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自殺した自衛官を巡る訴訟問題に対する防衛省の対応の是非に関する質問主意書

衆議院 第186回 第207号

提出者
無所属
提出日
2014年6月10日
内閣転送 2014年6月16日
答弁書受領日
2014年6月20日
提出から10日
答弁の項目数
4
質問 2,350字/答弁 328字

質問本文

二〇〇四年、海上自衛隊の護衛艦「たちかぜ」に勤務していた当時二十一歳の一等海士が自殺した事件(以下、「たちかぜ事件」という。)につき、本年四月二十三日、東京高等裁判所で二審判決が下された。東京高裁の鈴木健太裁判長は、一等海士の自殺と上司によるいじめの因果関係を認め、「上司が調査や適切な指導をしていれば、自殺は回避できた可能性がある」とし、国と上司の元二曹に計四百四十万円の賠償を命じた一審横浜地裁判決を変更して、約七千三百万円の賠償を言い渡した。右の判決に対し、過去の答弁書(内閣衆質一八六第一四〇号)で政府、特に防衛省は「御指摘のいわゆる護衛艦『たちかぜ』乗員であった一等海士(当時)の自殺事案(以下「本件事案」という。)の東京高等裁判所の判決(以下「東京高裁判決」という。)において、一等海士(当時)の自殺について、二等海曹(当時)の暴行及び恐喝並びに上司職員らの指導監督義務違反との間の相当因果関係が認められたこと、本件事案に関連して実施された艦内生活実態アンケートに対する各乗員の回答が記載されたアンケート用紙(以下「アンケート原本」という。)等に関する情報公開請求に対する文書の特定作業において、海上自衛隊横須賀地方総監部監察官(当時)及び護衛艦『たちかぜ』の艦長(当時)が、アンケート原本等を保存していたにもかかわらず、これらを特定せず隠匿した行為が違法であるというべきである旨判示されたこと等を重く受け止めており、再発防止に努めていく考えである。」との見解を示している。右と「政府答弁書」(内閣衆質一八六第一八五号)並びに過去の一連の答弁書を踏まえ、質問する。

一 今回、遺族の主張が全面的に認められるに至った背景には、「たちかぜ事件」が起きた後に行われた、いじめ行為の有無について調査したアンケート(以下、「アンケート」とする。)の存在が、現職の三等海佐の内部告発によって明らかにされたことがある。右について過去の答弁書では、「これまでの防衛省の調査では、不適切な文書管理が行われていたこと、アンケート原本に関する情報公開請求に対する不適切な対応があったこと、アンケート原本の存在を認識した担当者による報告の遅延があったこと等が、アンケート原本が平成二十四年六月二十日までの間不存在とされてきたことの原因であることが判明している。」とされている。右の「不適切な文書管理」、「アンケート原本に関する情報公開請求に対する不適切な対応」、「アンケート原本の存在を認識した担当者による報告の遅延」が生じたのはなぜか、誰の指示により、右の行為がなされたのか、官職氏名を明らかにしたうえで明確に答えられたいとの問いに対し、過去の答弁書では「(前略)指示に基づきなされたものではなく、関係職員において、行政文書の管理を適正に行うために必要な法令に関する知識が不足していたこと、情報公開業務の重要性に対する認識が十分でなかったことなどの理由により生じたものであることが明らかになっている。」とされている。右の「関係職員」とは誰を指すのか、その官職氏名を問うたが、「政府答弁書」では「現在継続中の調査の具体的内容に関わる事柄であるので答弁を差し控えたい。」とされている。政府、防衛省として、「たちかぜ事件」に関しては上告を断念し、判決内容を受け入れることを表明しているはずである。訴訟そのものは終わっているのにも関わらず、「現在継続中の調査…」云々と理屈をつけて答弁を避けるのはなぜか説明されたい。

二 一の「調査」はいつまでをめどに終了するのか説明されたい。

三 一の「調査」が終わり次第、「関係職員」が具体的に誰を指しているのか、政府、防衛省として明らかにする考えでいると理解してよいか。

四 過去の答弁書の答弁には、「アンケート」の存在を指摘した三等海佐の処分を巡る種々報道について「承知していない」とされている。しかしその一方で、別の答弁書では、それが閣議決定された本年五月十三日夜の記者会見において、河野克俊海上幕僚長が三等海佐について「公益通報者保護法の趣旨を踏まえ、処分するつもりはない」と述べている。閣議という重い手続きを経て決定された答弁書では三等海佐に関することを何も述べず、その後の記者会見で明らかにするというのは、国民から選ばれた国会議員を軽視する行為であり、国民を軽視していることに他ならない。右の経緯に関連し、閣議にかけられる前に当該答弁書の作成が終わった日、時、分と、「三等海佐に対する調査」が終了した日、時、分を問うたところ、「政府答弁書」では「先の答弁書(平成二十六年五月十三日内閣衆質一八六第一四〇号)については、平成二十六年五月七日に防衛省において起案され、同月八日に同省内の決裁を終え、同月十三日の閣議において決定されたものである。他方、三等海佐に対する調査が終了したのは、同日午前十時頃である。」とある。「三等海佐に対する調査」の結果が最終的に終了したのが五月十三日午前十時であっても、そのおおよその結果は当該日にち以前に防衛省内で把握されていたはずである。それならば、当該答弁書においても、三等海佐を処分する考えはない旨の答弁があってしかるべきであり、それをせず、河野幕僚長の記者会見でその話が出るのは、質問主意書を軽視し、国民の代表たる国会議員、ひいては国民を軽視する所業であると言わざるを得ないと考える。右に対し「政府答弁書」では「先の答弁書(平成二十六年五月二十七日内閣衆質一八六第一六五号)五及び六についてでお答えしたとおりである。」との答弁がなされている。右答弁は、小野寺五典防衛大臣が判断し、作成されたものであるか。確認を求める。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

防衛省においては、これまでの調査の結果に加え、御指摘のいわゆる護衛艦「たちかぜ」乗員であった一等海士(当時)の自殺事案の東京高等裁判所の判決において判示された内容も踏まえ、関係者の責任等について調査を実施しているところであるため、先の答弁書(平成二十六年六月六日内閣衆質一八六第一八五号。以下「前回答弁書」という。)一についてで述べたとおり答弁したものである。

二について

お尋ねについては、前回答弁書三についてでお答えしたとおりである。

三について

防衛省としては、関係者の責任等についての調査が終了した後に、判明した事実に基づき適切に対処する考えである。

四について

前回答弁書については、防衛省内で大臣の決裁を経た上で、閣議決定している。

衆議院の原文

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