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放射性物質による健康被害に対する政府の対応に関する質問主意書
衆議院 第179回 第54号検討してまいりたい ×2
質問本文
平成二十三年三月十一日に発生した東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故により、大量の放射性物質が放出され、原子力発電所の周辺地域のみならず原子力発電所から二百キロメートル以上離れた地域でも高い放射線量が測定される等、放射能汚染は広範囲に及んでおり、国民生活に甚大な影響を与えている。しかしながら、政府は、放射性物質の健康への影響について、事故発生直後から「直ちに健康に影響を及ぼす数値ではない」旨の説明を繰り返すばかりで、国民の健康に対する不安を払拭するような情報開示は行われなかった。
右を踏まえ、以下質問する。
一 枝野(当時)官房長官は、福島第一原子力発電所の事故発生当初の記者発表、即ち、三月十六日に行われた記者発表では、原子力発電所から二十〜三十キロメートル圏内の放射線量について、測定された数値が「直ちに人体に影響を及ぼすものではない」と説明し、その三日後、十九日に行われた記者発表では、福島県内で採取された牛乳及び茨城県内で採取されたホウレンソウから暫定規制値を超える放射線量が検出されたことについて、「直ちに、皆さんの健康に影響を及ぼす数値でない」と発言している。
1 右発言について、政府が直ちに健康に影響を及ぼすものではない旨の判断をした根拠を明らかにされたい。
2 右発言について、直ちに健康に影響を及ぼす数値ではないということは、長期的には健康に影響を及ぼすことも否定できない数値であると解することができるが、長期的な健康への影響に対する政府の見解、及びその根拠を明らかにされたい。
3 右発言にみられる事故発生直後の政府の稚拙な発言が、例えば八月十七日福島県の子ども約千百五十人の四十五%に甲状腺被曝の確認が政府の調査結果から明らかにされたように、多くの国民の被曝量増加へと結果的につながったと考える。この点について政府の見解を伺いたい。
二 七月二十三日、細野豪志原発担当相は、福島県民を対象とした放射線の影響を確認する健康調査について、宮城県南部にも拡げることを検討する考えを示したと了知している。
1 右原発担当相の発言から既に三月以上経過している。右に関して、政府は、どのような検討を行ってきたのか、明らかにされたい。
2 福島県境に住む国民の健康への不安を払拭するために、さらには、福島県民及び福島県周辺に住む国民の健康状態に関する医学的な調査結果を公表することによって国外の風評から国民、国益を守るために、政府として福島県境に住む国民の健康調査を早急に実施すべきと考えるが、政府の見解を伺いたい。
右質問する。
政府答弁書
一の1について
枝野内閣官房長官(当時。以下同じ。)は、平成二十三年三月十六日午後の記者会見において、専門家等により人体への放射線影響に係る一般的な説明を受けていたことを踏まえ、文部科学省の行ったモニタリング結果について、直ちに健康に影響を及ぼす数値ではない旨述べた。また、同内閣官房長官は、同月十九日午後の記者会見において、原子力安全委員会事務局より、当時検出された放射性物質濃度の牛乳及びほうれんそうを仮にそれぞれ日本人の年平均の摂取量を摂取した場合の被ばく線量について、牛乳においてはCTスキャン一回程度、ほうれんそうにおいては同五分の一回程度に相当するとの報告を受け、直ちに健康に影響を及ぼす数値ではない旨述べた。
一の2について
放射線による長期的な健康への影響としては、いわゆる確率的影響が考えられるところ、原子力安全委員会においては、平成二十三年五月二十日に「低線量放射線の健康影響について」を公表し、その中において、「「確率的影響」には、被ばくから一定の期間を経た後にある確率で、固形がん、白血病等を発症することが含まれます。がんのリスクの評価は、疫学的手法によるものが基礎となっています。広島や長崎で原子爆弾に起因する放射線を受けた方々の追跡調査の結果からは、百ミリシーベルトを超える被ばく線量では被ばく量とその影響の発生率との間に比例性があると認められております。一方、百ミリシーベルト以下の被ばく線量では、がんリスクが見込まれるものの、統計的な不確かさが大きく疫学的手法によってがん等の確率的影響のリスクを直接明らかに示すことはできない、とされております。このように、百ミリシーベルト以下の被ばく線量による確率的影響の存在は見込まれるものの不確かさがあります。」としている。
一の3について
政府としては、東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故発生後、避難区域の設定、飲食物の摂取制限等、人々が受ける線量を減らすための措置を講じてきたところであり、また、住民の内部被ばくに係る測定状況について、次のとおり把握している。
原子力災害現地対策本部において、平成二十三年三月二十四日から同月三十日にかけて、いわき市、飯舘村及び川俣町において小児を対象に甲状腺からの線量率を測定したところ、有効な結果が得られた小児千八十人の五十五・四パーセントにおいては、同線量率が毎時〇・〇〇マイクロシーベルト、これを含む九十九・〇パーセントにおいては、同線量率が毎時〇・〇四マイクロシーベルト以下であり、同線量率が最大となった小児においても毎時〇・一マイクロシーベルトであったことから、原子力安全委員会が原子力災害対策本部等に助言したスクリーニングレベルである同線量率が毎時〇・二マイクロシーベルトを超える小児はいなかったという結果が得られている。
また、原子力災害対策本部及び福島県において、同年六月二十七日以降、浪江町、飯舘村、川俣町等の住民を対象に全身からの線量率等を測定しているところ、同県によれば、同年九月三十日までに測定の対象となった住民四千四百六十三人(以下「対象住民」という。)の九十九・六パーセントにおいては、体内に取り入れられたセシウム一三四及びセシウム一三七による預託実効線量、すなわち、内部被ばくにより生涯にわたって受けるとされる全身の線量が一ミリシーベルト未満であり、同線量が最大となった対象住民においても、三ミリシーベルトであったとのことである。
二について
宮城県を含む福島県周辺に住む住民の方々の健康調査については、各県の要望を踏まえた上で、検討してまいりたい。なお、宮城県においては、平成二十三年十月二十五日に第一回の宮城県健康影響に関する有識者会議が開催され、同県における健康調査の必要性について検討が行われており、政府としては、その検討状況を踏まえ、対応を検討してまいりたい。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。