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「社会福祉士試験漏洩疑惑」に関する質問主意書
衆議院 第166回 第476号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1承知していない ×2
質問本文
「社会福祉士」資格を取得した人は、全国で七万人を超えており、在宅介護支援センター、身体障害者更生援護施設などで介護などの中核的担い手として活動している。この社会福祉士は国家試験に合格したものに与えられる資格である。国家資格である以上、試験は厳格に行われなければならない。ところが「サンデー毎日」六月二十四日号によれば「社会福祉士の試験問題が漏れていた」という見出しの下、昨年十二月に行われた日本社会事業大学における「学内模擬試験解説講座」で心理学試験の出題者が断定的に明らかにされ、しかも模擬試験の中にきわめて類似的な問題が含まれていたという事件が報道されている。この事件は、厳格に行われなければならない国家試験の権威と信頼を揺るがす大きな問題といわざるを得ない。国家試験の信頼性を回復させるためにも適切な対応が求められると考える。よって以下の事項について政府に対し質問をする。
1 昨年十二月十九日から二十一日に日本社会事業大学で行われた「二〇〇六年度 社会福祉士 精神保健福祉士学内模擬試験解説講座」直後に受講者約八百人の間で「漏洩ではないか」という話が広まり、学生からおかしいと指摘された同大学は「対外的に誤解を生む恐れのある箇所がありました」、「このページを切り取り、破棄をお願いします」という文書を学生に郵送している。その後、インターネット上でも情報が流れた。「漏洩疑惑」の問題があるという情報を厚生労働省が最初に知ったのはいつか。
2 厚生労働省が行った「漏洩疑惑」を受けている日本社会事業大学の教授(D教授)に対する事情聴取についてお伺いしたい。
(1) いつ、どこで、何人の厚生労働省の担当者がどのくらいの時間をかけて行ったのか。また、そのような事情聴取は適切なものと考えているか。
(2) D教授は出題者三人をなぜ知ったと考えるか。D教授は「推測」と弁明したとされているが、その「推測」という弁明をそのまま鵜呑みにすべきでないと考えるがいかがか。
(3) 「学内模擬試験解説講座」資料集によれば、〇三年一月実施の第十五回試験以降、第十八回まで年度別に出題者三人の実名を記載している。また、その中には第十五回、第十六回試験は自らも出題者であったことを明らかにしている。これらの出題者は正確なのか。もし正確であれば第十五回、第十六回試験の出題者を意図的に漏らしたことになり、守秘義務違反になると考えるがいかがか。第十七回、第十八回試験出題者名をどこで入手したかについて事情聴取でD教授に質したか。質したとすれば当人はどのように返答したか。その返答をどのように評価するのか。もし質していないとすればなぜしなかったのか。
(4) 「サンデー毎日」によれば、学生の「D先生は『出題者はA、B、Cが五問ずつ持ち寄って、どれを出すかはリーダーのC先生が決める』ということも教えてくれました」という証言を紹介している。この証言は正確なのか。もし正確であれば誰からこの情報を得たかについて事情聴取でD教授に質したか。質したとすれば当人はどのように返答したか。その返答をどのように評価するのか。もし質していないとすればなぜしなかったのか。もしA、B、Cのいずれかの教授が漏らしたとすれば、漏らした教授は守秘義務違反となると考えるが、いかがか。
3 厚生労働省は「社会福祉振興・試験センター」にD教授と心理学試験問題担当者三人のうちの一人である同じく日本社会事業大学のC教授の二人の事情聴取を行わせたか。行わせたとすればいつ、どこで、何人のセンター担当者がどのくらいの時間をかけて行ったのか。厚生労働省はいつその報告を受けたのか。また、そのような事情聴取は適切なものと考えているか。
4 昨年十二月に行われた「学内模擬試験解説講座」直後に日本社会事業大学の受講者約八百人の間で「漏洩ではないか」という話が広まり、インターネット上でも情報が流れた。
(1) 国家試験問題漏洩という重大な問題であるとすれば、当然、日本社会事業大学から厚生労働省に報告があってしかるべきと考えるが、そうした報告はあったのか。なかったとすれば、なぜ報告をしなかったのかという注意を与えたのか。
(2) 学生からおかしいと指摘された大学は、十二月二十五日「対外的に誤解を生む恐れのある箇所がありました」という文書を学生に郵送しているが、この「文書」を作成するにあたり日本社会事業大学から何らかの相談はあったのか。また、「文書」を学生に郵送したという報告はあったのか。
(3) もし(1)、(2)の件で日本社会事業大学から厚生労働省に報告がなかったとすれば、なぜ報告がなかったと考えるか。同大学の事務方の責任者(理事長、専務理事、事務局長)は、全員厚生労働省からの天下りである。報告があってしかるべきと考えるがいかがか。
5 今後、同問題について調査を行う考えはあるのか。あるとすればD教授だけでなく、A、B、Cの三教授さらには日本社会事業大学の対策委員会、学生などにも事情聴取すべきと考えるがいかがか。
右質問する。
政府答弁書
1について
お尋ねの「漏洩疑惑」の意味するところが必ずしも明らかではないが、厚生労働省としては、本年二月五日の匿名の電子メールにより、日本社会事業大学において昨年十二月十九日から同月二十二日まで実施された学内模擬試験解説講座(以下「解説講座」という。)のテキストにおいて、本来公表されない社会福祉士試験委員(以下「試験委員」という。)が担当する出題分野(以下「担当分野」という。)の一部が当該試験委員の氏名とともに記載されていること等について、また、本年三月二十六日のマスメディアからの取材を通じて、第十九回社会福祉士試験の問題が漏洩していた可能性があること等の具体的な情報があることについて、それぞれ承知したところである。
2の(1)及び3について
厚生労働省としては、社会福祉士試験の実施に関する事務を行う財団法人社会福祉振興・試験センター(以下「試験センター」という。)に対し、本年二月七日に、解説講座で配布された冊子を入手し、問題がないか検証するよう指示を行い、同年三月二十六日に、御指摘の「D教授」及び「C教授」への事情聴取を行うよう指示を行ったところである。
御指摘の「D教授」に対しては、本年三月十六日に、試験センターの理事長が試験センターの事務所において事情聴取を行っており、厚生労働省は、同月二十六日に当該事情聴取の結果について報告を受け、社会福祉士試験を担当する部局の職員各一名が、同年四月五日及び同月十四日に日本社会事業大学において、さらに、同年六月七日に電話で、それぞれ事情聴取を行ったところである。
また、御指摘の「C教授」に対しては、本年三月二十九日に、試験センターの理事長が国際電話で事情聴取を行っており、厚生労働省は、同日に当該事情聴取の結果について報告を受けたところである。
これらの事情聴取は適切に行われたものと考えているが、これらの事情聴取に要した時間については、正確な記録が残っていないため、お答えすることは困難である。
2の(2)について
試験委員の氏名については、社会福祉士試験を実施する前に公表しており、第十九回社会福祉士試験においては、試験委員の氏名や問題の出題基準については、解説講座の前に公表されていたところである。
また、御指摘の「D教授」に事実関係を確認したところ、担当分野については、これらの公表された情報及び一般的に明らかな試験委員の学術的な専門領域に基づき推測したものとの回答を得ており、当該回答が虚偽のものであると証するに足る事実は把握していない。
2の(3)について
各試験委員の担当分野については公表していないため、お尋ねの解説講座のテキストにある第十五回社会福祉士試験及び第十六回社会福祉士試験の担当分野の記載が正しいか否かについては、お答えすることは差し控えたい。
御指摘の「D教授」が解説講座のテキストにおいて、「D教授」が試験委員を務めていた第十五回社会福祉士試験及び第十六回社会福祉士試験の担当分野の一部を記載したことについては、一般的に明らかな試験委員の学術的な専門領域から容易に担当分野を推測することが可能であることから、社会福祉士及び介護福祉士法(昭和六十二年法律第三十号)第十六条第一項に規定する秘密保持義務に違反するものと断定することまではできないものと考えている。
また、御指摘の「D教授」に対する事情聴取については、2の(2)についてで述べたとおりである。
2の(4)について
試験問題の作成過程については公表していないため、学生の証言の内容が正しいか否かについては、お答えすることは差し控えたい。厚生労働省としては、2の(1)についてで述べたとおり、社会福祉士試験を担当する部局の職員一名が、本年六月七日に電話で御指摘の「D教授」に対して事情聴取を行い、解説講座の中で御指摘の学生の証言のような発言をしたか否かについては記憶が定かでないが、試験問題の作成過程について、御指摘の「A教授」、「B教授」及び「C教授」から情報提供を受けたことはないとの回答を得ており、当該回答が虚偽のものであると証するに足る事実は把握していない。
4の(1)から(3)までについて
厚生労働省は、御指摘の平成十八年十二月二十五日付けの文書について、日本社会事業大学から事前の相談は受けていない。同大学は、解説講座について、厚生労働省に報告する義務はないが、厚生労働省としては、同大学から本年三月二十六日に、解説講座のテキストにおいて担当分野の一部が記載されていたこと、同大学が御指摘の「D教授」に確認したところ、一般的に明らかな試験委員の学術的な専門領域に基づく推測で担当分野の一部を記載したとの回答が得られたものの、対外的に誤解を生むおそれがあったために当該文書を郵送したこと等の報告を受けたところである。
5について
厚生労働省としては、この答弁書でこれまでに述べたとおりの対応を行ったほか、試験センターから、漏洩していた可能性があるとの指摘のあった第十九回社会福祉士試験の問題と解説講座の問題との比較を行った結果、漏洩はないものと考えられる旨の報告を受けていることから、現時点において、お尋ねのような更なる調査を行うことは考えていない。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1承知していない ×2
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。
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