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取調べの全過程可視化に対する野田佳彦内閣の見解に関する質問主意書
衆議院 第178回 第28号
質問本文
本年八月八日、法務省は、犯罪捜査の取調べを録音・録画するいわゆる取調べの可視化について検討し、調査してきた内容をまとめた報告書(以下、「報告書」とする。)を江田五月前法務大臣に提出している。その「報告書」の内容について、過去の政府答弁書(内閣衆質一七七第三八八号)では、「法務省においては、本年八月八日、被疑者取調べを録音・録画の方法により可視化することについて、法務省の政務三役を中心とする勉強会における検討の成果を取りまとめ、『被疑者取調べの可視化の実現に向けて』、『取調べの可視化に関する法務省勉強会の検討結果(概要)』、『被疑者取調べの録音・録画に関する法務省勉強会取りまとめ』、『取調べに関する国内調査結果報告書』、『取調べの録音・録画制度等に関する国外調査結果報告書』及び『取調べの録音・録画に関する取組方針』を公表したところである。このうち『被疑者取調べの可視化の実現に向けて』において、制度としての被疑者取調べの可視化を実現することの必要性等について、『被疑者取調べの可視化が、取調べ状況を客観的に記録し、自白の任意性の的確な判断を容易にするとともに、不適正な取調べの抑制にも資するもので、えん罪を防止するために有効な手段』であって、『取調べの可視化を制度化することは是非とも必要であり、法務省として責任を持って、制度としての可視化を実現していかなければならない』とした上で、『録音・録画の対象とすべき範囲として、まず、裁判員制度対象事件の身柄拘束下における被疑者の取調べが考えられることなど、制度としての取調べの可視化の在り方について一定の方向性を示すとともに、その制度設計の検討に資するよう、検察の運用による取調べの録音・録画を試行的に拡大すべき』こととし、『法務省としては、可視化の趣旨・目的の重要性に鑑み、法制審議会からできる限り速やかに答申を受け、制度としての取調べの可視化を実現していく所存である』としており、今回の取りまとめは、被疑者取調べの可視化の実現に向けた取組として大きな意義があるものと考えている。」との答弁がなされている。右を踏まえ、質問する。
一 「報告書」に対する野田佳彦内閣の見解如何。前文で触れた「報告書」の内容にあるように、取調べを可視化することの意義、またその実現に向け、積極的に取り組んでいくことを、野田内閣としても継承するか。
二 取調べの全過程を可視化することについて、「報告書」では過去の答弁書に「一及び二についてで述べた『被疑者取調べの録音・録画に関する法務省勉強会取りまとめ』においては、『個別の具体的事情を問わずに一律に録音・録画を義務付けるような制度を構築することは適当とは考え難く、録音・録画の必要性と現実性との間でバランスのとれた制度を検討することが必要である』としているところ、その理由として、『現在実施されている取調べ過程の一部の録音・録画であっても一定の効果が認められること』、『全過程の録音・録画記録を視聴する負担は無視できないものとなり得ること』及び『録音・録画によって取調べの機能に支障が生じるおそれが大きいことは否定できないこと』などを指摘している。」とあるように、あくまで慎重な姿勢を崩さないでいる。しかし、現在各場面で施行されている、主に容疑者が自白した後、供述調書の内容を確認する場面のみという、一部のみの可視化措置では、自白に至るまでの取調べにおいてどのようなことがなされたのかがわからず、捜査の適正化を図り、冤罪を防止するためにはかえって有害となることが多いと考えるが、右に対する平岡秀夫法務大臣の見解如何。
三 取調べの可視化、特に一部ではない全過程の可視化に関する、山岡賢次国家公安委員会委員長の見解如何。
四 野田内閣として、検察に限らず、警察による取調べに対しても、今後全過程も視野に入れ、可視化措置を拡大させていく考えはあるか。
右質問する。
政府答弁書
一について
法務省においては、本年八月八日、被疑者取調べを録音・録画の方法により可視化することについて、法務省の政務三役を中心とする勉強会における検討の成果を取りまとめ、公表したところであり、この取りまとめは、先の答弁書(平成二十三年八月十九日内閣衆質一七七第三八八号)一及び二についてで述べたとおり、被疑者取調べの可視化の実現に向けた取組として大きな意義があるものと考えている。
二について
法務省が本年八月八日に公表した「被疑者取調べの録音・録画に関する法務省勉強会取りまとめ」においては、「一般的には、取調べの一部の録音・録画であっても、自分の言葉で事件について話しているか、取調官からの指摘を肯認するのみであるのかなど、録音・録画時の被疑者の言動、態度等を映像及び音声で確認することにより、それ以前の取調べ状況も自ずと明らかになるといえる。現在検察において実施又は試行している取調べの録音・録画では、録音・録画について特段の手順の定まっていない過去の事例とは異なり、録音・録画に係る取調べにおいて、被疑者が供述を尽くしていないのに一方的に取調べを終了することのないようにするとともに、当該取調べの最後に改めて被疑者に取調べの状況等について自由に供述する機会を与えることとしているところである。現に、今般の調査結果を見る限り、具体的な事件において、指摘されているような取調べの一部の録音・録画の問題性が確認されたなどの状況は認められなかった。」とされ、取調べの全過程を録音・録画せず、その一部を録音・録画した場合であっても、被疑者の供述調書の任意性・信用性等に関する裁判所の判断や取調べの適正の確保に一定の効果を有するものとされているところである。
三及び四について
お尋ねについては、国家公安委員会委員長の研究会において、治安水準の維持という観点も踏まえて、取調べの高度化と可視化、捜査手法の高度化等について幅広く検討することとしており、諸外国の取調べ、捜査手法等について調査を行うとともに、我が国の取調べの機能等について順次検討を進めているところである。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。