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「個人請負型就業の現状と今後の対応」に関する質問主意書
衆議院 第189回 第429号
質問本文
一 近年、急速な社会構造の変化に伴い、労働者の働き方も多様化していることは周知の事実である。そのような働き方の一つに、「個人自営業者であっても、一つの企業と専属の委託業務契約や請負契約を交わし、常駐に近い形で就業する、いわゆる個人請負型就業者(ディペンデント・コントラクター)という形態がある。
この個人請負型就業者に関して、平成二十一年八月、厚生労働省政策統括官(労働担当)の招集により、「個人請負型就業者に関する研究会」(以下「研究会」という。)が立ち上げられ、ヒアリング・アンケート調査による実態把握と、課題があった場合に講ずるべき措置が検討された。この研究会で検討された事項については、翌二十二年四月、「個人請負型就業者に関する研究会報告書」(以下「研究会報告書」という。)として取りまとめられている。
研究会報告書では、個人請負型就業者の就業について「既存の制度や法律の適用から漏れている場合が見られるといった問題が指摘されている」が、「これまでその実態を正確に把握できておらず、課題や対応策も整理できていない状況にある」ため、「実態把握を行うとともに、実態を踏まえた施策の方向性について検討する」べきだと指摘する。具体的には、実態上事業者と雇用関係にある労働者が、請負契約や委託契約を締結する個人自営業者として扱われることによって労働法による保護を受けられないケースや、業務委託契約における労働者保護ルールの未整備に起因するトラブルがあるという指摘である。
その上で、これらの課題に対する今後の政策的対応の方向性として、以下の�@から�Dを示している。
すなわち、�@求人情報の利用者が不利益を被らないよう、求人情報の掲載基準について、行政と求人情報業界とが連携してガイドライン作成を検討、�A企業が個人請負型就業者を活用する場合に守るべき事項、注意すべき点等を盛り込んだガイドライン作成を検討、�B働く側、発注側のそれぞれに対し、業務委託・請負で働くことと、雇用されて労働をすることの違いについて行政が周知・啓発、�C就業者や活用企業にとって、労働者性の判断がしやすくなる方法を検討、�D就業者、求人情報提供事業者、活用企業に対し各種制度や利用可能な相談窓口等について行政がわかりやすく情報発信、という五点である。そして、研究会報告書は「本報告書を受けて関係者により適切な対応・措置が講じられるよう期待する」と締めくくられている。
1 研究会では、アンケート調査による実態把握が行われたが、これ以降、政府において実態把握に向けた調査等を行ったか。もし行っていないとすればその理由如何。今後検討や対策を行っていくべきだと考えるが、政府の見解を求める。
2 研究会報告書で挙げられた今後の政策的対応の方向性�@から�Dについて、それぞれ、具体的にどのような検討がされ、実際にどのような対応がとられたか。もし検討、対応がされていないとすれば、その理由如何。検討や対策を行っていくべきだと考えるが、政府の見解を求める。
二 一方、他の研究会等においても同様の指摘がされている。
例えば、「『ライフスタイルの選択と雇用・就業に関する制度・慣行』についての報告」(平成十六年七月二十一日男女共同参画会議影響調査専門調査会)では、個人請負型就業者は、「雇用と自営の中間的な形態の就業者で」あるため、「就業実態を把握する必要」があり、「就業形態についてのガイドラインの制定等による契約ルールの適正化、就業条件の安定」を図る必要があると指摘している。
また、「生活安心プロジェクト(行政のあり方の総点検)」(平成二十年四月三日国民生活審議会)では、同様の問題点を指摘したうえで、「まず厚生労働省において、これらの働く人の実態を把握した上で制度の見直しも含めて適切な措置を講ずることが重要であり、また内閣府においても、実態把握や府省庁間連携のための方策について検討することが適当である」と指摘している。
これらの指摘を踏まえれば、労働者保護規範の趣旨・目的に照らして、個人請負型就業者の労働について柔軟な保護が図られて然るべきである。
1 これらの指摘を踏まえて、実態把握、ガイドライン制定等の措置、府省庁間連携のための方策について検討や対策がなされたか。もし行っていないとすればその理由如何。早急に検討や対策を行っていくべきだと考えるが、政府の見解を求める。
右質問する。
政府答弁書
一及び二について
お尋ねについては、御指摘の男女共同参画会議影響調査専門調査会及び国民生活審議会による提言等を踏まえ、平成二十一年に厚生労働省で開催された「個人請負型就業者に関する研究会」において、平成二十一年度に「個人請負型就業者に関する調査委託研究」が行われ、その結果を踏まえ、御指摘の�@から�Dの政策的対応の方向性が示されたところである。その後、同省において、平成二十三年度において「雇用類似の関係にある請負自営業者の労働者性に関する調査研究」及び平成二十四年度において「雇用類似の関係にある個人請負事業者の労働者性に関する調査研究」を行い、それらの結果も踏まえて検討した結果、御指摘の�@、�A及び�Cについては、個人請負の在り方は業種、職種等により異なってくるものであることから、一律なガイドラインや判断基準を示すこととはしなかったところである。
また、御指摘の�B及び�Dについては、平成二十二年に同省が作成したハンドブック「知って役立つ労働法」において、業務委託又は請負の契約に基づき就業する際の留意点についての解説及び労働関係法令の適用の有無を整理した表並びに労働問題に関する相談窓口について記載しており、その内容を同省のホームページ等において公表するとともに、周知を行っているところである。
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