ことばで探す › 衆議院 第186回
九州電力川内原子力発電所の火山影響評価に関する質問主意書
衆議院 第186回 第274号お答えすることは困難 ×1
質問本文
九州電力川内原子力発電所は現在、原子力規制委員会による新規制基準適合性審査が行われているが、原子力発電所から約五十キロメートルにある姶良(あいら)カルデラとよばれる巨大な火山におけるカルデラ噴火(巨大噴火、破局的噴火とも呼ばれる)による影響が懸念されている。姶良カルデラは、桜島を含む、鹿児島湾北部が一つの巨大な火山になっており、約三万年前にはカルデラ噴火が発生したことが確認されている。この時に発生した火砕流について、九州電力は川内原子力発電所の敷地に到達した可能性を認めている。
このカルデラ噴火の可能性については、火山学者から多くの警告が出ている。にも関わらず原子力規制委員会が、火山学者抜きで、巨大噴火の兆候の把握が可能であることを前提に審査を実施していることに対しては有識者からも強い批判が出ており、近隣自治体からも懸念の声が示されている。
以下、質問する。
一 火山の専門家の関与について
1 火山影響評価ガイドの策定及び、川内原子力発電所の新規制基準適合性審査にかかわる原子力規制委員会委員及び原子力規制庁職員の中に、火山学者等火山に対して専門的知見をもったと認められる「火山の専門家」はいない、ということで間違いないか。
2 平成二十六年五月二十八日の参議院原子力問題特別委員会において、竹内大二原子力規制庁原子力安全技術総括官は、平成二十五年六月に原子力規制委員会が出した「原子力発電所の火山影響評価ガイド」の策定にあたり、「旧JNES、原子力安全基盤機構におきまして検討した際には、外部の有識者を交えて三回実施しておりまして、計四人の外部の有識者の意見を聞いております。」と答弁しているが、いつ、誰から、どのような意見を聴取したのか、具体的に示されたい。当該議事録がどこで公開されているかを明らかにされたい。明らかにされていない場合は、その理由を示されたい。
二 運用期間中に火砕流が到達する可能性について
1 九州電力は、当該カルデラ噴火発生時に、川内原子力発電所の周辺にある加久藤・小林、姶良、阿多の三つのカルデラからの火砕流が、川内原子力発電所に到達する可能性があることを前提に対処方針を策定するとしている。したがって、原子力規制委員会としても、到達の可能性があることを前提に規制を行う方針であるということで間違いないか。
2 「火山影響評価ガイド」は「(火砕物密度流、溶岩流等の)設計上対応不可能な火山事象が原子力発電所運用期間中に影響を及ぼす可能性が十分に小さいと評価されない場合は、原子力発電所の立地は不適と考えられる」と定めているが、ここでいう「運用期間」の定義を示されたい。具体的には、運転期間とは異なった概念であり、運転終了後であっても使用済み燃料が存在するうちは運用期間である、という理解でよいのか。川内原子力発電所の場合、「運用期間」はどのくらいの期間を想定しているのか。政府の認識を明らかにされたい。
3 平成二十六年五月二十八日の参議院原子力問題特別委員会において田中俊一原子力規制委員長は、「姶良でいうと三万年くらい前に起こって、大体数万年、九万年とかそういった間隔で起こる」と答弁している。姶良カルデラのカルデラ噴火が九万年周期であるとする根拠は何か。
4 九州電力も、姶良カルデラのカルデラ噴火の周期について同様の主張をしているが、九州の四つのカルデラをまとめて過去の噴火履歴を平均した場合、カルデラ噴火がどこかで生じる間隔が約九万年間隔である、という事実があるにすぎない。当該の姶良カルデラについては、約三万年前のカルデラ噴火の前は噴火履歴が不明であり、他のカルデラについても噴火間隔は一定ではない。「個々の火山について、噴火の周期から次の噴火の予測をすることはできない」という趣旨の発言を火山噴火予知連絡会の藤井会長もしているが、政府は、個別の火山である姶良カルデラについて、噴火周期から次の噴火を予測することは可能であるという認識か。可能であるというのであれば、その根拠は何か。明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一の1について
原子力規制委員会の委員及び職員は、火山影響評価に係る安全研究の推進、学術論文の収集等を通じて、火山に係る国内外の知見の蓄積に努めているところである。
一の2について
原子力発電所の火山影響評価ガイド(平成二十五年六月十九日原子力規制委員会決定。以下「火山影響評価ガイド」という。)の作成に当たっては、原子力規制委員会と統合した独立行政法人原子力安全基盤機構(当時)において、平成二十五年三月十四日及び同年四月二日に研修会を開催するとともに、同年五月二十七日に検討会を開催し、中田節也国立大学法人東京大学教授、藤田英輔独立行政法人防災科学技術研究所主任研究員、山崎晴雄公立大学法人首都大学東京教授及び山元孝広独立行政法人産業技術総合研究所主幹研究員の計四名から原子力発電所に対する火山による影響の評価について意見を聴いたところである。研修会の議事要旨は作成していないが、検討会の議事要旨は同委員会のホームページで公表している。
二の1及び4について
九州電力株式会社川内原子力発電所(以下「川内原子力発電所」という。)の火山影響評価については、原子力規制委員会において、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)第四十三条の三の六第一項第四号の規定に基づき定められている実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則(平成二十五年原子力規制委員会規則第五号)等に係る適合性審査を実施中であることから、現時点でお答えすることは困難であるが、設置変更許可を行った段階で、評価をお示しすることが可能となる。なお、火山影響評価ガイドにおいては、原子力発電所の「運用期間中の火山活動の可能性が十分小さいと評価した火山であっても、・・・噴火可能性が十分小さいことを継続的に確認することを目的として運用期間中のモニタリングを行う。」、「モニタリングにより、火山活動の兆候を把握した場合の対処方針等を定めること。」等が記載されている。
二の2について
火山影響評価ガイドにおいて、原子力発電所の運用期間とは、原子力発電所に核燃料物質が存在する期間をいうものとされている。また、個々の原子力発電所の運用期間については、一義的には事業者の判断により定まるものであり、政府としてお答えする立場にない。
二の3について
御指摘の答弁は、川内原子力発電所に係る設置変更許可申請書を踏まえてなされたものである。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。