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自衛隊の教育訓練中の死亡事故に関する質問主意書

衆議院 第170回 第203号

提出者
社会民主党・市民連合
提出日
2008年11月6日
内閣転送 2008年11月10日
答弁書受領日
2008年11月14日
提出から8日
答弁の項目数
13
質問 1,516字/答弁 1,334字

質問本文

本年九月九日、広島県江田島市の海上自衛隊第一術科学校での特別警備隊養成課程において、三等海曹が格闘訓練中に頭を強打し、約二週間後に死亡した件で、十月二十二日、海上自衛隊呉地方総監部の事故調査委員会より「中間報告」が発表された。また、防衛省提出による自衛隊の「殉職者顕彰録」の平成十一年以降の抜粋(以下「殉職者顕彰録」という。)によると、毎年、教育訓練中の死亡事故が複数、認められる。

そこで、以下質問する。

一 海上自衛隊特別警備隊について

1 特別警備隊とは、どのような任務を行なう組織か。

2 特別警備隊の任務を遂行するために、どのような人材が必要とされると考えるか。

3 特別警備隊の養成課程への参加資格、基準は設けられているか。設けられている場合、その内容を明らかにされたい。

二 特別警備隊養成課程の訓練内容について

1 特別警備隊養成課程の訓練は、基礎課程は第一術科学校、応用課程は特別警備隊自身がそれぞれ実施していると「中間報告」にあるが、全体を通しての訓練内容についての指導、管理はどこが行なっているのか。

2 「中間報告」によると、“教育時間数は規定されておらず”、格闘訓練については、“教務実施要領は作成されておらず”“その都度、実施要領を口頭で示達する状況”であったとあるが、通常、訓練の具体的内容は、誰がどのように決めているのか。

3 訓練内容について、事前もしくは事後、報告するシステムはあるのか。ある場合、誰がどこにどのような形で報告するのか。

4 養成課程の教官になるための資格、基準はあるのか。ある場合、その内容を明らかにされたい。

三 自衛隊の教育訓練における安全管理体制について

1 「中間報告」によると、意識不明となった三等海曹は第一術科学校衛生課に搬送され、診察した医官は“脳内出血の可能性が高いと判断し”、CTを装備している江田島市内の病院に搬送した。その後、三等海曹を手術可能な呉市の病院に搬送したとあるが、衛生課での医官の診断で、脳内出血の可能性を疑いながら、なぜ、最初から手術可能な呉市の病院に搬送しなかったのか。

2 通常、訓練中、怪我や病気等による隊員の病院への搬送が必要な場合、搬送先や搬送手段の決定は誰が行なうのか。

3 今回の死亡事故に関しては、搬送に時間がかかりすぎたのでは、という指摘が一部報道にあるが、隊員の搬送に問題がなかったのか、防衛省としてどのように判断するか。さらに、その判断の根拠は如何なるものか。

4 「殉職者顕彰録」によると、過去にも教育訓練中、“身体に異常を来たし、死亡”という事例が複数あるが、隊員の怪我や体調不良による訓練中止の判断は、誰が行なうのか。

5 訓練中の医官の現場待機を、教官の判断で要請できる体制はないのか。

6 「殉職者顕彰録」によると、平成十一年以降毎年、教育訓練中の死亡事故が複数あるが、その際、警務隊による捜査、もしくは事故調査委員会による調査は、毎回行なわれているのか。

7 死亡事故後、具体的な防止策が講じられた事例はあるか。ある場合、そのきっかけとなった事故と防止策の内容について明らかにされたい。

四 今回の海上自衛隊特別警備隊の死亡事故の件で、増田好平事務次官は十月十六日の会見で、「通例是認される範囲ということからすれば逸脱したところがあったのでないか」と発言している。また、浜田靖一防衛大臣も、十月二十二日の臨時会見において、「一般の感覚からすれば、ちょっとやり過ぎと言いますか、逸脱というのはどなたが考えても疑問に思うところだ」と述べているが、麻生太郎総理大臣のこの件に関する認識は如何なものか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

海上自衛隊特別警備隊は、海上における警備行動時に不審船の立入検査を行う場合、予想される抵抗を抑止し、その不審船の武装解除等を行う部隊である。

一の2について

特別警備隊には、その任務を遂行するため、体力的、精神的及び技能的に高い能力を有する人材が必要である。

一の3について

特別警備隊の任務を踏まえ、特別警備隊の要員を養成するための課程には、海上自衛隊の隊員からの希望を基に、原則として三等海曹以上、三十歳未満の隊員であって、射撃能力、運動能力、水泳能力に優れていること等の要件を満たしている者の中から、適任者を選考しているところである。

二の1について

お尋ねの訓練内容については、海上幕僚長が特別警備基礎課程及び特別警備応用課程の到達目標及び課目標準を定めるとともに、両課程における教育訓練の実施を監督しているところである。

二の2について

特別警備応用課程については、特別警備隊長が課程課目標準に基づいて課程指導項目を定め、特別警備隊副長が課程指導項目に基づいて教務実施要領を定めることとされている。

二の3について

お尋ねの訓練内容については、一般に、訓練の事前・事後に、必要に応じて、教官から特別警備隊長等に対して報告が行われている。

二の4について

特別警備応用課程の教官については、保有する資格や経験等を総合的に勘案して選考しているところである。

三の1及び3について

防衛省においてこれまで調査を進めたところでは、診察した医官は、学生である三等海曹がいびきをかく状態になったため、脳内出血の可能性が高いと判断し、近隣でCTを装備している青木病院(江田島市)に搬送し、青木病院でのCT撮影の結果、頭部の内出血が見られたため、脳神経外科のある呉共済病院に、江田島市消防局の救急車で搬送したものと思われる。また、医官及び衛生員の事案発生後の対応については、今後慎重に検証を行っていく必要があると考えている。

三の2及び4について

お尋ねの点については、一般には、医官又は衛生員が現場に所在している場合には、その判断も踏まえて、教育訓練を実施している現場指揮官等が行うこととなる。

三の5について

閉所近接戦闘、潜水、射撃等の訓練については、特別警備隊長命令により医官が現場待機すべき訓練として指定されているが、その他の訓練における医官等の対応については、今後検討していく必要があると考えている。

三の6について

警務隊は犯罪があると思料するときは捜査を行い、また、事故調査委員会による調査は関係規則の規定に基づき、必要に応じて行っているところである。

三の7について

一例を挙げれば、海上自衛隊においては、平成十九年四月十日、海上自衛隊第一術科学校の学生が死亡する潜水事故が発生したことを受けて、再発防止策として、教育・指導の徹底、訓練中の監視体制の強化等の措置が講じられたところである。

四について

政府としては、防衛大臣等の見解のとおり、本事案の連続組手は、通例是認される範囲を逸脱したものであったと認識している。防衛省において、引き続き事案の解明を進めるとともに、必要な再発防止策を講じることにより、国民の信頼回復に努めてまいりたい。

衆議院の原文

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