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辺野古海上警備請負業務に関する質問主意書

衆議院 第190回 第277号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×4承知していない ×2

提出者
無所属
提出日
2016年5月17日
内閣転送 2016年5月23日
答弁書受領日
2016年5月27日
提出から10日
答弁の項目数
13
質問 4,427字/答弁 3,432字

質問本文

去る平成二十八年三月末日、沖縄県名護市辺野古への新基地建設に伴う海上警備請負業務を請け負ったマリンセキュリティーの従業員は、月最大で二百時間以上の残業代を同社が支払わないのは労働基準法違反であるとして、沖縄労働基準監督署に申し出た。

この申し出に基づき、本職を始めとする沖縄県選出国会議員五名は、平成二十八年五月十六日、沖縄防衛局に出向き、訴えの趣旨や本件の真相、顛末、沖縄防衛局としての今後の処理方針等を問い質した。

その結果、まず直接従業員を雇用したマリンセキュリティーにおいては、訴えのとおり、労働基準法や雇用保険法、健康保険法等諸法令を順守していなかったことが確認された。次に、同社は意図的に諸法令を順守しなかった、若しくは諸法令に対する基本的な認識や知識を欠いていたものとしか判断できないような状況も明らかとなった。特に雇用者として負担すべき社会保険料や雇用保険料を意図的に免れるとともに、労働基準法で規定する一日当たりの労働時間をはるかに超える時間で従業員を働かせるなどしていることは極めて悪質であり、同社は労働者を食い物にするブラック企業と言わざるを得ないものである。

次に、同社と百%の資本関係にあり、辺野古海上警備請負業務を沖縄防衛局から直接受注しているのはライジングサンセキュリティーサービスであるが、同社が沖縄防衛局と締結した契約に関しては、一社から徴収した見積書のみに基づいて積算した設計図書に基づいて入札・契約を行っていることや、落札金額が予定価格の九十九%超えという、ほぼ同額となっていることから、契約の在り方からして極めて不自然である。さらにライジングサンセキュリティーサービスは、請け負った海上警備業務のその全部をマリンセキュリティーに下請けさせており、丸投げといわれても仕方がない状況が明らかとなっている。また、下請けの承認手続き等に関する説明や資料提供が沖縄防衛局から十分に行われないため、瑕疵や不備が生じていると疑わざるを得ない状況である。

そこでお尋ねする。

一 マリンセキュリティーが辺野古海上警備請負業務を行うようになった当初から平成二十八年四月に至るまでの受注金額、実数及び延べの雇用人員数を年度別に明らかにされたい。政府の承知するところを答えられたい。

二 マリンセキュリティーが従業員に支払った一日当たりの賃金額、超勤や深夜等手当の支給額と支給の有無、日勤と当直の実際の勤務形態として政府の承知するところを明らかにした上で、当該勤務実態の適正性について政府の見解を答えられたい。

三 労働基準監督署に訴えた従業員は、勤務状況として、沖縄市にある同社に出勤した後、乗り合いバス等で海上警備のための船舶が係留している港に行き、乗船して警備業務に就き、警備終了後逆のコースで会社に戻るという内容であり、勤務時間は、日勤で四時三十分の会社発から二十時の会社到着までの十五時間三十分、当直で五時三十分会社発から翌日の十九時会社到着までの三十七時間三十分に及ぶと述べている。政府はこのような事実を把握・認識しているか。

四 マリンセキュリティーは、従業員の拘束時間が日勤で十五時間三十分、当直で三十七時間三十分に及んでいるのにも関わらず、移動時間を含めた拘束時間を勤務時間として認めず、さらに、残業や深夜勤務等に対する手当てを一切支給せず、九千円の日当のみを支払っただけである。これに対して労働基準監督署は明らかな法令違反であるとして、五月十三日に同社に是正勧告を行った。また、休憩時間も明確に就業規則の中で位置づけられていないことや、海上でのトイレや食事にも支障を来していることなどの実態も明らかとなっている。政府は、同社のこのような対応をどのように認識しているのか。また今後同社に対してどう臨む考えか。

五 労働基準監督署は、過去二か年間に遡って残業代を支払うよう勧告したとのことであるが、なぜ二か年だけに限定しているのか。さらになぜ深夜勤務手当や、最高裁判例で確定し、勤務時間として本来支給対象となっている拘束時間の賃金等を対象としないのか。

六 マリンセキュリティーが従業員に課した労働時間は、労働基準法で定めた一日当たり及び一週間当たりの労働時間をはるかに超える時間であり、過労死に繋がりかねない状況である。政府は、同社を労働基準法違反で調査するべきではないか。

七 マリンセキュリティーは、雇用者として本来負担すべき雇用保険料や厚生年金保険料等の社会保険料が月で数百万円に及ぶのにもかかわらず、その支払いを意図的に逃れていたことが明らかになっている。政府は同社のこのような対応に対して、追徴や下請け承認の取り消し等を含めた厳しい態度で臨むべきではないか。

八 労働基準監督署に訴えた従業員によれば、警備業務の内容として、海上での抗議活動を行う市民やマスコミに対して写真撮影を行うとともに、あらかじめ準備した氏名や番号等と照らし合わせて人物を特定してマリンセキュリティーに報告し、さらに同社はその報告を基に毎日沖縄防衛局に報告していたとのことである。このことは事実か。また政府はこのようなことを把握・認識しているか。

九 マリンセキュリティーがあらかじめ準備し、従業員に照合を求めた市民の顔写真や氏名の一覧表は六十名余に及んでいたとのことである。そのような個人情報を一民間企業が入手することは不可能であり、違法な行為が行われた可能性が高い。政府は、個人情報の保護とプライバシー侵害の観点からマリンセキュリティーに対して、情報の入手先の調査を直ちに行い、その結果を公表すべきではないか。

十 質問八及び同九に関連して、本職が沖縄防衛局と面談した際に、沖縄防衛局に対して同報告書の提供を求めたところ、同局は言葉を濁して回答しなかった。従業員が述べているように沖縄防衛局は同報告書を入手しているのか。事実関係を明らかにするとともに、報告書を開示し、さらに同報告書が誰の指示で、何に基づき、また何を目的に行われていたのか明らかにすべきではないか。

十一 質問八〜同十に関連して、沖縄防衛局がライジングサンセキュリティーサービスに発注した際に締結した請負契約書と、またマリンセキュリティーを下請けとして承認した際の承認手続き、さらにはライジングサンセキュリティーサービスとマリンセキュリティーとの業務提携書等において、抗議活動を行う市民やマスコミの撮影や人物の特定、報告業務が位置付けられているのか。政府の承知するところを答えられたい。

十二 政府は、マリンセキュリティーが従業員に行わせた、抗議活動の市民やマスコミの撮影や人物の特定・報告は、憲法で保障された表現や政治活動の自由等への重大な侵害であり、憲法違反であるとの認識を有しているか。

十三 名護市辺野古の新基地建設に伴う陸上及び海上の警備請負業務に関して、発足時から平成二十八年四月現在までの年度別、請負業者別、競争入札と随意契約別に、業務名称、業務内容、設計金額、予定価格、落札額、設計変更額、契約変更額、契約変更内容等をそれぞれ明らかにされたい。

十四 質問十三に関連して、そのうち予定価格に対する落札額(契約額)若しくは随意契約額が九十%を超える契約に関して、発足時から平成二十八年四月現在までの年度別、請負業者別、競争入札と随意契約別に請負の金額と業務名称、業務内容等をそれぞれ明らかにした上で、予定価格に対する落札額(契約額)若しくは随意契約額の比率の適正性についての政府の見解を答えられたい。

十五 全国市民オンブズマン連絡会議が公文書公開請求で入手した資料によれば、平成二十七年度のシュワブ海上及び陸上の警備業務四件の落札率がいずれも九十九.二%〜九十九.九%という極めて高い値となっており、通常ではおよそあり得ないことから、官製談合との批判を逃れないと断じている。政府の認識と説明を求める。

十六 沖縄防衛局の説明によれば、一般競争入札を実施するに当たり、その前提となる予定価格調書を作成する際の参考となる設計図書を作成するため、沖縄防衛局は三社に見積もり提出の依頼を行ったところ、二社は辞退し、ライジングサンセキュリティーサービスのみが応じたことから、同社の見積もりでもって設計図書を作成したとのことである。しかし、一社のみの見積もりでもって、設計図書作成のための積算資料となる歩掛り及び単価に反映したことは極めて不可解であり、到底納得できるものではない。政府は、なぜ一社のみの見積もりで設計図書の歩掛りや単価に反映できると判断したのか、その根拠法令は何か明らかにされたい。

十七 会計法では、一般競争入札を実施するに当たり、あらかじめ入札応募希望者が一社しかないと分かっている場合や、入札者が一社しかない場合は、競争入札自体が成立し得ないはずである。しかし、今回の場合、ライジングサンセキュリティーサービス一社のみの応募で、かつ、同社一社のみの入札であることが事前に判明している場合でも入札を強行し、契約を進めている。これは明らかに法令違反であり、入札及び契約自体が無効ではないか。政府の認識を問うとともに、釈明を求める。

十八 一般競争入札において、入札応募者や入札者が一社しかない場合、若しくは見込まれる場合は、適正な競争を確保する見地から公募と入札をやり直すべきであり、その際には入札参加資格のランクの拡大等を適宜行って参加者の一定程度の数を確保した上で、競争入札に付すべきである。政府の認識と見解を伺う。

十九 海上警備自体はこれまで先例がない業務であるかもしれないが、船舶の借り上げや警備員の日当、要する人員数、往復の交通費等は、これまでの政府の公共歩掛や単価等で十分対応できるものである。また、今回の海上警備業務が抗議活動の市民やマスコミの撮影や人物の特定・報告であり、表現の自由等を損なう事案であったとしても、そのための特殊な装備は必要ないものと思われる。なぜ、沖縄防衛局は独自で積算を行わずに、あえて民間業者から見積もりを徴したのか。

二十 一社のみの応札は競争入札として位置付けているのか、それとも随意契約として位置付けているのか。

二十一 ライジングサンセキュリティーサービスからの見積書、設計価格、予定価格及び落札額を同社が受注した全ての業務で明らかにした上で、当該契約の適正性についての政府の見解を答えられたい。

二十二 沖縄防衛局は、ライジングサンセキュリティーサービスからマリンセキュリティーへの下請けは丸投げではなく、一部の業務を下請けしたに過ぎないと説明している。そうであるならば、ライジングサンセキュリティーサービスが行った業務と、マリンセキュリティーが行った業務を具体的に説明されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、政府として、株式会社マリンセキュリティーの受注金額について承知していない。

また、同社の雇用人数については、個別の企業に関することであり、お答えを差し控えたい。

二について

お尋ねの「マリンセキュリティーが従業員に支払った一日当たりの賃金額、超勤や深夜等手当の支給額と支給の有無、日勤と当直の実際の勤務形態」及びそれらの「勤務実態の適正性」については、個別の企業に関することであり、お答えを差し控えたい。

三について

お尋ねについては、個別の企業に関することであり、お答えを差し控えたい。

なお、防衛省としては、受注者に対し、契約関係書類において、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)を含む関係法令の遵守を定めているところである。

四及び六について

お尋ねについては、個別の企業に関することであり、お答えを差し控えたいが、一般論として、厚生労働省としては、これまでも労働基準法の遵守徹底を図ってきたところであり、今後とも、事業場に対する監督指導等を通じ、同法の遵守徹底に努めてまいりたい。

なお、防衛省としては、受注者に対し、契約関係書類において、同法を含む関係法令の遵守を定めているところである。

五について

お尋ねについては、個別の企業に関することであり、お答えを差し控えたいが、一般論として、厚生労働省としては、労働基準法第三十七条第一項に規定する割増賃金を使用者が支払っていない場合に当該使用者に対して不払賃金の支払を指導する期間は、同法第百十五条において賃金の請求権は二年間とされていることを踏まえ、二年を限度としている。

また、お尋ねの「拘束時間」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一般論として、待機の時間であっても、使用者の指揮命令下にある場合には労働時間に該当し、使用者は、労働契約に基づき賃金を支払わなければならず、同省としては、これまでもその遵守徹底を図ってきたところであり、今後とも、事業場に対する監督指導等を通じ、同法の遵守徹底に努めてまいりたい。

七について

お尋ねについては、個別の企業に関することであり、お答えを差し控えたいが、一般論としては、労働者災害補償保険及び雇用保険(以下「労働保険」という。)においては、労働保険の適用事業の事業主は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和四十四年法律第八十四号)第十九条第五項の規定に基づき、その納付した労働保険料の額が政府の決定した労働保険料の額に足りないときはその不足額を、納付した労働保険料がないときは政府の決定した労働保険料を、納付しなければならず、また、政府は、同法第二十一条第一項の規定に基づき、事業主が同法第十九条第五項の規定による労働保険料又はその不足額を納付しなければならない場合には、その納付すべき額に百分の十を乗じて得た額の追徴金を徴収することとしている。また、健康保険及び厚生年金保険においては、健康保険法(大正十一年法律第七十号)及び厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)の規定に基づき、適切に対応することとなる。

そして、御指摘の「同社のこのような対応」の意味するところが必ずしも明らかではないため、下請承認の取消し等を含めた今後の対応についてお答えすることは困難である。

八から十二までについて

発注者である沖縄防衛局は、契約関係書類において、受注者である株式会社ライジングサンセキュリティーサービスに対し、海上警備の実施状況について、報告するよう求めている。当該報告は、発注者として警備業務の実施状況を把握するためのものであるが、お尋ねについては、警備内容に関するものであるため、これを明らかにすることにより、今後の警備に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えを差し控えたい。

十三から十五までについて

お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、沖縄防衛局が普天間飛行場代替施設建設事業に関連して発注している警備業務の業務名ごとの�@年度、�A入札方式、�B受注者、�C業務内容、�D予定価格(消費税を含む。)、�E落札額(消費税を含む。)、�F落札率及び�G契約変更の理由(当該変更による金額の増減がある場合はその金額(消費税を含む。))は次のとおりである。

シュワブ(H26)仮設工事

�@平成二十六年度 �A指名競争入札 �B大成建設株式会社九州支店 �C普天間飛行場代替施設建設事業に係る仮設工事及び警備を実施するもの �D六十億八千六百四十二万三千百六十円 �E五十九億六千百六十万円 �F約九十七・九五パーセント �G第一回 警備業務の期間延長及び工事等の数量変更(四十七億七千九百万円増)、第二回 工事等の数量変更(五億二千二百七十二万円増)、第三回 工期延長、警備業務の期間延長及び工事等の数量変更(二十億八千四百四十万円増)、第四回 工期延長、警備業務の期間延長及び工事等の数量変更(十三億五千八百六十四万円増)、第五回 工期延長、第六回 工期延長、第七回 工期延長、第八回 工期延長及び工事等の数量変更(百八万円減)、第九回 工期延長、第十回 工事等の数量変更(七億三千六百五十六万円減)

シュワブ(H27)海上警備業務

�@平成二十七年度 �A一般競争入札 �B株式会社ライジングサンセキュリティーサービス �Cキャンプ・シュワブ海上部において必要な警備を実施するもの �D二十四億七百九十万千八百九十六円 �E二十三億九千四百八十一万九千六百十八円 �F約九十九・四六パーセント �G第一回 業務の数量変更(六千二百六十四万円減)、第二回 委託期間の延長(六億六千九十六万円増)

シュワブ(H27)陸上警備業務

�@平成二十七年度 �A一般競争入札 �B綜合警備保障株式会社 �Cキャンプ・シュワブ陸上部において必要な警備を実施するもの �D十九億三千七百九十八万四千四百二十二円 �E十九億三千四百八万五千六百円 �F約九十九・八〇パーセント �G委託期間の延長(五億四千八百六十四万円増)

シュワブ(H27)海上警備業務(その2)

�@平成二十七年度 �A一般競争入札 �B株式会社ライジングサンセキュリティーサービス �Cキャンプ・シュワブ海上部において必要な警備を実施するもの �D二十億五千三百五十万六千五百八円 �E二十億五千二百十七万三千八百三十五円 �F約九十九・九四パーセント

シュワブ(H27)陸上警備業務(その2)

�@平成二十七年度 �A一般競争入札 �B綜合警備保障株式会社 �Cキャンプ・シュワブ陸上部において必要な警備を実施するもの �D十五億八千六百三十七万八千五百二十円 �E十五億七千三百十六万九千四十円 �F約九十九・一七パーセント

また、入札については会計法規にのっとって、適正に行われたものと承知している。

十六及び十九について

防衛省において、警備業務に関する積算基準を定めていないことから、取引の実例価格等を考慮して予定価格を決定するため、警備業を営む者から見積りを徴収するなどしたところである。その際、見積りを三者に依頼したところであるが、二者から辞退の申出があり、結果として一者から提出を受けた見積りを考慮して、予定価格を決定したものである。こうした予定価格の決定は、予算決算及び会計令(昭和二十二年勅令第百六十五号)第八十条第二項に基づくものである。

十七及び十八について

お尋ねの一般競争入札については、一般競争に付する旨の公告を行い、不特定多数の者の入札を求めた結果、入札者が一者だけであっても、その一般競争の競争性が失われているとは解されないので、当該入札は成立し得るものとされていることから、適正に行われたものと承知している。

二十について

競争入札である。

二十一について

御指摘の株式会社ライジングサンセキュリティーサービスが受注した全ての業務の見積書等について承知しておらず、お答えすることは困難である。

二十二について

株式会社ライジングサンセキュリティーサービスは、発注者である沖縄防衛局の承諾を得た上で、株式会社マリンセキュリティーに警備業務の一部を再委託しているが、警備内容については、これを明らかにすることにより、今後の警備に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えを差し控えたい。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×4承知していない ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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