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国際協力銀行が二〇〇五年三月三一日にマレーシアのパハン・スランゴール導水事業に対し行った円借款融資に関する質問主意書
衆議院 第171回 第319号
質問本文
標記事業に係る円借款融資について、以下政府に対し質問する。
一 事業の必要性について
イ)現地NGOの指摘では、水需要予測が未だに疑問視されているが、日本政府として事業地における最近の人口増加率や水需要・水供給の傾向を把握しているのか。また把握しているとすれば、その内容を説明されたい。
ロ)水管理の観点や代替案の検討をも含めて、同事業が最善の策であるか、改めて計画を見直すべきであると考えるが、日本政府の見解はいかがか。
二 モニタリング会合について
イ)JICA(国際協力機構)はこれまで、事業の環境及び社会影響に関する住民や現地NGOとマレーシア政府の間の協議の場として、マレーシア政府が主催するモニタリング会合が実施されているとしており、過去に二〇〇二年から二〇〇八年に八回開催されている。しかし、影響を最も受ける住民である先住民族の参加者は各会合で〇から三名のみであり、そもそも先住民族が協議の場に不在であったケースがあることが明らかになっている。そんな中でこれまでのモニタリング会合においてどのような議論がなされたのか。
ロ)影響住民である先住民族が不在のまま、重要な事項が話し合われることは避けなければいけないが、モニタリング会合の透明性を高めるためにも、議事録を公開すべきではないか。公開できないとすれば、モニタリング会合以外で、透明かつ報告・説明責任のあるアカウンタブルな形式の住民協議の場を確保すべきではないか。これらの点に関する日本政府の見解はいかがか。
三 新JICA(旧国際協力銀行の海外経済協力業務と国際協力機構が統合した組織)の環境審査について
イ)「環境審査」は、環境アセスメント報告書や住民移転計画書等のレビュー(講評)と分析、実施機関との折衝、ステークホルダー(利害関係者)からの聞き取り、現地実査等膨大な作業を伴う。ODAの質の確保を実現していくためには、環境社会配慮審査に現在より多くの人数を配置する必要があると考えるがいかがか。
ロ)過去に、案件形成のために行われる調査で、案件形成を急ぐあまり調査期間が十分確保されず、結果的に不十分な調査をもとに形式的な審査が行われた事業があったという情報もある。よって、審査の質を確保するためには、十分な調査期間を確保すること、環境審査の根拠となる諸情報を適切なタイミングで公開することが必要であると考えるがいかがか。
四 JICA研究所について
イ)JICA研究所設立にあたり、旧JICAの国際協力総合研修所と旧JBIC(国際協力銀行)の開発金融研究所による総括及び評価を行っているのか。行っているとすれば、どのように評価したのか。評価されているとしたら、その内容を公開して頂きたいがどのようにお考えか。
ロ)開発に関連する研究所については、既に、世界銀行研究所やアジア開発銀行研究所など国際開発分野の研究所は存在し、日本政府も多額の資金を拠出している。このように、開発に関する研究所に既に日本政府として資金拠出をしている状況の中、なぜ、JICA研究所が必要なのか。JICA研究所にはどのような役割があると考えているのか。
右質問する。
政府答弁書
一について
「パハン・スランゴール導水計画」(以下「本計画」という。)は、マレーシア政府から円借款を供与するよう要請があったもので、マレーシアの水需要を満たし、もってマレーシアの経済社会開発を促進する上で必要なものであり、環境面等の影響も考慮し、また、我が国とマレーシアとの関係の一層の緊密化の必要性等を勘案した結果、円借款の供与を決定したものである。また、マレーシア政府は本計画に加え、地下水の開発、漏水対策の実施、他の地域からの導水等の代替案を検討した結果、水資源量、コスト等の面から本計画が最善であるとの結論に至ったものと承知している。
御指摘の人口増加率や水需要・水供給の最近の傾向については、現在、マレーシア政府に照会しているところであり、引き続き、マレーシア政府に対し、関連情報の提供を求めていく考えである。
二について
御指摘のモニタリング会合は、マレーシア政府によって主催されるものであり、マレーシア政府、住民、NGO、事業関係者等が参加し、本計画の現状、住民の移転計画、本計画に関する環境配慮等について議論が行われていると承知している。
モニタリング会合は個別の補償内容等を扱っていること、また、参加者の自由な議論を確保するという理由から非公開とされており、議事録も非公開であると承知している。政府としても、モニタリング会合は住民との対話を行う重要な場と認識しており、マレーシア政府と住民との対話が促進されるようマレーシア政府に働きかけていく考えである。
三について
政府開発援助事業を実施する上で環境面及び社会面への配慮を適切に行うことは重要であり、政府として、独立行政法人国際協力機構(以下「JICA」という。)に対し、現在、JICAにおいて検討中の環境社会配慮ガイドラインに沿って適切に対応するよう求めていく考えである。
四のイ)について
御指摘の「旧JICAの国際協力総合研修所」については、外務省独立行政法人評価委員会による一連の業務実績評価を受けており、また、御指摘の「旧JBIC(国際協力銀行)の開発金融研究所」については、国際協力銀行が研究業務単独ではなく関連事業分野の一部としての評価を行っており、共に結果を公表してきていると承知している。
四のロ)について
JICAは、開発途上国に対する技術協力、有償及び無償資金協力による協力実施を担う日本で唯一の機関であり、JICA研究所は、御指摘の「旧JICAの国際協力総合研修所」及び「旧JBIC(国際協力銀行)の開発金融研究所」によるこれまでの開発課題に関する調査・研究の成果を活かしつつ、我が国の援助政策に関連した調査・研究及び対外発信を行う役割を担うものと認識している。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。