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アウトソーシング業界における社会保険に関する質問主意書

参議院 第169回 第41号お答えすることは困難 ×2承知していない ×2

提出者
参議院
提出日
2008年2月20日
内閣転送 2008年2月25日
答弁書受領日
2008年2月29日
提出から9日
答弁の項目数
8
質問 1,689字/答弁 1,850字

質問本文

近年、グローバル競争の激化や規制緩和等、企業と労働者を取り巻く環境の変化に伴い、とりわけ製造業の現場において、派遣労働者や請負労働者が急激に増えている。昨年八月に経済産業省が発表した「モノ作りを支える人材関連サービスの高度化に向けた研究会とりまとめ」によると、「物の製造に係る派遣労働者数が十一・六万人、請負労働者数が八十六・六万人、併せて九十八・二万人の外部人材が働いている」とのことであり、今や製造現場の労働者の二割が派遣や請負労働者である。

これらの外部人材を供給する人材ビジネス事業者の中には、請負発注者・派遣先と結託し、利益最優先・コスト削減優先の原理により、労働者の社会保険加入を疎かにしたり、いわゆる「偽装請負」という形で事業展開を進める悪質な事業主が相当数存在している。その結果、遵法主義を貫く人材ビジネス事業者は競争に勝てず、経営危機に直面する事態も生じている。まさに「悪貨が良貨を駆逐する」状態である。そんな中、公表されている日雇派遣労働者の雇用の安定等を図るために派遣元事業主及び派遣先が講ずべき措置に関する指針(案)(以下、「指針案」という。)の中で社会保険、とりわけ健康保険法上の諸課題について以下、質問する。

一 厚生労働省の二〇〇五年九月の派遣労働者実態調査結果によると、派遣労働者の七・九パーセントが労働・社会保険に加入してほしいと回答している。一方で、アウトソーシング業界においては、請負事業主・派遣事業主の実に九十七パーセント以上の事業主が社会保険未加入との情報が流れていると聞いている。政府は派遣労働者並びに請負労働者はそれぞれ、どのくらいの割合が雇用保険、健康保険、厚生年金保険に加入していると認識しているのか。厚生労働省が行った二〇〇五年度の労働力需給制度についてのアンケート調査結果も踏まえ、政府の見解を明らかにされたい。

二 健康保険法では、健康保険法施行規則百四十五条に基づき、日雇労働者を雇用している事業主は、被保険者本人からの日雇特例被保険者手帳の提示がなくても、健康保険印紙購入通帳の申請が義務であると承知しているが事実か。

三 日雇派遣(スポット派遣)を行っている事業主は、健康保険印紙購入通帳の申請を、被保険者本人からの日雇特例被保険者手帳の提示がなくても、あらかじめ行うべきではないか。

四 昨年二月に株式会社フルキャストから雇用保険印紙購入通帳の交付申請を厚生労働省が受けて以降、株式会社フルキャストをはじめとする日雇派遣事業主に対して健康保険印紙購入通帳の交付申請を指導してこなかったのは、職業安定局と保険局の連携不足であり、厚生労働行政の怠慢なのではないか。

五 日雇派遣(スポット派遣)を行っている事業主において、社会保険の適用を逃れるために二ヶ月間の契約が横行している事実を政府は掴んでいるか。掴んでいるとすればその実態を明らかにされたい。

六 労働者派遣事業の許可を受けている事業主から、これまで健康保険法第三条二項に基づく日雇特例被保険者健康保険適用除外承認申請が提出されたケースはほとんどないと承知しているが、あるとすれば年度毎の件数を明らかにされたい。

七 指針案では、日雇派遣労働者の定義として、雇用保険法の定義を準用し「日々又は三十日以内の期間を定めて雇用される者」としているが、健康保険法では、二ヶ月以内の期間を定めて使用される者が日雇特例被保険者制度の対象となっている。なぜこのような違いが生じているのか。

八 右七の制度の違いを悪用した二ヶ月契約が横行している現状に鑑み、指針案における日雇派遣労働者の定義を「二ヶ月以内」に改めて、二ヶ月以内の契約を複数の派遣元事業主と繰り返して働くことで生計を立てているような派遣労働者についても、指針案による権利保護を図るべきではないか。

九 総務省勧告にもある通り、雇用保険と社会保険の行政事務の一本化がなかなか進んでいないが、健康保険法上の日雇特例被保険者手帳並びに雇用保険法上の日雇労働被保険者手帳の一本化を検討するべきではないか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

厚生労働省が平成十七年に実施した「労働力需給制度についてのアンケート調査」によると、派遣労働者が労働・社会保険に加入している割合は、雇用保険が八十八・七パーセント、健康保険が八十五・一パーセント、厚生年金保険が八十二・四パーセントとなっており、また、請負労働者が労働・社会保険に加入している割合は、雇用保険が九十一・二パーセント、健康保険が八十二・五パーセント、厚生年金保険が七十六・〇パーセントとなっているが、当該アンケート調査は、派遣労働者及び請負労働者から得た回答を単純に集計したものである。お尋ねの加入状況をお示しするためには、派遣労働者及び請負労働者の雇用保険、健康保険及び厚生年金保険への加入義務の要否について、雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)その他の関係法令に基づき、当該労働者の雇用契約及び就労実態に応じて判断した上で改めて算出しなければならないものであることから、お尋ねの加入状況について、当該アンケート調査の結果をもって一概にお答えすることは困難であり、また、新たに調査することは作業が膨大なものとなることから、お答えすることは困難である。

二及び三について

健康保険法(大正十一年法律第七十号)第三条第三項に規定する健康保険の適用事業所の事業主は、同条第八項に規定する日雇労働者を使用する場合には、同条第二項に規定する日雇特例被保険者であるか否かにかかわらず、健康保険法施行規則(大正十五年内務省令第三十六号)第百四十五条第一項の規定に基づき、健康保険印紙購入通帳の交付を受けなければならないこととなっている。

四について

労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則(昭和四十七年労働省令第八号)第四十二条第一項に規定する雇用保険印紙購入通帳や健康保険法施行規則第百四十五条第一項に規定する健康保険印紙購入通帳の交付申請については、それぞれの関係法令に基づき、本来、事業主が適正な手続を行わなければならないものであり、事業主が雇用保険印紙購入通帳の交付申請を行ったことをもって、直ちに社会保険庁が健康保険印紙購入通帳の交付申請を指導する仕組みとはなっていない。しかしながら、厚生労働省としては、事業主に対し、関係法令に関する周知を図っていくことが重要であると認識しており、本年二月二十八日に新たに定めた日雇派遣労働者の雇用の安定等を図るために派遣元事業主及び派遣先が講ずべき措置に関する指針(平成二十年厚生労働省告示第三十六号。以下「日雇派遣指針」という。)において、派遣元事業主及び派遣先が講ずべき措置として、労働保険と社会保険の適用の促進についても明記していることを踏まえ、今後、この指針の周知徹底を図るとともに、雇用保険と社会保険の連携について検討することとしている。

五について

お尋ねについては把握していない。

六について

御指摘の健康保険法第三条第二項に規定する日雇特例被保険者の適用除外申請については、当該申請を行う事業所は健康保険の適用事業所を対象としているが、労働者派遣事業の許可を受けている事業所か否か申告することまでは求めておらず、お尋ねの件数については把握していない。

七について

日雇派遣指針は、派遣労働者の雇用期間にかかわらずすべての派遣元事業主及び派遣先にそれぞれ適用される派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針(平成十一年労働省告示第百三十七号。以下「派遣元指針」という。)及び派遣先が講ずべき措置に関する指針(平成十一年労働省告示第百三十八号。以下「派遣先指針」という。)に加えて、特に雇用期間が短期で雇用が不安定であると考えられる日々又は三十日以内の期間を定めて雇用される派遣労働者について、十分な保護を図るために作成したものである。このため、健康保険法第三条第八項ロにおいて、二月以内の期間を定めて使用される者であるかどうかを一つの基準としている日雇特例被保険者制度とは、対象範囲が異なるものである。

八について

日雇派遣指針の対象ではない三十日を超え二月以内の期間を定めて雇用される派遣労働者については、派遣元指針及び派遣先指針の対象となっており、保護が図られていると考えている。

九について

健康保険法第百二十六条第一項に規定する日雇特例被保険者手帳及び雇用保険法第四十四条に規定する日雇労働被保険者手帳については、それぞれの法律に基づき交付要件が異なることから、御指摘のような「手帳の一本化」は困難と考えている。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2承知していない ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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