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我が国が行ったイラク復興支援事業に対する外務省の認識等に関する質問主意書

衆議院 第169回 第315号承知していない ×1

提出者
無所属
提出日
2008年4月21日
内閣転送 2008年4月24日
答弁書受領日
2008年4月30日
提出から9日
答弁の項目数
6
質問 1,754字/答弁 1,219字

質問本文

一 二〇〇三年七月にイラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法、いわゆる「イラク特措法」が成立し、同年十二月より我が国の自衛隊がイラク南部のムサンナ州サマワに派遣されたが、「イラク特措法」が成立してから二〇〇八年度までの、我が国の対イラクODA(以下、「対イラクODA」という。)について、有償資金協力、無償資金協力それぞれの金額、内容等、詳細に説明されたい。

二 政府、特に外務省は、「対イラクODA」をどの様に評価しているか。

三 本年三月十九日付と同年四月十九日付の朝日新聞には、「対イラクODA」で行われた事業には杜撰なものが数多くあることを指摘する記事(以下、「朝日記事」という。)が掲載されている。「朝日記事」によると、ムサンナ州サマワの北東にあるクワシ地区の道路の改修工事(以下、「改修工事」という。)は外務省サマワ連絡事務所(以下、「連絡事務所」という。)が発注したとのことだが、「改修工事」の入札はどの様に行われたのか説明されたい。

四 「改修工事」に、駐イラク日本国大使館(以下、「大使館」という。)はどの様な関与をしたのか説明されたい。

五 「連絡事務所」はじめ「大使館」には、道路工事にかかる技術者等の専門家はいるか。

六 五で、いないのなら、「連絡事務所」が「改修工事」を入札に付し、発注したのはなぜか。

七 「朝日記事」では、「改修工事」により造られた道路のわきには大きな穴が空き、「改修工事」は手抜き工事であったことが指摘されているが、右はいわゆる道路工事の素人である「連絡事務所」が「改修工事」を発注したことが原因であり、その結果税金が無駄に使われたことにつながっているのではないか。

八 「改修工事」の他に「朝日記事」では、サマワ南部のアトシャーン地区に建てられた貯水タンクについては、請負業者が作ったコンクリートの土台に最初の注水でヒビが入り、現在は使われていない、更には、サマワ・オリンピックスタジアム修復工事についても、日本側の指示通りの観客席が作られておらず、ベンチが崩れている等、「対イラクODA」の失敗、杜撰な事例が列挙されている。これらの失敗例は、主に日本側、特に外務省の監督体制の不備によるものと思料するが、外務省はこれら「朝日記事」で指摘されている事業に対してどの様に関わってきたのか説明されたい。

九 八で挙げた事業例のうち、「改修工事」について、「朝日記事」によると、外務省国際協力局無償資金・技術協力課の担当者は「州道路局は『道路の維持管理は自分たちの責任。施工に問題はない』と言っている」と語ったと、更には、「改修工事」もその一つに含まれる、合計約三十五億円に上るムサンナ州で実施された草の根・人間の安全保障無償資金協力について、「事業の発注者は道路なら州道路局。彼らがどのような品質管理をしているかは承知していないが、日本から援助を受けた工事は適正に実施されたという報告は来ている」と述べたと書かれているが、右の外務省国際協力局無償資金・技術協力課の担当者のコメントは、「対イラクODA」のそれぞれの事業が手抜きなくきちんと実行されているか、また、それによって造られた道路等の施設のアフターケアがきちんとなされているか等については、あくまで現地当局の責任であり、外務省にはそれぞれを監督する責務はないということを表しているものと理解して良いか。確認を求める。

十 「朝日記事」によると、「対イラクODA」の最大の障害となっているのはイラク政府高官に広がる腐敗と汚職であり、イラク国家腐敗追放委員会のラディ・ハムザ委員長は二〇〇四年六月以降、イラクにおいて二百四十一件の有罪判決が出され、汚職によってもたらされた損害は百八十億ドルに上ると米議会委員会で証言したとのことであるが、「対イラクODA」について、腐敗、汚職による損失を防ぐべく、外務省としてどの様な措置をとってきたのか説明されたい。

十一 「対イラクODA」について、これまで腐敗、汚職が報告された事例はあるか。

十二 「対イラクODA」に対する外務省の関与は適切であったか。

十三 九で挙げた「対イラクODA」に対する外務省の認識は適切か。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法(平成十五年法律第百三十七号)の成立した平成十五年七月から平成二十年四月までの間、有償資金協力については、電力、運輸、石油、灌漑等の分野において総額約二千四百億円の供与に関する交換公文を署名し、無償資金協力については、電力、教育、水・衛生、保健、雇用、難民・国内避難民支援等のイラク国民の生活基盤の再建及び治安の改善等の分野において総額約千七百八十億円の支援を決定・実施している。

二について

外務省としては、一についてでお答えした協力は、イラク政府の主体的な復興努力を支援し、イラクの復興及び開発に貢献しているものと認識している。

三から七までについて

御指摘の記事に言及のあるイラク南部のムサンナー県サマーワの北東にあるクワシ地区の道路の改修工事は、平成十六年十二月に、我が国の草の根・人間の安全保障無償資金協力により、ムサンナー県道路・橋梁局を被供与団体として、在イラク日本国大使館を通じた資金供与により開始された案件であり、同案件の事業は、同道路・橋梁局により発注されている。在イラク日本国大使館及び在サマーワ外務省事務所(当時)には、道路工事にかかる技術者は配置されていない。

八について

御指摘のそれぞれの事業について、外務省は、イラクにおける被供与団体に対し資金を供与し、資金供与後、在サマーワ外務省事務所(当時)を通じて案件の実施状況のモニタリングを行い、被供与団体からは事業が完了したとの報告を受けている。御指摘のような、貯水タンクに最初の注水でヒビが入ったとの事実は当該報告になく、また、サマーワ・オリンピックスタジアム修復案件についても、観客席の設置は、案件の対象に含まれていなかったと承知している。事業完了後の施設については、被供与団体が計画の目的のため使用する義務があり、また、被供与団体の代表は、維持管理については同団体の責任であると認識していると承知している。

九及び十三について

お尋ねについては、事実関係及び外務省の認識は三から七までについて及び八についてで述べたとおりであり、朝日新聞の取材に対して、外務省国際協力局無償資金・技術協力課の職員が、その旨述べたものと理解している。

十から十二までについて

外務省がイラクに対して政府開発援助の供与を決定する際には、現地の援助需要等を踏まえ、案件の内容や効果等を考慮している。また、案件の実施段階においてもモニタリング等を行い、問題が生じた場合には、イラク政府や実施主体に対して対応を申し入れ、日本側としても問題解決のためにできる限りの支援を実施し、適切に関与していると考えている。

我が国がイラクに対して実施した政府開発援助事業については、イラク側実施主体が適切に入札等を行う措置を取っている。これまで、イラク政府より汚職等の問題につき報告された事例は承知していない。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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