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ヘッジファンド規制の必要性に対する政府の認識に関する質問主意書

衆議院 第170回 第287号

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2008年11月26日
内閣転送 2008年12月1日
答弁書受領日
2008年12月5日
提出から9日
答弁の項目数
4
質問 1,459字/答弁 633字

質問本文

麻生首相は、米国発の金融危機を「百年に一度」と表現し、景気対策費として二十六兆九千億円を計上する「緊急経済対策」を打ち出された。

二〇〇七年五月二十五日の決算行政監視委員会において、私は、尾身財務大臣(当時)に対して「ヘッジファンドは、日本が十年前からゼロ金利政策(一九九九年二月から二〇〇〇年八月までのいわゆるゼロ金利政策とそれに続く金利設定政策、以下同じ)に入ってから、件数が三倍、金額は五倍に増えているが、世界的なヘッジファンドの増加をもたらしている源泉は、日本のゼロ金利政策による資金流出にあるのではないか」という趣旨の質問をした。

これに対し、尾身大臣は、「日本の金利水準が世界のヘッジファンドの増大の中の、これをもたらした大きな要因であるというような因果関係は特別にはなく、いろいろな世界の経済の状況、発展の中でもたらされたものである。」との趣旨の答弁をされた。

また、参考人であった福井日本銀行総裁(当時)は同委員会において、ヘッジファンドに対する規制の必要性に関して、「従来の金融機関のように、これを、つかまえてという言葉は悪いんですけれども、直接規制するということに本当に適した存在かどうか。ファンドマネジャーの所在と、それからファンドそのものは恐らくタックスヘイブンなんかに多く置かれていますし、また、レバレッジをきかせるための借り入れ主体というのはまた別のところに存在しているというふうなぐあいで、大変バーチャルに近い組み立て方になっています。

したがって、直接規制でつかまえるのが効率的なのか、やはり中央銀行あるいは財務省のネットワークでモニタリングの力を強めていくのがより現実的か。私ども中央銀行のレベルで議論いたしましても、やはりモニタリングの強化ということが一番有効な方法ではないかということで、今この方向で努力をしていまして、日本銀行もこれに賛成しております。」と答弁された。

この点、麻生首相の所信表明では、「百年に一度」の世界的金融危機に関してヘッジファンドについては触れておられなかった。

これに関連して、以下質問する。

一 ヘッジファンド規制の必要性につき、リーマン・ブラザーズの破綻を契機とした「百年に一度」の世界的金融危機を迎えた現在においても、直接規制よりもモニタリング強化が望ましいとの認識に変化はないか。

この点、欧州では英国、フランスが主導する形で、国際通貨基金(IMF)の役割の見直しや、金融機関とヘッジファンドに対する国際的な規制の整備をめぐる議論が進んでいるが、日本政府の見解はどうか。

二 質問一に関連して、規制の必要性に関して調査を行った実績があるか。実績があれば、その結果をお示し願いたい。

三 直接規制を行う場合でも、資本が外国か日本かなど、差異を設けることは可能と考えるが、政府の見解如何。

四 世界的なヘッジファンドの増加と、日本のゼロ金利政策がもたらした円キャリー取引等による資金流出との間の因果関係についての認識に変化はないか。政府の見解如何。

五 米国の株価が急落すれば、日本の金融機関は円キャリー取引の清算に失敗した海外のヘッジファンドの不良債権を抱えこむことになり、また、日本の金利が上昇したり、円高が進行した場合、為替差損拡大のリスクを回避するため、ヘッジファンド等が円を買い戻す動きが出ることで円高が加速されることが懸念されるが、円キャリー取引が、日本銀行の金融政策に影響を及ぼしているとの認識はあるか。政府の見解如何。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一及び三について

ヘッジファンドについては、昨年六月七日のハイリゲンダム・サミット首脳宣言において、ヘッジファンド業界による健全な実務慣行の強化や、ヘッジファンドの取引の相手方となる金融機関等によるリスク管理の強化、各国監督当局間の協力等が合意されている。

また、本年十一月十五日にワシントンで開催された金融・世界経済に関する首脳会合においては、金融機関やヘッジファンドに対する規制や監督の在り方について、民間団体にヘッジファンドに関する強化された実務慣行の統一を求め、その適切性を評価すること、金融システムにおいて重要なすべての機関への適切な規制を確保するよう金融規制の範囲を見直すこと等が合意され、首脳宣言に盛り込まれている。

政府としては、ヘッジファンドに対する規制や監督の在り方をめぐるこうした国際的な議論に積極的に参画するとともに、これを踏まえ、適切に対応していく必要があると考えている。

二について

お尋ねの点については、ヘッジファンド規制の必要性等に関連して、金融庁において、平成十七年及び十八年に、ヘッジファンドの実態調査を行った。

四について

平成十九年五月二十五日の衆議院決算行政監視委員会において、尾身財務大臣(当時)が御指摘の趣旨の答弁を行ったが、政府としては、当時の答弁において示した認識に変更はない。

五について

金融政策の運営については、日本銀行において、その時々の経済・物価情勢や市場動向を踏まえつつ、適切に行われるものと考えている。

衆議院の原文

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