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冤罪並びに取り調べの全面可視化に対する麻生太郎内閣総理大臣の見解等に関する質問主意書
衆議院 第171回 第509号承知していない ×2
質問本文
一九九〇年、栃木県足利市で当時四歳の女児が殺害されたいわゆる足利事件で容疑者とされ、無期懲役が確定し、服役中だった菅家利和さんが、女児の下着に付着していた体液のDNA型が菅家さんのものとは一致しないとの鑑定結果が出たことを受け、本年六月四日、千葉刑務所から釈放された。右につき麻生太郎内閣総理大臣は、同日夜の首相官邸における記者のぶら下がり取材(以下、「ぶら下がり」という。)において、「冤罪が起きない国にするためには可視化が必要ではないのか」との旨の記者の質問に対して「ぼくは基本的には一概に可視化すれば直ちに冤罪が減るという感じがありません」と答えている。右を踏まえ、質問する。
一 麻生総理は過去に検察による取り調べを受けたことはあるか。
二 冤罪という言葉について、二〇〇七年十月十九日の政府答弁書(内閣衆質一六八第一一一号)では「お尋ねの『冤罪』については、法令上の用語ではなく、様々な意味で用いられることがあるものと承知しており、お尋ねについて一概に答弁することは困難である。」と、それを定義付けるのは困難である旨の答弁がなされている。その一方で、例えば二〇〇七年五月十一日の衆議院法務委員会において当時の長勢甚遠法務大臣は、冤罪について「冤罪という言葉は、いろいろな意味で使われるのかもしれませんが、有罪になった方が実は無罪であったというケースが一般的に冤罪と言われているのではないかと思います。」と述べている。「ぶら下がり」において麻生総理が言う冤罪とは、具体的にどの様な意味を持つものであるのか説明されたい。
三 足利事件において菅家さんが逮捕され、無期懲役が確定したことは、二の冤罪に該当するか。麻生総理の見解如何。
四 現在警察庁、検察庁において、取り調べの一部可視化が実施されていると承知するが、麻生総理として、右の取り調べの可視化が現実にどの様な効果をもたらしているか把握しているか。
五 麻生総理として、取り調べの可視化が直ちに冤罪の減少にはつながらないと認識しているのはなぜか。右の認識は、どの様なデータ、客観的事実に基づいてのものなのか、その具体的根拠を示されたい。
六 菅家さんによると、栃木県警に逮捕された後、同県警の警察官により、髪の毛を引っ張られる、け飛ばされる等の暴行を受け、更には「白状しろ」「早くしゃべって楽になれ」などと言われ、脅しの様な形で自白を強要されたとのことであるが、少なくとも取り調べの全面可視化が実施され、取り調べに当たる警察官の行状が第三者の目にも晒される様になれば、菅家さんが受けた様な非人道的な取り調べを防止することができるのではないか。麻生総理の見解如何。
七 二〇〇二年六月十九日に逮捕され、四百三十七日間勾留された当方は、当方はじめ逮捕された関係者に対する検察官の取り調べの過酷さ、また当方の事件に関連して参考人、証人として呼ばれた人物が、東京地方検察庁特別捜査部より強圧的、誘導的な聴取を受け、検察側にとって都合の良い調書を無理矢理つくらされたことを、自身の経験として知っている。右の経験からも、取り調べの全面可視化は、警察、検察の暴走を抑止し、公正、公平な捜査を実現して冤罪をなくす上で絶対に必要であると考えるが、麻生総理の見解如何。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねについては、内閣総理大臣の職務とは無関係のものであり、お答えは差し控えたい。
二について
政府として、「冤罪」の定義について特定の見解を有しているものではないが、麻生内閣総理大臣は、御指摘の発言において、一般に「冤罪」について、無実の罪、ぬれぎぬ等という意義で用いられることがあるとの趣旨で発言したものと承知している。
三について
政府としては、特定の事件が「冤罪」であるか否かについて特定の見解を有しているものではない。
四について
検察当局においては、裁判員裁判において、自白の任意性に関し、裁判員にも分かりやすく、効果的・効率的な立証を遂げ立証責任を果たすため、裁判員裁判対象事件に関し、検察官の判断と責任において、取調べの機能を損なわない範囲内で、検察官による被疑者の取調べのうち相当と認められる部分の録音・録画を実施しているが、その効果については、自白の任意性を裁判員にも分かりやすく、かつ効果的・効率的に立証するために有用である一方、録音・録画が取調べの真相解明機能に影響を及ぼす場合があることから、録音・録画の実施に当たっては、真相解明の観点から十分な慎重さを要すると評価しているものと承知している。
五について
一般に、検察当局においては、必要な捜査を尽くし、収集し得た証拠を総合的に検討して被告人を起訴し、裁判所においても、慎重な審理を尽くした上で有罪判決を言い渡しているものと承知しており、御指摘の点と取調べの全過程について録音・録画を義務付けることとの関連については、承知していない。
六について
取調べの全過程について録音・録画を義務付けることについては、これまで累次の質問主意書に対する答弁書で述べたとおり種々の問題があるので、慎重な検討が必要であると考えている。
なお、政府としては、御指摘のような事実は把握していない。
七について
お尋ねは、個別の事件に関する事柄であり、また、裁判所において認定されていない事実を前提にした質問であるので、お答えを差し控えるが、一般に、取調べの全過程について録音・録画を義務付けることについては、これまで累次の質問主意書に対する答弁書で述べたとおり種々の問題があるので、慎重な検討が必要であると考えている。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。