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救急医療用ヘリコプターの財源等に関する質問主意書

衆議院 第166回 第481号お答えすることは困難 ×2

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2007年7月3日
内閣転送 2007年7月5日
答弁書受領日
2007年7月10日
提出から7日
答弁の項目数
9
質問 2,527字/答弁 1,853字

質問本文

一 一九九九年(平成十一年)十月、試行的事業として岡山県倉敷市の川崎医科大学附属病院高度救命救急センター他一ヵ所において開始された、厚生労働省によるドクターヘリ事業は、二〇〇一年から同省の特別枠である、五ヶ年計画の「メディカルフロンティア戦略」の一つとして位置づけられていたが、どの程度の規模を考えておられたのか。また、この戦略の進捗状況は如何か。

二 ドクターヘリの配備される医療機関については、第三次医療機関とし、厚生労働省が指定するものではなく、各都道府県からの要請によって実行するものではないか。

三 六年が経過した今日、この度初めて「救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法」として制定され、この法文にある「救急医療用ヘリコプター」とは、第二条にある、「救急医療に必要な機器及び医薬品を搭載し、病院の敷地内若しくは当該病院の医師が直ちに搭乗できる場所に配備すること」とあるため、これは救助や消火など多目的に使用される全国に七一機配備されている消防防災ヘリコプターは現状では対象外であり、「ドクターヘリ」のみを指すことになるものなのか。

四 次に、この法文の附則に、「施行後三年を目途として診療に要する費用の負担の在り方等を勘案し、所要の措置を講ずる」とあるが、これは国民負担を前提としているのか。そうである場合、国民に選択の余地はあるのか。

五 この特別措置法の施行について、いくつかお尋ねしたい。阪神・淡路大震災での経験からプリベンタル・デス(防ぎ得た死)をなくすことと医療格差等の是正を目的として始まったドクターヘリが、現在まだ十道県一一ヵ所でしか行われていない原因は何か。

また、この度の法制化で、どのような長期的計画のもとに、財源についてはどのように考えているのか明確にお示しいただきたい。

六 次に、すでに消防防災ヘリはほぼ全国に七一機が配備され、年々出動件数が増加し、平成十七年の統計によると、出動した災害活動件数のうち、救急事案が、二千四百九十二件となっている。消防防災ヘリは、先ほども述べたように、その他にも火災で千百六十一件、救助で千四百八十件、その他地震や風水害の調査などでも出動しており、合計五千三百五十五件となっている。

特に、山岳地や高速道路などにおける多重事故などの際には、ドクターヘリとは異なって、救助隊員がヘリから降下し、負傷者を機体に装備されているホイストによって機内に収容し、直ちに医療機関に搬送する、ということを消防防災ヘリで行っている。つまり、救急の前に救助を行う、というのがドクターヘリとの違いで、ドクターヘリが今後増えた場合、この消防防災ヘリとの役割分担が極めて重要な課題となるわけで、この点について厚生労働省と総務省消防庁はどのような見解か。

七 次に、ドクターヘリの財源に関して、現在一ヵ所当たりに国と県との半分ずつの負担で約一億七千万円の事業補助が行われている。現在は補助事業だが、この法律によって、今後実施数が増えていった場合にこの事業が存続できるか。つまり、都道府県や国民に負担が回される可能性は如何。

ドクターヘリ事業を現在行っている医療機関は、県立が一ヵ所、独立行政法人が一ヵ所の他は、すべて私立の医療機関となっている。この約一億七千万円の使途については、すべてこのドクターヘリのために使われ、かつ監査も当然行われていると思うが如何。

八 現在の事業補助の中から医療機関にも、二千八百万円が支払われているがその目的は何か。現在事業が行われている一一ヵ所については、搭載する救急用資器材についての負担が、医療機関であったり、また運搬するヘリ事業会社であったりと、基準が不明確であるが、厚生労働省の見解は如何。また、搭載する資器材の保守・管理までを、医療については素人であるヘリ事業会社に任せているとの話しだが、その責任体制についてはどのような見解か。

九 また、当初スタート時点では、事業会社が購入して修理改造を行ったドクターヘリは、年間出動を二百五十回と想定して一ヵ所あたり一億七千万円の事業費を算出したものだが、六年後の現在では平均して四百八十回、多いところでは六百五十回弱、つまり倍の出動となっている。現在全てを輸入機に頼っているヘリ事業会社は、機体価格の上昇と、燃料費の高騰に苦しんでいると聞いている。しかし、「人命を救う」という崇高な目的使命のために日夜努力されており、スタート当時と比較すると、ある機種については機体価格が倍以上になっている。加えて為替で極端な円安という問題も重なり、保険料、利息、税金の大幅上昇という形で跳ね返って、このままではドクターヘリ事業そのものが危ういという状況となっており今後の対応は如何。

十 ヘリ業界の二〇〇七年度問題とも言うべき、ベテランパイロット、整備士等の大量退職、また若手育成等で今後の課題が山積している。若手育成のために法制化を機に、一ヵ所あたり一億七千万円という数字を、事業会社等の実態調査をした上で、金額の見直しをする必要があるのではないか。厚生労働省の見解は如何。

ヘリコプターは、航空機の特性として空中停止ができ、人命救助においては大活躍されており、大災害時、例えば新潟県中越地震においても、自衛隊は大量の食糧、飲料、衣料を滑走路もない山間地に直ちに空輸した他、各地から集まった消防防災ヘリ、同じく広域応援にかけつけた警察ヘリなどが、多くの孤立した人たちを救助し、負傷者や急病人を医療機関に搬送したりと、その活躍は目覚ましい。

過去においても、日本の経済発展のために、ダム建設や電力施設の建設、また雲仙普賢岳噴火災害後の緑化事業などで、ヘリ事業会社は日本社会に大きな貢献をした。

国が自ら率先して価格の安いヘリコプターを開発し、低コスト化が実現できると思う。また、安全運航を保障する機器の開発、また天候不良時など安全運航が可能となるような規制緩和が行われれば、同様に低コスト化につながる。わが国におけるヘリコプターの有効活用を更に進めるためには国は本格的な取り組みが必要と思うが見解は如何。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

御指摘の「メディカル・フロンティア戦略」に基づき、旧厚生省では、脳卒中や心筋梗塞を早期に治療開始するとともに、救命救急センター等へ迅速に搬送するため、ドクターヘリの導入を図ることとし、平成十七年度までに十か所の救命救急センターにドクターヘリが配備されている。また、平成十二年九月、旧内閣官房内閣内政審議室が設置した「ドクターヘリ調査検討委員会」に旧厚生省が提出した資料においては、平成十三年度から平成十七年度までに全国三十か所にドクターヘリを配備するという目安を示したところである。

二について

お尋ねの内容が定かではないが、ドクターヘリ導入促進事業(以下「事業」という。)については、事業を実施しようとする都道府県が、第三次救急医療機関である救命救急センターの中から選定した適切な医療機関に対し、ドクターヘリの運航等を要請した上で行うものである。

三について

御指摘の救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法(平成十九年法律第百三号。以下「法」という。)は議員立法によるものであるが、平成十九年六月十五日の衆議院厚生労働委員会における法案提出者の答弁においては、消防機関等が保有している消防災害用のヘリコプターについては、法の対象外である旨の説明がなされていると承知している。

四について

法附則第二項においては、「この法律の施行後三年を目途として、救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の提供の効果、救急医療の提供に要する費用の負担の在り方等を勘案し、救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の提供に要する費用のうち診療に要するものについて、健康保険法(大正十一年法律第七十号)、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)その他の医療に関する給付について定める法令の規定に基づく支払について検討を行い、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする」こととされており、お尋ねの点については、同項の規定に基づき、今後検討を行うこととしていることから、現時点でお答えすることは困難である。

五について

お尋ねのドクターヘリが現在までに十道県にしか導入されていない原因については、都道府県の負担が高額である等の理由から、都道府県において事業の実施に至らなかったことが考えられる。また、お尋ねの財源については、法第八条第二項において、国の都道府県に対する補助に関する規定が設けられたところであり、今後とも必要な予算の確保に努めてまいりたい。

六について

総務省消防庁及び厚生労働省としては、消防防災ヘリは、消火、救助、救急、情報収集等消防防災業務全般にわたる活動を行うものであり、他方、ドクターヘリは、医師が直ちに搭乗し、速やかに傷病者の現在する場所に行き、必要な処置を行うものであることから、消防防災ヘリは、ドクターヘリに比べ、医師による処置が相対的に遅れる点はあるものの、アクセスが困難な場所における救助等において有用であると考えている。なお、ドクターヘリを用いた救急医療の確保に当たっては、法第三条第二項第一号に基づき、地域の実情に応じ、消防機関、海上保安庁その他の関係機関との連携が図られるものと考える。

七について

お尋ねの財源については、法第八条第二項において、国の都道府県に対する補助に関する規定が設けられたところであり、今後とも必要な予算の確保に努めてまいりたい。また、事業に係る補助金については、厚生労働省及び各都道府県において、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号)に基づき、交付の決定、額の確定、実績報告等の事務を適切に行っているところである。

八について

御指摘の二千八百万円の支払いについては、何を指すのか明らかでないので、お答えすることは困難である。また、お尋ねのドクターヘリに搭載する救急医療に必要な医療機器に係る費用負担並びに保守及び管理に関する責任分担については、事業を実施する都道府県において適切に判断されるべきものと考えている。

九及び十について

現行の事業に係る一か所当たり約一億七千万円の補助額は、機体の減価償却費、運航に係る人件費、燃油費等を勘案して算出したものであり、これらの費用等の状況に応じて、今後、適宜見直していく必要があると考えている。

政府においては、今後とも、運航の安全性を確保しつつ、必要に応じ、ヘリコプターの活用に資する対策に取り組んでまいりたい。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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