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いわゆる足利事件に関連した取り調べの全面可視化導入に対する森英介法務大臣の見解等に関する質問主意書
衆議院 第171回 第510号承知していない ×1
質問本文
一九九〇年、栃木県足利市で当時四歳の女児が殺害されたいわゆる足利事件で容疑者とされ、無期懲役が確定し、服役中だった菅家利和さんが、女児の下着に付着していた体液のDNA型が菅家さんのものとは一致しないとの鑑定結果が出たことを受け、本年六月四日、千葉刑務所から釈放された。右につき森英介法務大臣は、同月五日の閣議後の記者会見(以下、「会見」という。)で、取り調べの全面可視化につき、「全面的に義務付ければ被疑者に供述をためらわせて取り調べ機能を損ない、真相解明に支障をきたす。現段階では全面的に容認する方向での検討は難しい」との旨述べたと承知する。右を踏まえ、質問する。
一 森大臣は検察による取り調べを受けたことがあるか。
二 今次、いわゆる足利事件において容疑者とされ、無期懲役が確定した菅家さんの釈放を東京高等検察庁が決定し、菅家さんが釈放されたことに関し、森大臣としてどの様な見解を有しているか。
三 前文で触れた様に、「会見」において森大臣は、取り調べの全面可視化について、「全面的に義務付ければ被疑者に供述をためらわせて取り調べの機能を損なう」旨述べているが、森大臣としてどの様なデータ、客観的事実に基づき、取り調べの全面可視化が取り調べの機能を損なうと認識しているのか、その根拠を説明されたい。
四 菅家さんによると、栃木県警に逮捕された後、同県警の警察官により、髪の毛を引っ張られる、け飛ばされる等の暴行を受け、更には「白状しろ」「早くしゃべって楽になれ」などと言われ、脅しの様な形で自白を強要されたとのことである。森大臣として、取り調べの全面可視化が取り調べの機能を損なうと認識しているのなら、どの様な方策をもって、右の様な非人道的な取り調べを防止する考えでいるのか、その具体的な考えを説明されたい。
五 取り調べの全過程が録音・録画等の方法により明らかにされ、その様子が被疑者と取り調べを行う者以外の第三者にも明らかになるのならば、少なくとも四で挙げた様な取り調べにおける非人道的な行動を抑止することができるのではないか。森大臣の見解如何。
六 前文で触れた様に、「会見」において森大臣は「現段階では全面的に容認する方向での検討は難しい」と述べているが、森大臣として、現時点で取り調べの全面可視化を行うことが困難というのではなく、それについての検討すら、行うことは困難であると認識しているのはなぜか。
七 森大臣として、いつの段階になれば、取り調べの全面可視化についての検討を行える様になると認識しているのか説明されたい。
八 二〇〇二年六月十九日に逮捕され、四百三十七日間勾留された当方は、当方はじめ逮捕された関係者に対する検察官の取り調べの過酷さ、また当方の事件に関連して参考人、証人として呼ばれた人物が、東京地方検察庁特別捜査部より強圧的、誘導的な聴取を受け、検察側にとって都合の良い調書を無理矢理つくらされたことを、自身の経験として知っている。右の経験からも、取り調べの全面可視化は、警察、検察の暴走を抑止し、公正、公平な捜査を実現して冤罪をなくす上で絶対に必要であると考えるが、森大臣の見解如何。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねについては、法務大臣の職務とは無関係のものであり、お答えは差し控えたい。
二について
検察当局においては、最高裁判所で無期懲役の判決が確定している事件につき、刑の執行停止により受刑者を釈放するに至ったことは、深刻な事態であると重く受け止めており、今後、適宜適切に対処するものと承知している。
三について
検察当局においては、平成十八年八月から、裁判員裁判における被告人の自白の任意性の効果的かつ効率的な立証方策を検討するため、裁判員裁判対象事件に関し、立証責任を有する検察官の判断と責任において、取調べの機能を損なわない範囲内で相当と認められる部分の録音・録画の試行を開始し、平成二十年四月からは、原則として、裁判員裁判対象事件のうち自白調書を証拠調べ請求することが見込まれる事件の全件について、取調べの録音・録画を試行してきたところであり、同年十二月末までに、合計千九百回の録音・録画を実施したものと承知している。
そして、最高検察庁においては、平成二十一年二月、その試行についての検証結果を公表したところであり、その検証結果においては、共犯者の報復等をおそれるなどの理由で被疑者が録音・録画を拒否した事例や、録音・録画を実施したところ否認に転じるなど供述内容が変化した事例等が報告されており、取調べの録音・録画が真相解明機能に影響を及ぼす場合があることが示されているものと承知している。
四及び五について
捜査機関においては、従来から、取調べの適正の確保に努めてきたところであり、最近においても、被疑者の取調べの適正確保のため、逮捕・勾留中の被疑者と弁護人等との間の接見に対して一層の配慮をすることなど種々の措置を講じているものと承知している。
取調べの適正は、種々の問題がある取調べの全過程の録音・録画によらなくても、捜査機関において現に採っている取調べの機能を損なうおそれのない方法で確保し得るものと承知している。
なお、政府としては、御指摘のような事実は把握していない。
六から八までについて
お尋ねは、個別の事件に関する事柄であり、また、裁判所において認定されていない事実を前提にした質問であるので、お答えを差し控えるが、一般に、取調べの全過程について録音・録画を義務付けることについては、三についてで述べたとおり種々の問題があるので、慎重な検討が必要であると考えている。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。