治体の職員等の間で情報の共有が行われているものと認識している。
四について
平成二十一年五月八日現在、空港や港等における掲示のほか、外務省及び在外公館のホームページ並びにメールサービス等を通じ、メキシコへの渡航予定者に対し、事態が沈静化するまでの間、不要不急の渡航は延期するよう呼び掛けるとともに、メキシコ以外で新型インフルエンザの感染が確認された国・地域への渡航予定者に対しても、渡航先の感染状況等について最新の情報を入手し、十分注意するよう注意喚起を行っている。
また、海外に滞在している邦人に対しては、メキシコ等における感染状況について情報提供を行い、感染防止対策等に努めるよう注意喚起を行っている。
さらに、関係省庁に相談窓口を設置し、発生国・地域へ渡航を予定している方や現地に滞在している方等からの相談に応じている。
五について
御指摘のワクチンの製造等については、新型インフルエンザの重篤性等も勘案し、季節性インフルエンザワクチンの製造を中断して御指摘のワクチンの製造に切り替えるかどうかの判断を行うこととなるが、現時点では、新型インフルエンザのウイルスの性質等についての情報が不十分であるため、お尋ねのワクチンの製造・開発の予定、接種可能時期等についてお答えすることは困難である。
また、お尋ねの抗インフルエンザ薬の放出の時期及び方法並びに予防投与の開始時期については、基本的に、「新型インフルエンザ対策ガイドライン」に従い、新型インフルエンザの重篤性等も踏まえつつ、対応することとなるものと考えているが、実際に、予防投与を開始する場合の対象者や順位については、新型インフルエンザの重篤性や法第十五条に基づく調査の結果等を踏まえて検討することになると考えている。
さらに、お尋ねの薬の提供体制の整備については、「新型インフルエンザ対策行動計画」に基づき、平成二十一年四月一日現在、リン酸オセルタミビル(タミフル)を三千三百万人分、ザナミビル水和物(リレンザ)を二百六十八万人分を備蓄しているところであり、今後とも、体制整備を図っていくこととしている。
六について
御指摘の施設については、検疫法第十四条第一項第二号に規定する停留を行うため、平成二十一年五月五日現在、成田空港周辺に四百二十九人分、中部国際空港周辺に二百三十一人分、関西国際空港周辺に百三十二人分の個室を確保しているところである。
また、お尋ねの「新たに接触者を増やさない環境下での入院治療を行うことができる病床」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、新型インフルエンザ対策として、平成二十一年三月末時点で、特定感染症指定医療機関に八床、第一種感染症指定医療機関に六十一床、第二種感染症指定医療機関に一万五百三十七床の病床が確保されている。
七について
厚生労働省としては、すべての都道府県において御指摘のマニュアル等を策定しているが、市区町村の中には策定していないところもあると承知しており、これらの市区町村に対しては、都道府県を通じ、マニュアル等を策定するよう指導しているところであり、今後とも指導を徹底してまいりたい。
八について
お尋ねについては、「新型インフルエンザ対策行動計画」に基づき、毎月、業界団体や製造販売業者に対し、衛生資材等の状況についての調査を行っている。その調査結果によると、平成二十一年四月一日時点で、調査対象の製造販売業者の在庫は、一般用の不織布マスクが約五千百八十二万枚、速乾性擦式手指消毒薬が約三百九十キロリットルとなっている。
九について
我が国のメキシコからの豚肉の輸入量は、平成二十年度の速報値では約五万八千百トンである。
また、新型インフルエンザのウイルスについては、現時点では、その性質等が解明されておらず、お尋ねの感染の可能性についてお答えすることは困難である。
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